POINT
「LaVie N LN500/4D」 |
- スタンドに立てて収納する、究極の省スペース
- 女性が使いたくなるスタイリッシュなデザイン
- PK-AX10との組み合わせでTV環境も充実
スタンドを使って “使わないとき”もかっこよく
写真1 未使用時にはスタンドに立てて収納できる。モバイルのためではなく、家庭内での省スペース・収納のためにノート型として開発された。なお、スタンドには充電端子など、クレードルとしての機能はない。 |
2003年春モデルのB5薄型ノート「LaVie J LJ500/4D」&Tablet PC「LaVie TB」レビュー(from 月刊アスキー)。写真をクリックすると当該記事に移動します |
「LaVie N LN500/4D」レビュー(from アスキー PC Explorer)。 |
NECは変わった、今回のラインナップの中でそうした印象をもっとも強く感じるのが、「パーソナル」カテゴリに分類されている「LaVie N(LN500/4D)」だ。陶器のような白色で包まれた外装はあくまで佳麗で、インテリアショップで小物としてテーブルなどの上に置かれても、まったく違和感なく溶け込みそうだ。さらにカバーを開くと、外装の色とはまた異なる乳白色のキーボードが目を楽しませてくれる。NECでは本機を「女性でも使えるマシン」と位置付けているが、そうしたコンセプトがデザインから実感できる。
さらに、同社のデザイン面での取り組みがこれまでとは大きく変わったことを表すものに、スタンドと本体の裏に取り付けるカバーが付属することが挙げられる。デザイン上のポイントとしてワイヤーをあしらったスタンドは、本体を利用しないときに立てかけて収納するために用意されたもの。スタンドに収納するとき、重要な役割を果たしているのが裏面のカバーだ。どんなにスタイリッシュなパソコンでも、裏側にはバッテリを取り外すためのスイッチやメモリを増設するための開口部などがあり、雑然とした印象がある。しかし、LaVie Nではカバーを付けることによって、そうした部分を隠蔽して表面と裏面のデザイン上の差異をなくした。スタンドに立てかけたとき、どちらから見てもLaVie Nのデザイン性を失わないよう配慮されている。
写真2 本体底面には、開口部やスリット類を覆うカバーを装着する。通常のノートPCとは違い、背面のデザインにまで気を配った。カバーはノッチを回せば、簡単にはずすことができる。 |
いくらデザインがよくても、パソコンとしての性能が今ひとつでは意味がないが、LaVie Nではその辺りもしっかり設計されている。CPUにMobile Celeron-1.2GHz、メモリを256MB(最大768MB)搭載。周辺機器を接続する各種インターフェイスも、3つのUSB 2.0ポートに2つのIEEE 1394ポート、そしてTypeII×2のPCカードスロットと、まったく不満のない構成だ。大きさは285(W)×240(D)×34.3(H)mmで、重量は約2.4kg。家の中を持って歩く程度であれば苦にならない。
PK-AX10と組み合わせて
好きなところでTVを見よう
「PK-AX10」レビュー(ASCII24 Reviewオリジナル)。 |
このLaVie Nとぜひ組み合わせて使ってみたいのが、2002年冬モデルと同時に姿を現した80GBの容量を持つハードディスクレコーダ「PK-AX10」だ。最大の特徴は本体背面のEthernetポートを介してパソコンと接続できること。ネットワークで接続して「SmartVision/PLAYER」をインストールしておくと、パソコンからリアルタイムのTV映像の視聴や予約録画、そして録画した映像の再生といったことが行える。
このPK-AX10にLaVie Nを組み合わせることで、ネットワークケーブルの届くところであればどこででも好きなときにTVが見られるようになる。もちろんTVアンテナも必要なく、その自由度はかなり高い。PK-AX10は単体でも動作するので、予約した番組を大画面で見たいというときは居間のTVで見ることもできる。さらに、PK-AX10で録画した番組をMPEG-2ファイルとしてパソコンに出力することも可能で、出張のときに新幹線の中で前夜録画した番組を見るといった使い方も考えられる。このようにPK-AX10なら、TVチューナユニットを追加するよりも、フレキシブルに“パソコン+TV”の組み合わせを楽しむことができる。
写真3 本体前面のインターフェイスを電源ボタンだけとし、すっきりした外観の「PK-AX10」。前面パネルにはヘアライン処理が施され、高級感のある仕上がりになっている。 |
LaVie Nの最大の魅力は、何といってもそのデザインだ。特にスタンドに立てかけておくと、ちょっとパソコンとは思えない雰囲気がある。男性をターゲットにしたデザインが主流を占めていたパソコン業界に、新しい風を送り込んだ価値の高い1台と言える。
「新規ユーザーは8400万人いる」
―家庭内の未使用層を狙え!
NECNECカスタマックス
マーケティング本部グループマネージャー
栗山浩一氏
新たなニーズに気が付いた!
NECは2001年10月、大幅な機構改革を行った。商品企画・マーケティングは「NECカスタマックス」、製造は「NECカスタムテクニカ」に、それぞれ集約したのだ。その際、従来の「プロダクト・アウト」から顧客重視の「カスタマ・イン」へ大きく戦略を変更し、過去のしがらみを捨ててゼロベースで商品戦略を考えてきたという。具体的な商品企画のスタートは、2002年1月から。「マニアの世界だけで勝負するつもりはない(栗山氏)」ため、顧客の分析を徹底的に行った。栗山氏によると、パソコンの世帯普及率は58%だが、各世帯で実際にパソコンを使っている人は3分の1程度。4歳からパソコンを使うとすれば、約8000万人が未使用ということになる。従来、NECは買い換え・買い増し需要を考えてきたが、今回のさまざまな分析で「ここ(家庭内の未使用層)に気が付いた」。そこで、今回の3つのカテゴリのうちの1つ、「ファミリー」というコンセプトが出てきたという。
製品ラインナップだが、従来はデスクトップとノートをそれぞれスペック別に分類してきた。しかし、今回はまったく別の分類に変えた。
デスクトップ、ノートという分類はやめた
顧客はパソコンを購入するとき、デスクトップかノートか、という形態で迷うより、まず自分がどう使うかを考え、それに合う製品を選ぶ。これは家庭用TVと同じで、リビングに置くなら大型、個人で使うならビデオ内蔵型、ほかに携帯型やお風呂TVなど、まず利用目的があって、それから形態が決まるのだ。そこでデスクトップ、ノートという形態による分類をやめ、新たに「ファミリー」「パーソナル」「ニュースタイル」という利用スタイルで分類した3つのカテゴリ別のラインナップとした。3つのカテゴリの中に、デスクトップとノート、両方が含まれている。一人一人がライフスタイルに合わせた、びったりの製品を選べるようにしたという。
そして、開発体制も変えた。従来は開発チームもデスクトップとノートに別れていたが、それをシャッフルして3つのカテゴリごとに分け、組織も従来の水平分業から垂直統合とし、各チームが商品企画からカタログの制作まで扱うようにした。テーマカラーも、ファミリーはオレンジ、パーソナルはブルー、ニュースタイルはモノトーンとした。今まで、NECのパソコンは全方位的で万人受けするモノを目指していたが、今回は利用スタイルを明確に定義したので、デザイン面でも冒険しているという。
また、今回の各製品には、お父さんが何歳で職業はこれ、子供は何歳といったように、すべて詳細なシンボリックユーザーを設定している。そして、開発チームのチームリーダーには、そのターゲットに近い人間を置いた。「あなたたちの本当に欲しいものを作ってください(栗山氏)」。例えば「LaVie N」は、女性の担当者が女性でも使えるノートPCを目指して企画したという。
今回、製品ラインナップを変えたことについて、栗山氏に不安はないという。販売店などからは、「今回のNECは変わった(良いほうに)」と言ってもらえるという。 なお、今年はバイオ5周年、ThinkPad10周年だが、NECはPC-9801が20周年となる。今回の製品ラインナップには「安心、快適、カスタマ・イン」という3つの軸があるが、栗山はその安心感は20年の蓄積に支えられているとしている。
「お客さまの視点で提案させていただきました。きっと、自分にちょうどいいと感じていただけるパソコンがあると思います(栗山氏)」。
LaVie N LN500/4Dの主なスペック | |
製品名 | LaVie N LN500/4D |
---|---|
CPU | Mobile Celeron-1.20GHz |
チップセット | Apollo Pro133T |
メモリ(最大) | SDRAM 256MB(768MB) |
ディスプレイ | 12.1型液晶(1024×768ドット) |
ビデオ | ATI MOBILITY RADEON |
HDD | 30GB |
FDD | 外付け(USB接続) |
光メディアドライブ | CD-R/RW(CD-R16倍速/CD-RW10倍速/CD24倍速) |
スロット | PCカード(TypeII×2) |
I/O | USB 2.0×3、IEEE1394×2、光デジタルオーディオ出力、外部モニタ |
通信 | 10/100BASE-TX、モデム |
バッテリ駆動時間 | 約3時間 |
サイズ(W×D×H) | 285×240×34.3mm |
重量 | 約2.4kg |
OS | Windows XP Home Edition |
アプリケーション | Office XP Personalほか |