IEEE802.11a/b両対応の
初めてのスリムノート
シャープ「PC-MT2-F1」ニュース。写真をクリックすると当該記事に移動します | 東芝「DynaBook SS S6」ニュース |
機能面での目玉は、国内のノートPCとしては初めてIEEE802.11a/bの“デュアルバンド”に対応した点だ。最大54Mbpsと高速な11a規格はようやく普及の兆しを見せており、街中のホットスポットなどで導入されるケースも増えてきた。現在圧倒的な普及率を誇る11b規格と混在する時期がしばらく続くと思われるので、1台で両方に対応できる本機のようなマシンは非常に心強い。
従来機との比較でまず目を引くのがさらにスリムになった本体だ。これまでのLaVie Jではプラスチックにニッケルの厚メッキを施した“メタライズドコンポジット”と呼ばれる工法(厚さ1.2mm)が用いられていたが、本機では0.6mm厚のマグネシウム合金を採用することで厚さ17~21.8mm/重量1.19kgというサイズを実現した。東芝の「DynaBook SS S6/286PNSL」(14.9~19.1mm/1.19kg)などには一歩譲るものの、パームレストの裏側をより薄くデザインするなど視覚的な効果もあり、競合機に劣らない薄さを感じさせる筐体となっている。また天板をハニカム状(蜂の巣上)に成型するなど強度と携帯性を両立させる工夫も盛り込まれている。
写真1 外観上の特徴であるパームレスト部。格子状のコーティングを施して触感を高めている。 | 写真1a パームレスト(ポインティングデバイス付近)の拡大。 |
MURAMASAに代表される極薄ノートやVAIO C1などのミニノートではCrusoeが採用されるケースも多いが、本機では性能面で有利な超低電圧版のMobile PentiumIII-Mを採用した。クロック周波数は現行では最高の933MHzである。12.1インチ液晶の搭載やバスパワーで動作する外付けCD-RW&DVD-ROMコンボドライブ(USB 2.0対応、ブータブル)を同梱するなど他のスペックも充実したものと言えるだろう(表)。
製品名 | LaVie J(LJ700/5E) | PC-MT2-F1 | DynaBook SS S6/286PNSL |
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メーカー | NEC | シャープ | 東芝 |
薄さ/重量 | 17~23.5mm/1.19kg | 18.5~20.9mm/1.42kg | 14.9~19.1mm/1.19kg |
CPU | 超低電圧版 PentiumIII-933MHz | 低電圧版 PentiumIII-1GHz | 超低電圧版 PentiumIII-866MHz |
HDD | 30GB(1.8インチ) | 60GB(2.5インチ) | 30GB(1.8インチ) |
USB 2.0 | 3 | 2 | 3 |
IEEE1394 | 1 | 1 | なし |
無線LAN | 802.11a/b | 802.11b | なし |
液晶サイズ | 12.1インチ | 12.1インチ | 12.1インチ |
バッテリ | 4時間 | 2.8時間 | 2.4時間 |
実売価格 | 23万円弱 | 24万円前後 | 24万円前後 |
ビデオチップがチップセット内蔵のCyberALADDiN-T(ビデオメモリ16MB・メインメモリ共有)で3D性能がややもの足りなく感じるが、デュアルディスプレイ環境でもセカンダリモニタに最大1600×1200ドットの出力が可能であり、インターネットやビジネスアプリの使用に支障はない。
実売価格は上位機の「LJ700/5E」が20万円台前半、HDD容量(20GB)とOffice XPがない点が異なる下位機の「LJ500/5A」が19万円弱。上述の外付けドライブや4in1メモリカードが付属する点などを考慮すれば、競争力のある価格と言っていいだろう。
写真2~5 インターフェイスの多彩さはLaVie Jの特徴のひとつ。本体左側面と背面にUSB 2.0ポートを3つ装備するほか、CF&PCカードのダブルスロット、IEEE1394ポート、外部ディスプレイ出力など充実した構成になっている。 |
このように本機がビジネスモバイルとして十二分な実用性を備えた製品であるのは確かだが、惜しむらくは、バランスの取れた仕様を包む本体にマシンとしての色気がいまひとつ足りない点だろうか。例えばマグネシウムの素材感をムキ出しにした簡素な外装の代わりに構造上の肝であるハニカム構造を天面に出すなど、機能を外観に生かす演出があってもよかったのではないか。それによって価格が多少上がっても所有する悦びをより味わえる製品を選びたいというユーザーも少なくないはずだ。
LaVie J LJ700/5Eの主なスペック | |
製品名 | LaVie J LJ700/5E |
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CPU | 超低電圧版Mobile PentiumIII-M 933MHz |
チップセット | CyberALADDiN-T+M1535+ |
メモリ(最大) | 256MB(768MB) |
液晶/解像度 | 12.1型TFT/1024×768ドット |
ビデオ | CyberALADDiN-T |
HDD | 30GB |
FDD | なし |
光メディアドライブ | 外付けDVD-ROM&CD-R/RW対応コンボドライブ |
通信 | 56kbpsモデム、10/100BASE-TX、IEEE802.11a/b |
カードスロット | PCカード(TypeII)/CFカード(TypeII) |
I/O | USB 2.0×3、IEEE1394×1、外部ディスプレイ端子 |
バッテリ駆動時間 | 約4時間(リチウムイオン) |
サイズ | 270×222×17~21.8mm |
重量 | 約1.19kg |
OS | Windows XP Professional |
オフィス | Office XP Personal |