撮影サンプル&総評
ハードウェア的な改良のほかにも、撮影時ヒストグラム表示、AF位置の任意設定、各種設定を液晶モニタ全面に大きく表示する「スーパーコンパネ」など、便利な機能が追加されており、従来機同様のカスタムボタン(呼び出す機能を変更可能)のほかにもメニューボタンを押すと十字型に表示されるトップメニュー項目の変更機能が加わった。
撮影サンプル1 元画像は2560×1920ドット。ノイズ低減処理のためか透明感のあるすっきりした画像となった。強い反射光が画面内にあるハイコントラストな被写体のためややダーク部やつぶれがちだが、ハイライト部分は飛んでいない。右は全体を640×480ドットにリサイズしたもの。左は中央付近を640×480ドットでトリミングしたもの。 |
ハードウェア/ソフトウェアの両面で改良が施されて機能が豊富になり、操作系も変更して使いやすく工夫されている点は評価できる。が、実際に使ってみると動作が遅い印象を受けるのが残念だ。電源ONからファーストショットまでが約5秒、撮影間隔はJPEG最高画質で2秒弱といったところで、数値で見るとそれほど遅いわけではないが、特に電子ダイヤルを含めてボタン/ダイヤル操作からメニュー項目が回るまでに少しタイムラグがあり、直感的インターフェイスであるダイヤル式だけに使っていて気になるのは確かだ。
撮影サンプル2 元画像は1920×2560ドット。中間調の多い被写体ではやわらかい発色となり、ボケ部分にざらつきが見られるものの細部の描写はきれいに仕上がっている。 |
絵作りも同社の従来機に比べて鮮やかな発色となっており、輪郭を際立たせるシャープネス処理がかけられているにもかかわらず、中間調部分などでのノイズはほとんど目立たないなど画質は良好だ。
撮影サンプル3 元画像は2560×1920ドット。ダークフレームと減算合成を行うノイズリダクションにより、長時間露出においても熱ノイズはまったく見られない。光源部分が飛ぶほどの長時間露出(4秒)だが、受光素子のオーバーフローによるエッジの着色もきれいに抑えられている。 |
C-5050ZOOMは、名称的にはC-x0x0を継承するわけだが、可変アングル液晶モニタやダイヤル操作などの新しい機能を取り入れ、長らく続く同一ボディのシリーズに新しい展開を見せてくれた。やや操作系がこなれていない印象はあるものの画質的には十分満足できるものであり、プロユースのE-20を除けば同社のフラッグシップ的な存在であるだけでなく、現在の高級コンパクト・デジタルカメラとして高い完成度を見せる逸材と言えるだろう。
CAMEDIA C-5050ZOOMの主なスペック | |
製品名 | CAMEDIA C-5050ZOOM |
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撮像素子 | 有効500画素CCD(サイズ/総画素数は未公開、サイズの推測値は1/1.8インチ) |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=7.1~21.3mm(35mmフィルムカメラ換算:35~105mm)、F1.8~2.6 |
記録媒体 | xD-PictureCard/スマートメディア、CF TypeII(Microdrive対応) |
記録画素数 | 2560×1920/2288×1712/2048×1536/1600×1200/1280×960/1024×768/640×480ドット、3200×2400ドット(プリント拡大モード) |
液晶モニタ | 1.8インチ低温ポリシリコンTFT、約11万画素 |
動画記録 | 320×240(連続撮影時間96秒)/160×120ドット(同424秒)、QuickTime Motion JPEG(15fps) |
インターフェイス | USB、AV出力、DC入力、ホットシュー(外部フラッシュ) |
電源 | 単3電池×4本(アルカリ乾電池/ニッケル水素充電池/ニッカド充電池)、もしくはCR-V3×2 |
本体サイズ | 113.5(W)×69.5(D)×79.5(H)mm |
重量 | 375g(本体のみ) |