日商岩井(株)と日本オラクル(株)は29日、電子印鑑システムの普及に関して業務協定を締結したと発表した。これを受けて、シヤチハタ(株)の電子印鑑システム『パソコン決裁 inpplet(インプレット)』と、『Oracle9i Database』を採用した認証サーバー『jaiser(ジェイサー)』を組み合わせたシステムの販売を2月3日に開始する。
電子印鑑システム『inpplet』 |
電子印鑑システム『inpplet』は、ICチップを組み込んだ直径9mmの印鑑と、パソコンにUSB接続できるタブレットをセットにした製品。 印鑑に付いている小さなボタンを押すと、内部に組み込まれたIDを認識して個人データを呼び出せる。Adobe Acrobat/Word/Excelへの捺印が可能で、Adobe AcrobatはPKIにも対応する。なお、キャップを外せば通常の印鑑としての使用も可能。動作環境は、Windows 98/Me/2000/XPを搭載したPC/AT互換機。価格は導入パックが2万9500円、メディアが付属しない電子印鑑パックが1万3800円。
電子印鑑のIDと印影を管理するのが認証サーバー『jaiser』で、ログイン認証やアクセス権限を管理するほか、バイオメトリクスなど他の認証システムにも対応可能。帳票システムなどの業務アプリケーションと連携して、個人情報や認証基準の一元的な管理/設定を行なえる。対応OSはWindows 2000/NT、Miracle Linux。メモリーが512MB、ハードディスクの空き容量が2GB必要となる。価格は200~250万円。
電子印鑑システムの仕組み |
なお、電子印鑑システムとは、日商岩井やシヤチハタなど5社で設立した“電子印鑑コンソーシアム”が開発/販売しているもので、2002年7月には国内で初めて電子投票を実施した岡山県新見市で実証実験を行なっている。 今回の提携は、日商岩井が同コンソーシアムを代表して業務協定を締結したもので、日本オラクルは、認証サーバーにOracle9i Databaseを導入するとともに、業務アプリケーション『Oracle E-Business Suite』の販売パートナーなどに同システムの導入を働きかける。
左からシヤチハタの舟橋正剛常務取締役、日本オラクルの山元賢治取締役専務執行役員マーケティング・パートナー営業統括本部長、日商岩井の藤島安之常務執行役員 |
記者会見では3社の代表として、シヤチハタの舟橋正剛常務取締役、日本オラクルの山元賢治取締役専務執行役員マーケティング・パートナー営業統括本部長、日商岩井の藤島安之常務執行役員が挨拶し、「電子印鑑システムは、PKIの課題に対応でき、かつ日本の印鑑カルチャーを引き継げるユーザーフレンドリーさが特徴だ」と述べていた。 2005年のe-JAPAN戦略の見直し時期に同システムが採用されることを目標に、初年度10万セット、3年後には100万セットの販売を予定している。