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川田工業、働く人間型ロボット“HRP-2最終成果機”を発表――研究開発用にレンタルを開始

2002年12月10日 22時15分更新

文● 編集部

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川田工業(株)は9日、独立行政法人の産業技術総合研究所、(株)安川電機、清水建設(株)と共同で、人間型ロボット“HRP-2”最終成果機を開発したと発表した。これは、経済産業省の5ヵ年計画“人間協調・共存型ロボットシステムの研究開発”(HRP:Humanoid Robotics Project)の一環として開発された人間型ロボット。アニメーション『パトレイバー』などのメカデザイナーである出渕裕氏が外観デザインを担当し、“Promet”と命名したという。

Promet“HRP-2最終成果機”(Promet)

共同開発では、川田工業が主担当として設計製作を行ない、産総研知能システム研究部門ヒューマノイド研究グループが全体仕様設計、安川電機が腕部仕様設計、清水建設が視覚部仕様設計を行なった。“HRP-2”は、身長が154cmで体重58kg(バッテリー含む)。腰2軸を含む30自由度を持ち、股関節が片持ち構造となっているため狭い道(隘路)の歩行が可能で、電装系の高密度実装によりバックパックを搭載しないのが特徴。3月に発表した“HRP-2プロトタイプ”からの改良点は、脚部アクチュエーターにクーリングシステムを実装したことによる連続歩行時間の延長や、不整地歩行に適した足裏機構の開発などの“高性能化”、電装デバイスのノイズ対策や、コンピューターシステムとアクチュエータードライブシステム周りへのクーリングシステムの増設による“高信頼性化”、内部配線の基板化と専用バッテリーパッケージによる胴体部の“小型化”など。視覚入力は3眼ステレオカメラ。電源はニッケル水素充電池(DC48V/18Ah)。歩行速度は最大時速2km。

HRPでは今後、HRP-2を利用して、不整地歩行、転倒制御、転倒回復技術の実現、屋外共同作業への応用の実現を図るとしている。基盤技術研究促進事業“実環境で働く人間型ロボットの基盤技術の研究開発”では、さらなる実用化研究のベースとして利用する。また、川田工業では、研究開発用プラットフォームとしての使用に限定し、HRP-2のレンタル事業を開始する。ユーザーがソフトを開発できるように、HRP-2の内部APIを公開する計画があるという。

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