絶対性能でPentium 4に劣るCeleron
DDR333の効果はまずまず
では、実際の性能を見ていこう。なお、Celeronについては、i845E&DDR266マザーを用いてテストしている。また、Celeronは2.66GHzで動作させた結果も掲載している。このオーバークロック時は、FSBを533MHzベースにした以外、コア電圧上昇などの操作は行っていない。SYSmark 2002のテスト中1度だけハングしたが、それ以外に不安定な動きを見せたことはなく、少なくとも編集部で購入した個体はかなり大きめのマージンを持っていることが確認できた。
- マザーボード:ASUSTeK P4B533-E(i845E)、ASUSTeK P4T533-C(i850E)
- メモリ:256MB(PC2700、PC2100、PC800とも)
- ビデオカード:GeForce4 Ti4200搭載カード
- OS:Windows XP Professional英語版+SP1
グラフ1 SYSmark 2002の結果。 |
グラフ2 3DMark 2001SEの結果。 |
グラフ3 動画圧縮の結果。 |
グラフ4 Superπの結果。 |
まず、グラフ1はSYSmark 2002による比較。案の定、Celeronがかなりの苦戦となっている。Celeron-2GHzでPentium 4-1.60AGHzに劣るほか、2.66GHzまでオーバークロックしても、同-2AGHzには追いつかない。一方のチップセット側、DDR333を用いたi845PEはPC800を用いたi850Eに迫っている。
3DMark 2001SE(グラフ2)でもSYSmark 2002と同じ傾向だが、Celeronはさらに差をつけられた。2.66GHzで動くCeleronでさえ、Pentium 4-1.60AGHzに負けるのだ。これはSuperπ(グラフ3)でも同じ。一方、健闘したのが動画圧縮(グラフ4)。ここでのCeleronは同じクロックのPentium 4より少し劣る程度のスコアを出している。2.66GHz動作のCeleronは2.40BGHz動作のPentium 4と互角だ。
動画用、入門用向けCeleron
DDR333を生かせるi845PE
2GHzまでに達したCeleronだが、小さい2次キャッシュ容量のため、オフィスアプリや3D性能でのパフォーマンスは期待できない。とはいえ、これらの性能は今やどのCPUでも十分なレベルに達している。それより、最近CPUを酷使する機会といえば、動画圧縮が一番に思いつく用途だ。この方面の性能が高いのは心強い。また、1万3000円前後からという価格が魅力なので、Pentium 4ベース環境の入門用として、また動画圧縮を行うサブマシン用として価値は高い。
一方、i845PEはDDR333対応以外に大きなインパクトはないが、確実に性能が上がっていることはわかる。i845E&PC2100のユーザーがマザー&メモリとセットで買い換えるまでの必然性は感じないが、PC2100とPC2700のメモリ間、i845Eとi845PEのマザー間での価格差は小さいことを考えると、これからPentium 4環境を整えようというユーザーには、i845PE&PC2700がお勧めなのは間違いない。
PX845PEV Proの主なスペック | |
製品名 | PX845PEV Pro |
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チップセット | i845PE(Intel) |
メモリソケット | DDR DIMM×3(最大2GB) |
拡張スロット | AGP×1、PCI×5 |
FSBクロック | 100~248MHz(1MHz刻み、BIOS) |
メモリクロック | FSB 100MHz設定時 FSB:メモリ/3:4 FSB 133MHz設定時 FSB:メモリ/1:1、4:5、3:4(BIOS) |
CPUコア電圧 | 1.100~1.850V(0.025V刻み、BIOS) |
DIMM電圧 | 2.5~2.8V(0.1V刻み、BIOS) |
ボードサイズ | 294(H)×200(W)mm |