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日立、ガリウム砒素系新材料で10Gbps動作の光通信用半導体レーザーを試作

2002年10月07日 23時48分更新

文● 編集部

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(株)日立製作所は7日、同社の中央研究所が、ガリウム・砒素系新材料、ガリウム・インジウム・窒素・ひ素(GaInNAs)を活性層に採用した超高速光通信用半導体レーザーを試作したと発表した。試作したレーザーは、70~85度の温度で毎秒10ギガビット(Gbps)の動作が可能なうえ、8500時間以上の無劣化動作に成功したという。これにより、従来のインジウム・リン(InP)系材料に比べ、材料費を大幅に下げられるため、光通信システムの大幅な低コスト化に期待できるという。

活性層に採用したGaInNAsは、高速性と高温安定動作に優れた材料で、1995年に同社が独自開発したもの。ガリウム・インジウム・ひ素(GaInAs)に窒素(N)を混入して生成する。窒素の混入割合によりレーザーの発振波長を調整できるほか、高温環境下でも安定して動作するレーザーを実現できるのが特徴。結晶成長技術によるGaInNAs結晶の作製には、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)を採用し、GaInNAs結晶中にわずかに残る結晶欠陥を取り除くために高温で熱処理を行なったという。

同社では、開発した技術を利用して10Gbpsの端面発光型の半導体レーザーを試作し、高温安定動作を確認したとしており、今後、40Gbpsを超える高速化などに取り組み、実用化を目指すとしている。

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