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デジタルカメラ撮影の基本のキ とにかく三脚を買おう

デジタルカメラ撮影の基本のキ とにかく三脚を買おう

2002年09月28日 04時43分更新

文● 周防 克弥

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三脚の選び方

 三脚選びで一番大事なのは高さだ。正直言って高いほど良い。たとえ自分の身長より高くても脚立や台に乗ってしまえば撮影はできる。ただし、長く伸びる三脚はそれなりに重くなってしまうし、大きくなってしまう。たしかに高いほうがいいが、重たくかさばった三脚を立てている間にシャッターチャンスを逃すのは困りものだ。また、三脚を一番伸ばした高さも大事だが、同様に“低さ”(いかに低く設置できるか)も重要だ。花をマクロで撮影するときなどは、低い位置で固定できる製品がいい。

三脚の操作手順(3)写真3 残りの2本の長さを揃えるには、まず畳んだ状態から脚を伸ばす。

 旅行に持っていくのが目的ならなるべく軽く負担にならないように軽い物がいい。小型でカメラバッグに入れられるような物、バッグに取り付けられるタイプもある。

 雲台は撮影する被写体によって使い勝手が変わってくる。スポーツやポートレートのように動きの多い被写体なら少ない動作でアングルを自由に変えられる「自由雲台」が便利だ。逆に風景や、静物などアングルをしっかりと固定するなら「3ウエイ方式」が向いている。三脚と雲台部分は取り外しが可能で、好きな組み合わせを選べる製品もある。

三脚のセッティング

 条件によって、異なるが基本的な三脚の立て方を憶えておこう。
 一番最初にカメラの位置をどの高さにするかを決める。三脚の脚は全て畳んだ状態で1本だけ伸ばして高さを合わせる(写真1)。脚を広げると低くなるので少しだけ長めにするのがコツだ。脚を伸ばすときには必ず太い方から伸ばそう(写真2)。全部伸ばさずに使うなら当然太いほうが安定性が高くなるためだ。なお、回転式ロック機構の場合は、細い方を先に伸ばそうとすると太い部分のロックがきつくなってしまうことがある。1本だけ伸ばして高さを決めたら、そのまま地面に立てて、残りの脚を伸ばす(写真3)。このように伸ばせば3本の脚の長さが揃うはずだ。

 3本とも伸ばしたら脚を広げて設置する。三脚の向きは1本を被写体側に向けて、自分は脚と脚の間に入るのが基本だ、脚を挟んで立つと向きを変えるときに邪魔になったり、自分で蹴ってしまうことがあるので注意しておこう。三脚を伸ばした時、三角形に広がるが注意してみると正三角形ではなく、二等辺三角形になっていることに気が付くだろうか? 脚の向きは何処でもいいわけでなく、撮影者が立つ位置は決まっていて、二等辺三角形の短辺の中に入るのが正しい立ち位置だ。おそらくこのままではカメラの位置が若干最初に想定していた位置よりも低くなっていると思うが、細かい調整はセンターポールを上下させて完了だ(写真4)。センターポールの使用を嫌う人や、安定性に欠けると言う人もいるが、カメラにあったサイズの三脚をちゃんと選んでおけば少しくらいセンターポールを伸ばしても安定性に欠けることはない。

三脚の操作手順(4)写真4 足を広げると若干高さが下がるのでエレベータを少し伸ばして調整をする。

 この状態が三脚を使った場合の基本的な立ち方だ。もし三脚に水準器が付いているならこの段階で水平をきっちりを出しておくとアングルを決めるのが楽になる。

作例2 月

月
写真C 最近の高倍率ズームを使用すれば月の写真もそこそこに撮れてしまう。ズーム倍率が高くなるほどフレーミングが難しくなる。
 夜空に耀く月は意外に明るく、速いシャッターで撮影ができる。作例のデータはシャッタースピード1/125、絞りF5.6だ。数値だけみれば手持ちでも大丈夫なような気がするが実際にファインダー越しに見てみると手持ちではちょっとの動きでも大きくアングルが変わってしまい、画面のセンターに持ってくることすら難しい。しかし三脚を使用すれば画面の真ん中にしっかりと月を収めて撮影することができる(写真C)。

実践! 使い方の工夫

●スローシャッター

 三脚にカメラを固定したからといって安心できない。スローシャッターを使用するときには手でシャッターを押さず、リモートレリーズやセルフタイマを使用しよう。

●基本にこだわらなくても良い

 被写体側に脚を1本伸ばしていると近づきたくても脚が邪魔になってしまうこともある。こんなときには臨機応変、三脚の向きを変えて撮影しよう。また、脚の長さを変えて伸ばすと楽な場合もある。後側を伸ばすことでより被写体に近づけられる(写真5)。

三脚の操作手順(5)
写真5 被写体の状況によっては2本の脚を被写体側に向けないと近づけないことがある。また、必ずしも3本とも同じ長さに伸ばす必要はない。

 3本の脚をまとめて使えば一脚の代わりになる。狭い場所で脚を伸ばし切れない場合には有効な手段だ。

 持ち運びのためにストラップを付けるのが楽だ。専用ケースを使用するのもいいが、ケースから出すのは意外に手間取る。収納時や移動時にはケースに入れ、撮影中に持ち運ぶときにはストラップで肩に掛けるのがベストだ。肩に掛ける場合には重量バランスを考えて重い雲台側を下にしたほうが安定して持ち運べる。

 写真を撮るうえで重要な要素を持つ三脚だが、カメラよりも大きくかさばってしまうので、あまり重要視しない人も多いと思う。しかし、暗くて手持ちでは撮影できないような状況や、定点で撮影を続ける場合には必需品となる。ぜひとも三脚を使用してみてほしい。

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