撮影サンプル&総評
実際に試用してみると、電源ONから撮影可能になるまで2秒弱、撮影間隔は3秒弱という速度はコンパクトカメラの中では平均的なところだが、メニュー操作などのレスポンスが良好なので特に遅いという印象は少ない。撮影画像を見てみると、FinePixシリーズならではの鮮やかな色あいが目を引く絵作りに仕上がっており、ISO200ならノイズはほとんど気にならない。ISO400にすると暗部にざらつきが見られ、ISO800/1600ではさすがにかなり絵が荒れるのは気になるが、これはFinePix F601/S602でも同様であり、第三世代スーパーCCDハニカムでもほかのCCDと同様に感度向上とノイズがトレードオフの関係にあるのは避けられないため、これはやむを得ないところだ。
また、最高記録画素数である4Mモード(2304×1728ドット)では、ハニカム補間ならではのノイズが見受けられる。これは補間に起因するもので、ハニカム配列のCCDでは通常配列のCCDに比べて補間精度が高いといってもやはりエッジが甘くなるほか、中間調部分に一定のパターンで縦横の線状のノイズが載る。リサイズや簡単なレタッチ、インクジェットプリンタでの印刷でほとんど目立たなくなるものの、気になる人はCCD記録画素どおりの1600×1200ドットで撮るといいだろう。
撮影サンプル1。元画像は2304×1728ドット。左は全体を640×480ドットにリサイズ、右は中央部を640×480ドットでトリミングしたもの。曇天下だったが、こんな条件でも鮮やかな発色の花に撮れるのはFinePixシリーズならではの絵作りだ。拡大するとボケ部分でハニカム補間特有のノイズが見受けられる。 |
撮影サンプル2。ダークフレームと減算合成する方式のノイズリダクションを搭載していないが、夜景撮影においてもノイズは少ない。露光時間1/4秒。元画像は1728×2304ドット。 |
撮影サンプル2と同じカットをISO感度を変更しつつ撮影したもの。ISO200/400は2304×1728ドット、ISO800/1600は1280×960ドットで、それぞれリサイズしたもの(左)とトリミングしたものを並べた。ISO800/1600ではかなり画像が荒れている。露光時間はISO400が1/4秒、ISO800が1/6秒、ISO1600が1/12秒。 |
撮影サンプル3。元画像は1600×1200ドット。200万画素クラスでは木の葉などの細部描写に関しては物足りないが、周辺の色収差は少なく、このクラスとしては良好な画質だ。 |
気になった点としては、自動露出では明るめに出る傾向にあり、ハイライト部が白とびしやすい。露出の補正はメニューを呼び出しての設定となるが、もう少し簡単にボタン1つで設定できるとありがたかった。
200万画素クラスのコンパクトデジタルカメラは入門機を中心にあいかわらず激戦区だが、シンプルな低価格機以外に、キヤノンの「IXY DIGITAL 200a/300a」やミノルタ「DiMAGE X」、三洋電機「DSC-MZ2」、松下電器産業「LUMIX DMC-LC20」、東芝「sora T10(PDR-T10)」など、ステンレス外装や超薄型ボディ、交換可能な外装などデザインで差別化を図った製品が数多く出ている。F401はズーム機としては薄型のボディに加え、ISO200を標準とすることで初心者にありがちな手ぶれによる撮影ミスを減じるなど、細かな配慮もなされている。まずは初心者に使ってみてほしい製品だ。
FinePix F401の主なスペック | |
製品名 | FinePix F401 |
---|---|
撮像素子 | 1/2.7インチ有効210万画素スーパーCCDハニカム |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=5.7~17.1mm(35mmフィルムカメラ換算38~114mm相当)、F2.8(広角)/F4.8(望遠) |
記録媒体 | スマートメディア |
記録画素数 | 2304×1728(ハニカム補間)/1600×1200/1280×960/640×480ドット |
液晶モニタ | 1.5インチ低温ポリシリコンTFT(11万画素) |
動画記録 | 320×240ドット(10fps)、最大約120秒 |
インターフェイス | USB、DC入力 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
本体サイズ | 85(W)×27.5(D)×69.4(H)mm |
重量 | 約185g(本体のみ)/約215g(装備重量) |
競合製品レビュー