本田技研工業(株)は29日、自動車向けの双方向情報ネットワークサービス“インターナビ・プレミアムクラブ”を発表した。今秋発売される新型アコードを皮切りにサービスを開始するという。
新開発のカーナビ『新・Hondaナビゲーションシステム』で利用できる双方向情報ネットワークサービス“インターナビ・プレミアムクラブ”。携帯電話をカーナビに接続することでサービスを利用可能。写真は“愛車メンテナンス情報”のメンテナンス記録画面を表示したもの |
“インターナビ・プレミアムクラブ”は、音声認識に対応したカーナビ『新・Hondaナビゲーションシステム』と、“クルマ向けインターナビ情報ネットワーク”を基盤としたサービス。
新・Hondaナビゲーションシステムは、ドライバーが運転に集中しながら情報を入手できるよう音声認識に対応、ステアリングのスイッチを押してから音声で指示すると、マップライト部にあるマイクが音声をキャッチしてカーナビが作動する。カーナビの基本操作はもちろん、エアコンやオーディオの操作も音声で行なえる。
ケーブルタイプの携帯電話用モデム(PDC対応)を標準で装備しており、携帯電話をケーブルに接続することで、インターナビ・プレミアムクラブのサービスを利用できるようになる。ハンズフリーによる通話やデータ通信も可能。また、道路交通情報を入手できるVICS FM多重レシーバーやDVDドライブなどを備えている。
画面上で接続する携帯電話のキャリアを選択するだけで設定が可能 |
さらに、走行アシスト機能も搭載しており、自車位置と進行方向の情報や、車速センサーが検知した情報などを元に、オーバースピードになると予測されるカーブ接近の予告を行なえる。ふらつき運転の検知や、燃費表示なども可能。
“インターナビ・プレミアムクラブ”で提供されるサービス内容は、“新・道路交通情報”、“愛車メンテナンス情報”、“カーナビ向け情報”、“パーソナル・ホームページ”、“地図DVD更新”となっている。
“新・道路交通情報”は、全国のどこからでも目的地までの道路交通情報を入手でき、最短ルートを案内するサービス。同社のインターナビ情報センターと、VICSセンターおよびJARTIC(日本道路交通情報センター)を専用回線で結び、ドライバーからのリクエストやカーナビの情報更新設定に応じて最新の情報を入手し、この情報を元にカーナビ本体でルート計算を行なうことで目的地までの最短ルートを案内できる。従来のVICS FM多重レシーバーの受信エリアは都道府県単位、ビーコンは一般道の前方約10~30kmと、受信エリアが限られているが、今回のサービスでは、携帯電話の通話エリア内であれば、全国の道路交通情報を入手可能。また、運転中に情報の自動更新を行なうよう設定できるので、交通状況の変化にも対応できるという。
全国どこからでも目的地までの道路交通情報を入手し最短ルートを案内できるサービス“新・道路交通情報”の画面 |
“愛車メンテナンス情報”は、オドメーターからの走行距離をベースに、エンジンオイルやエンジンオイルフィルター、ブレーキ液、エアクリーナエレメント、タイミングベルト、冷却水といった部品/消耗品について交換時期を計算し、電子メールやパーソナル・ホームページ(後述)で通知するというもの。さらに、ユーザーが部品の交換履歴や車検/免許の更新時期などを登録することも可能。
“カーナビ向け情報”は、各種情報コンテンツを提供するサービス。ニュースや天気などを音声で読み上げたり、おすすめのドライブコースやスポット情報をダウンロードしたりできる。現在走行している場所を電子メールで送信することも可能。
“パーソナル・ホームページ”は、ユーザー専用ホームページ(パソコン用サイト/携帯電話用サイト)を提供し、走行距離表示やドライブ情報、メンテナンス情報などを提供するもの。“地図DVD更新”は、初回車検時までの3年間、1年点検ごとに販売店で最新地図DVD-ROMに交換するというもの。
同社は、インターナビ・プレミアムクラブに対応した新・Hondaナビゲーションシステムを、新型アコードを皮切りに、軽自動車を除くほとんどの車種に装着し、新・Hondaナビゲーションシステムを搭載した車種を購入したユーザーには、インターナビ・プレミアムクラブのサービスを3年間無償で提供するとしている。なお、ナビゲーションシステムの後付けに関しては検討中という。
同社常務取締役の土橋哲氏は、「2004年までに、軽自動車を除く新車販売におけるナビゲーションシステムの工場装着率を30%まで高めたい。ユーザーの充実したカーライフを幅広くサポートする」としている。
ホンダ常務取締役の土橋哲氏 |