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イー・アクセス、“ADSLプラス”に関する技術説明会を開催

2002年07月12日 23時26分更新

文● 編集部 佐々木千之

イー・アクセス(株)は12日、東京・港区の本社に報道関係者を集め、10月に開始予定の新サービス“ADSLプラス”に関する技術説明会を開催した。説明会では米センティリアム・コミュニケーションズ社プロダクトマーケティングマネジャーのリチャード・リン(Richard Lin)氏が、ADSLプラスで使われるADSL高速化/長距離化技術“eXtremeDSL(エクストリームディーエスエル)”について解説した。

米センティリアム・コミュニケーションズ社プロダクトマーケティングマネジャーのリチャード・リン氏米センティリアム・コミュニケーションズ社プロダクトマーケティングマネジャーのリチャード・リン氏

ADSLプラスはイー・アクセスが5月に開催した事業戦略説明会で計画を明らかにし6月にサービス名称“ADSLプラス”と開始時期について発表したADSL接続サービス。最大12Mbpsの高速通信や最大伝送線路長約7kmなど、現行の“G.dmt”を上回る。

eXtremeDSL技術の概要
eXtremeDSL技術の概要

ADSLプラスの技術的側面を支えているのが、米センティリアムが開発したeXtremeDSL技術。リン氏によると、

  • 現行サービス(ISDN、ADSLなど)への干渉を起こさない
  • 上り速度を犠牲にせずに、伝送距離の長距離化と下り速度を高速化
  • 日本特有のノイズ環境やISDNノイズの影響を受けにくいよう最適化

という特徴を持つ。eXtremeDSLはさらに、通信速度の高速化技術である“eXtremeRate(エクストリームレート)”と伝送距離の長距離化技術である“eXtremeReach(エクストリームリーチ)”からなっている。

eXtreameDSLと現行のAnnex Cとのリンク速度比較
eXtreameDSLと現行のAnnex Cとのリンク速度比較(シミュレーション)

eXtremeRate

eXtremeRateでは、(※1)“S=1/2”技術、新しい誤り訂正符号の追加採用、A/D変換時のbit分解能の向上、機器固有ノイズの低減によるS/N比改善などにより、1つの搬送波(ビン)あたりの伝送bit数を、(規定値である)15bitフルに送ることを可能にした。従来のAnnex Cでは搬送波あたり最大でも11~12bitにとどまっていたという。

※1 S=1/2(エス・イコール・ニブンノイチ)技術は、ADSLが、伝送途中で発生する伝送誤りを自動訂正するための誤り訂正bit列を含んだデータを伝送していることから、伝送誤りが低いと考えられる条件の場合に誤り訂正bit列を減らして実データの伝送に割り当てて、リンク速度を高速化する技術。

eXtremeRateと従来のAnnex Cとの比較
eXtremeRateと従来のAnnex Cとの比較

リン氏によれば、eXtremeRateの今後の方向性としては、搬送波あたりの伝送bit数上限を15から20bitまで引き上げることや、下り方向の周波数帯域(スペクトラム)を従来の1.1MHzよりも高くすることで、16~20Mbpsといったさらなる高速化も見込めるとしている。

周波数帯域を高い方に伸ばすことでより高速化が望めるとしている
周波数帯域を高い方に伸ばすことでより高速化が望めるとしている

eXtremeReach

eXtremeReachでは、ノイズとなるISDN信号に対する制御信号の検出/トラッキング性能向上のため、信号のマルチキャリアー(多重)化による伝送可能距離の長距離化と、“FBMオーバーラップ”(※2)による長距離時の伝送容量を確保したという。

※2 低い周波数の信号は高い周波数の信号よりも減衰しにくいため、伝送距離が伸びるという特性を持つ。ADSLでは低い周波数に上り方向の信号を割り当て、それよりも高い周波数に下り方向の信号を割り当てている。FBMオーバーラップでは、下り方向の信号伝送に使う周波数を、上り方向で使っている低い周波数に重ねる(オーバーラップする)もの。下り方向の伝送速度は改善されるが、上り方向の伝送速度が下がるというデメリットもある。

eXtremeReach技術と従来のAnnex Cとのリンク距離の比較
eXtremeReach技術と従来のAnnex Cとのリンク距離の比較。赤い線がeXtremeDSLのもので、およそ1.5km伝送距離が伸びている

eXtremeRateとeXtremeReachは米センティリアムの新ADSLチップによって実現しているため、ADSLプラスサービスの利用にはADSLモデムを交換する必要がある。なお、eXtremeRateとeXtremeReachは、局側機器(DSLAM)とADSLモデムの接続時に、どちらかのモードに自動的に設定されるという。

リン氏が示した、実際の回線に近いノイズデータを与えた場合のリンク速度のグラフ
リン氏が示した、実際の回線に近いノイズデータを与えた場合のリンク速度のグラフ。速度、距離ともにAnnex Cよりも向上している

リン氏はeXtremeDSLの回線シミュレーターによるリンク速度のグラフを提示し、従来のADSLと比較してすべての距離において100kbps~1Mbps速度が改善するほか、伝送距離が従来の5.5kmから7km超まで伸びると説明した。

イー・アクセス、“Yahoo! BB 12Mbps”に関して苦情申し立て

この技術説明会でイー・アクセス取締役兼最高技術責任者の小畑至弘氏は、ビー・ビー・テクノロジー(株)が“Yahoo! BB 12Mbps”において利用予定の“Annex A.ex”について、ほかのADSL通信に悪影響を与える可能性があると述べた。これはAnnex A.exが上り方向信号の周波数帯に下り方向の信号を重ねて通信するため。

イー・アクセス取締役兼最高技術責任者の小畑至弘氏イー・アクセス取締役兼最高技術責任者の小畑至弘氏

アッカ・ネットワークス(株)が採用する“Annex C.x”も同様に、上り方向信号の周波数帯に下り方向の信号を重ねて通信するが、ISDNに影響ないレベルにまで抑えるように変更したという。こうした技術的調整は小畑氏が委員長を務める国内の標準化団体、情報通信技術委員会(TTC)で検討することで行なっている。

ところが、A.exはTTCへの提案なしに進められたうえに、すでに装置も局に入れているという。小畑氏はこうしたBBテクノロジーの行動を、民間企業同士による自主的な話し合いによる技術の進展を求める総務省の方針に反するものだとして、総務省に対して文書を提出したことを明らかにした。

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