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【PCなんでも改造総研(最終回)】最強のCPUクーラー自作にチャレンジ!!

2002年01月23日 19時03分更新

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 CPUクーラーを単品購入する自作ユーザーに冷却装置の重要性はいまさら解説するまでもないだろう。本研究所も冷却については重要な研究テーマであると認識しており、以前にも究極の冷却性能を求めてガス冷式クーラーを製作した。だが、やはり実用的なところでは今後も空冷式クーラーが主流となるだろう。しかし、空冷CPUクーラーは現在の形が最終進化形なのだろうか? 否、従来の空冷CPUクーラーにもまだ改良の余地はあるに違いない。そこで今回は、従来のクーラーと異なる原理で基本性能の向上を計る新方式のCPUクーラーを製作し性能向上を目指したい。

■高性能なヒートシンクを考える

 高性能な強制空冷式CPUクーラーには、必然的に高性能なヒートシンクが必要になる。ヒートシンクは冷却対象と冷媒となる空気との接触面積を増大して熱交換の効率を高めるためのもので、熱の触媒としての機能を持つ。比熱の小さい気体との熱交換を行うので、ヒートシンクの性能向上のためには、空気との接触面積が限りなく大きいことが望ましい。だがもう一つ、ヒートシンクの性能を決定する重要な要素がある。それは、ヒートシンク自体の熱伝導性だ。熱がヒートシンク内部を移動するためには、熱量と移動距離に応じた温度差が必要になり、これが熱交換の効率を低下させる要素となる。このため、高性能なヒートシンクは、広い放熱面積を確保しながら、熱の移動による熱抵抗が最小となるよう設計されるのが望ましい。

 しかし、発想を転換してヒートシンク内部の熱輸送に関して、熱抵抗を無視できる素材があったならどうだろう。熱抵抗が無視できるならば、極端に放熱面積を大きくしても内部抵抗は問題とならない。だが、全金属中最高の熱伝導率を持つ銀でも、銅に比べて2割ほど熱伝導率が高いだけで、熱抵抗を無視できるレベルには程遠い。単に熱伝導性の良好な素材を使うのでは劇的な性能向上は不可能だ。しかし、特殊な条件でならは、輸送距離に関わらず一定の温度差で大量の熱量を輸送できる手段があるのだ。キーワードはヒートパイプ。この素材を使えば、純銀製のヒートシンクをも上回る性能を持つヒートシンクが製作できる可能性がある。

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