オランダのバーン社の日本法人であるバーン ジャパン(株)は5日、製造業向けERP製品の新バージョン『iBaanERP5.0c 日本語版』と、企業内・企業間の業務システムを統合するEAI製品『iBaan OpenWorld v2.2』を国内で発売すると発表した。『iBaanERP5.0c 日本語版』は2002年3月に販売を、4月に出荷を開始する。また『iBaan OpenWorld v2.2』は、2002年12月に販売と出荷を開始する。両製品とも、価格は未定となっている。
『iBaanERP5.0c 日本語版』
『iBaanERP5.0c 日本語版』は、生産、販売物流、会計といった業務を統合管理するERP(統合業務用パッケージソフト:Enterprise Resouce Plannning)製品。同社が販売している、製造業向けのソフトスイート『iBaan』の中核となる製品で、製造業の基幹業務(計画、調達、製造、販売、物流、会計)を行なうための各アプリケーションから構成されている。
特徴として、操作を行なうためのユーザーインターフェースにウェブブラウザーを利用できるようになったことや、米クリスタルディシジョンズ社の分析/レポーティングアプリケーション『Crystal Enterprise』に対応し、データをリアルタイムに取得してレポーティングが可能になったことなどが挙げられる。また、業務機能や業務フローの設計、変更をモデリングできるアプリケーション『IBaan DEM(Dynamic Enterprise Modeler)』によって、ビジネスプロセスを明確にすることで、パラメーターの自動設定も可能。さらに、『iBaan OpenWorld v2.2』と併用すれば、他社製品と業務システムを統合することが可能となっている。
対応プラットフォームは、HP-UX、Solaris、Windows NT/2000(XP対応予定)、データベースはUDB DB2、Oracle、Informix、SQL Server/2000となっている。
『iBaan OpenWorld v2.2』
『iBaan OpenWorld v2.2』は、企業間の複数の業務システムを統合するためのEAI(Enterprise Application Integration)製品。同社製品以外にも、SCM(Supply Cahin Management)製品、PDM(生産データ管理システム:Product Data Management)製品および、各種のレガシーシステムなどと、短期間で統合することが可能だという。
同製品では、統合のレベルをWorkFlow、Transaction、Massage、Dataの4階層に分けて定義している。上位のWorkFlowとTransactionには、同社の以下の5つの製品によって対応しており、この5本は『iBaan OpenWorld v2.2』に含まれる。
また、下位のDataの接続にはXMLを採用しており、Massageの接続にはメッセージングソフト『Microsoft Message Queues』および『IBM MQ Series』が利用できる。
対応プラットフォームは、Windows NT/2000(XP対応予定)、Java実行環境としてJVMが必要。また開発ツールは『Microsoft Visual Studio』に対応している。
バーン ジャパン経営企画室長の岡田行秀氏 |
バーン ジャパン経営企画室長の岡田行秀氏は「伝統的なサプライチェーンは、サプライヤーの生産能力がボトルネックとなっている。過程の途中で情報の伝達に失敗すると、結果として納期が遅れ、顧客が離れてしまうことも考えられる。これを解消するのが、今回発表した製品によって構築されるビジネスプロセスだ。企業間の各業務システムの統合を可能にし、高度なバリューチェーンを形成できる。今後、このBtoBコラボレーションを実現し、強化するための製品を、順次日本市場に投入していく予定だ」と語った。