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2002年FIFAワールドカップの“ホストシティポスター”発表――制作は日比野克彦氏、牧瀬里穂が応援に!!

2001年11月09日 23時22分更新

文● 編集部 中西祥智

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2002年FIFAワールドカップ日本組織委員会(JAWOC)は9日、日本国内開催地10ヵ所ごとの“ホストシティポスター”を発表した。

“ホストシティポスター”発表
“ホストシティポスター”発表。中央が日比野克彦氏、左はJAWOC遠藤安彦事務総長、右は牧瀬理穂さん

ホストシティポスターは、札幌から大分までの国内開催地10ヵ所それぞれの、地域の特色をイメージしたポスター。制作はアーティストの日比野克彦氏。

JAWOCの遠藤安彦事務総長
JAWOCの遠藤安彦事務総長

同日の記者発表会でJAWOCの遠藤安彦事務総長は、「今回のポスターは各地域を盛り上げ、訪れる選手や観客を歓迎するツールとして使ってほしい」と語った。また、ワールドカップのハード面での準備は、5日の『神戸ウイングスタジアム』の完成で区切りがついた。しかし、ソフト面では、米国の同時多発テロを契機として、テロも想定した警備計画の練り直しを政府の関係機関と連携して行なっているという。

日比野氏が今回のポスターのデザインを引き受けたのは、日比野氏自身が熱狂的なサッカーファンで、ワールドカップに何らかの形で関わりたいと、以前から遠藤事務総長に話していたからだという。日比野氏はポスターについて、「ワールドカップは90分間で終わりではない。サッカーを通じた人と人とのふれあい、地域との交流を含めたすべてがワールドカップであり、それぞれの地域の気候風土をイメージしたデザインにした」と述べた。

日比野克彦氏
日比野克彦氏。「ギャラはもらっていません!!」

ポスターは、札幌は白、神戸は青など、それぞれの地域の特色を色で表現している。日比野氏によると、構想に3ヵ月、制作に1ヵ月程度かかったという。原画は和紙に色を塗ったが、「印刷したときの色表現が命」であり、印刷段階では4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)以外の“特色”も使用して、絵肌のかすれや深みを表現するのに苦労したという。

発表した10枚のポスターは、それぞれの地域のPRレディが手に持って披露した。

札幌札幌は“明白”

札幌のカラーは白。タイトルは“明白”。日比野氏によると、雪の降り積もった時の不思議な静けさを表現したという。

宮城宮城は“生生”

宮城のカラーは緑。タイトルは“生生”。多くの木々が森となり、連なった山々を表現した。

茨城茨城の“豊沃”

茨城のカラーは茶色。タイトルは“豊沃”。すべての生き物に安らぎを与える豊かな土地をイメージした。また、白とピンクの花は、偕楽園の白梅と紅梅を表現したという。

埼玉埼玉の“光”

埼玉のカラーは黄色。タイトルは“光”。走り続ける光をイメージしたという。

横浜横浜の“探求”

横浜のカラーは水色。タイトルは“探求”。古くからの貿易港である横浜に海外から伝わってくる文化を表現したという。

静岡静岡の“息吹の香り”

静岡のカラーは黄緑。タイトルは“息吹の香り”。サッカー王国静岡は、お茶の産地でもあり、お茶の葉をイメージしたという。

新潟新潟の“命”

新潟のカラーは乳白色。タイトルは“命”。お米をイメージしたが、米という“種”を体内に取り込むことで、エネルギーを得ることを表現したという。

神戸神戸の“希望”

神戸のカラーは青。タイトルは“希望”。港町神戸の海と空の色であり、震災から立ち直る希望の色だという。

大阪大阪の“熱き叫び”

大阪のカラーは赤。タイトルは“熱き叫び”。大阪の人の「最後まで……」という気持ちを表現したという。

大分大分の“幸福”

大分のカラーはオレンジ。タイトルは“幸福”。温泉の湯けむりと、太陽の恵みをイメージしたという。

ポスターの発表後、会場では女優の牧瀬里穂さんも交えてのトークセッションが行なわれた。司会はアナウンサーの宇田麻衣子さん。

トークセッション
トークセッション。左から、宇田麻衣子さん、日比野克彦氏、牧瀬里穂さん

牧瀬さんは、「サッカーは、ルールはよくわからない」が、見るのは好きだという。日比野氏と牧瀬さんは、サッカー選手も、アーティストや女優も、体を使って何かを表現するという点では、同じだと語った。

牧瀬里穂さん牧瀬里穂さん。「日比野さん、チケット入手できないんですか?」

また、牧瀬さんは、故郷の博多で舞台に立った時は落ち着いた、かつ暖かい雰囲気の中で演技ができて、非常にやりやすかったことを語った。それに対して、日比野氏はサッカー選手にとってのホームグラウンドも同じであり、あらゆる点で「完全にホームが有利」だと述べた。

牧瀬さんが、2002年ワールドカップのチケットを持っていないのかと尋ねたのに対し、日比野氏はまだ自分も入手しておらず、「テレビCMで10枚募集していれば、あわてて応募する。友人たちと、チケットをどうやって手に入れるかを話すのが、楽しみになっている。ワールドカップはそこから始まっている」と答えた。

JAWOCでは、このホストシティポスターを一般に販売する方向でFIFA(国際サッカー連盟)と協議しているが、具体的にどういった販売方法を採るかは未定。また、“大会公式ポスター”はJAWOCおよびFIFAのウェブサイト上に画像を掲載しているが、今回のホストシティポスターをウェブサイトに掲載するか、また画像データのダウンロード販売などを行なうかについては、一切未定だという。

11月19日には、電話による日本国内第2次チケット販売の事前登録の受け付けも始まる。なお、第1次チケット販売のインターネット申し込みは、2月15日の申し込み直前に中止され、大きな混乱を招いた。今回は、そのような混乱がないことを願いたいものだ。

2002FIFAワールドカップ開催まで、11月9日現在であと203日。JAWOCのウェブサイト上では、カウントダウンを行なっている。韓国と日本、史上初めての2国共催のワールドカップは、2002年5月31日に開幕する。

ちなみに、今回のポスター制作について、日比野氏は「ギャラはもらっていません!!」と強調している。

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