MSI製のnForce搭載マザーボード「K7N420 Pro」のサンプル展示が高速電脳で始まった。リビジョンは“0B”だが「製品版にかなり近い」(高速電脳)とのこと。発売時期はAMDおよびNvidiaが6月に発表していた「秋頃」からは若干遅れたものの、11月中には発売されるようだ。価格は「2万円台」(同店)となっている。
nForceはビデオチップベンダとして知られるNvidia初のマザーボード用チップセットで、AMDのAthlonファミリ向けだ。従来のNorth Bridgeに相当する“IGP”(Integrated Graphics Processor)と、South Bridgeに相当する“MCP”(Media and Communications Processor)で構成され、IGPとMCP間はAMDの提唱する“HyperTransport”と呼ばれるバスで接続されている。なお、HyperTransportによる内部転送速度に関しては、現段階では不明。
IGPに内蔵されるグラフィックスコアはGeForce2 MX相当と言われているが、AGP 6x相当で内部接続されるため、通常のGeForce2 MXより高性能になると言われている。VGAを内蔵する統合チップセットとしては、過去最高のスペックとなるのは間違いないだろう。なお外部AGPは4xモードまでの対応となる。ビデオメモリはメインメモリとシェアで、最大で32MBまで確保されるようだ。
なお、nForceにはメモリインターフェイスが128bitの「nForce420」と64bitの「nForce220」があるが、製品名やチップに刻まれた「IGP 128」の文字から判断するに、K7N420 ProがnForce420を採用しているだろうことは疑いようがない。nForce420は128bitメモリインターフェイス(TwinBankアーキテクチャ)が採用されており、PC2100 DDR使用時に4.2GB/secのスループットを発揮する。
MCPの詳細に関しては現在まだ公開されていない |
一方MCPはドルビーデジタル5.1chリアルタイムエンコードのサポート、Ultra ATA/100 IDEインターフェイス、10/100BASE-TXのネットワークコントローラ機能も含んだチップだ。なおUSBコントローラ機能はUSB1.1のサポートであり、USB2.0には現時点では対応していない(USB2.0をインプリメントしたMCPも用意されるとの噂もあるが)。
このほか仕様面を見てみると、AGP×1、PCI×5、AMR×1のオーソドックスなATXレイアウトとなっており、MCPによりネットワーク機能、サウンド機能を備えている。これに内蔵VGAが加わりオールインマザーボードとしての機能はひととおり搭載していると言えるだろう。メモリスロットは多くのニュースサイトなどに掲載されている試作品と同じくDDR SDRAM用のDIMMスロット×3となっている。
統合チップセットながら、チップセットそのもののパフォーマンスが期待されるだけに、まさしく“待望”のマザーボードといえよう。また、久しくなかった、まったく新しいチップセットだけに、その性能や安定性に注目したいところだ。
【取材協力】