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LinuxWorld Conference & Demo /Tokyo2001(その2)

e-Japanは中堅、零細企業にとって福音となるか!? ――日本オラクル代表取締役社長 新宅正明氏基調講演“「e-Japan戦略」を実現するオラクルの役割 ~Linuxの現状と今後の展開~”

2001年10月25日 05時22分更新

文● 吉川大郎

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次に、他国から見て日本はどのように見えているのか? といった点に話題が移った。

新宅氏は、ハードウェアや半導体分野の優位性に触れたあとで、「非常に外向きに出たメッセージは、携帯電話の普及とその利用の高度化である」とした。この動きが日本に留まるか、米国にまでは行かずともアジアに広がるのか? 北米企業もこの分野では日本を頼りにしているという。こうした実情を踏まえ、「誰がネットワークやデバイスをつくるか? というのが日本企業のチャレンジだと思う」とした。

2つ目は“いわゆるブロードバンド”である。帯域が広がったら何が起こるのか? e-Japanは着々と進むだろうが、それでなにが変わるのか? 1995年に起こったインターネットの時代は、幸い先達者がいた。先達者を見ていれば、日本ではどのようにインターネットをアダプトすればいいか? といった工夫ができた。しかし残念ながらブロードバンドは先達者がいない。

先達者がいないという状況から、新宅氏は「この3年間は世界に日本の技術が羽ばたくチャンスだと本当に思っている」という。ブロードバンドの配信という面では、日本オラクルがシスコシステムズ(株)や(株)インターネットイニシアティブとともに設立したブロードバンド・コンテンツ配信のための共同推進組織「CDN JAPAN」によって運用・課金やデータ管理の仕組みを用意し支援を行なっていることを述べ、デジタルコンテンツIDフォーラムにより、電子透かしやネットワークのパトロール技術の標準化推進も行なっているとした。

こうして環境が変わってきたときに、どのようなモデルが出てくるのか? こうした考え方から、現在の状況をビジネスチャンスにしていただきたい、と新宅氏は述べた。

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