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CAMEDIA E-20

CAMEDIA E-20

2001年10月19日 04時03分更新

文● 周防克弥

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クイック感に欠ける操作性にはやや不満

作例1
撮影サンプル1。元画像は2560×1920ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。F4.5、1/640秒。シャッター速度優先AE。

 E-20はE-10の強力な機能を継承しているが、残念なことにE-10にあったいくつかの欠点もそのまま受け継がれてしまっている。E-10では内蔵バッファが約16MB(連写制限による推測値)で、約4枚までは次々と速写できる。ただし、記録媒体(CFまたはスマートメディア)への記録速度が1枚あたり約15秒(2560×1920ドット/高画質)と少々遅い。メディアへの書き込み中でもバッファが一杯にならないかぎりは撮影できるものの、何枚も撮り続けるときは4枚/分のペース以上には上がらないため、ポートレートなどリズム良く撮影したい場合などに記録待ちでタイミングを逃してしまうことが多々ある。このあたりの作り込みにはまだ甘さが残っているので、改善を望みたい。



作例1アップ
撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。遠景になればなるほど細部の描写力の違いが出てくる。木の葉やビルの窓といった細かい部分の再現力は高い。シャドー部でもほとんどノイズの発生は見られず、確実に400万画素モデルよりも画質は高い。
作例2
撮影サンプル2。元画像は1920×2560ドットだが、掲載用に480×640ドットにリサイズしている。F2.4、1/30秒。絞り優先AE。

 同様に、起動時間も改善されてなく、ややもたつく感がある。モード切り替えレバーの基部に位置するレバーで電源のON/OFF操作を行うが、ONにレバーを回してからワンテンポ遅れて電源が投入される。すわ、電池切れ? と思うようなことが何回かあった。

 操作系は従来から変更はない。背面のメニューボタンを押して設定画面を呼び出し、十字カーソルキーとONボタンで選択や設定を行う。解像度の変更や、フラッシュ、ホワイトバランスの設定といった頻繁に変更する項目は本体上部と左側側面に独立して設置され、すばやくアクセスすることができる。



作例2
撮影サンプル2の中央右を640×480ドットにトリミングしたもの。階調表現力は高く、ハイライトからダークまできれいに描写できる。
作例3
撮影サンプル3。元画像は2560×1920ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。F2.4、1/640秒。絞り優先AE。

 背面側には右手親指で操作しやすい位置にコマンドダイアルがあり、シャッターボタンの手前側、モード切り替えダイヤルとの中間に右手人差し指で操作するサブコマンドダイアルが配置されている。マニュアル時の絞りやシャッター速度はここで設定する。また、設定の変更時にも独立した設定ボタンを左手で押しながらサブダイアルを回して設定を行うことになる。撮影中に絞りやシャッターを変えたいときにカメラをホールディングしたまま指の動作だけで操作が行えるのは便利な仕様だ。



作例3アップ
撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。近接時でも解像感の低下は見られない。大口径レンズ(アダプタリング径φ62mm)ならでは背景のボケ方も綺麗だ。マクロ撮影なら光学ファインダでも十分にピント合わせが行える。
作例3
撮影サンプル4。元画像は2560×1920ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。F4.0、1/500秒。シャッター速度優先AE。

 これらの基本操作に関してもE-10と変わらっておらず、35mmAF一眼レフカメラを利用しているユーザーであれば違和感なく利用できるはずだ。基本機能や操作スタイルを見る限り、E-20はE-10の本体にはあまり手を加えず、単純にCCDだけを換装した感じがする。しかし元々の基本性能が高いため、動作の遅い点を除けば満足のいく性能を持っており、500万画素化による画質の低下も見られない。



作例3
撮影サンプル4の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。質感の描写力は高く、細部まで細かく描写できるのは500万画素ならではだ。逆光状態でも暗部は潰れにくく、広い階調表現幅を持っている。

 一眼レフスタイルのデジタルカメラは最近多くなってきたものの、レンズ交換可能なハイエンド機(ニコンD1やキヤノン「EOS D30」など)を除くと、ピント合わせのできる光学ファインダを持つ機種はこのE-20くらいしかない。従来機のE-10も併売されるため、兄弟機が一番のライバル機種になる可能性もあるが、より高性能なデジタルカメラを望むならやはりE-20になるだろう。


CAMEDIA E-20の主な仕様
撮像素子 2/3インチ有効495万(総524万)画素CCD
レンズ 光学4倍ズーム、9~36mm(35mmフィルムカメラ換算35~140mm相当)、F2.0~2.4
記録画素数 2560×1920/1792×1344/1280×960/1024×768/640×480ドット
記録媒体 スマートメディア(16MB付属)、コンパクトフラッシュ(TypeII、マイクロドライブ対応)
液晶モニタ 1.8インチTFT、約11万画素
インターフェイス DC入力、USB、ビデオ出力、外部フラッシュ接続端子(PC接続)、アクセサリシュー、リモートケーブル接続端子
電源 単3×4本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池、ニッカド充電池)、CR-V3×2、専用バッテリパック(オプション)
本体サイズ 128.5(W)×161(D)×103.5(H)mm
重量 1050g(本体のみ)

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