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デジカメ自由自在

デジカメ自由自在

2001年10月18日 00時00分更新

文● 伊藤

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デジカメ自由自在

ソースネクスト

6800円

ソースネクストの「デジカメ自由自在」は、フォトレタッチ、アルバム作成、画質補正などの画像管理ソフトの標準的な機能に加え、特定の色域を強調して色を鮮やかにするユニークな自動補正機能を搭載した“エクスプローラ型”の画像管理ソフトだ。

画像補正機能が強力な「デジカメ自由自在」

一覧画面
エクスプローラ風の左右2分割レイアウトを採用する一覧画面。上部のアイコン群では「取り込み」「検索」のほか、画像の回転などが可能。表示レイアウトは右上のアイコンを選択することで、3パターンに変更できる。

 ファイル管理画面は左右2分割した左側にフォルダツリー、右側にフォルダの内容を表示するエクスプローラ風のインターフェイスとなっている。画像の一覧表示レイアウトは

  • サムネイル一覧
  • ファイル名一覧
  • ファイル名とサイズ、保存形式などの詳細表示

――の3種類から選択できる。サムネイルの大きさは32×32、64×64、96×96ドットの3パターンに変更でき、サムネイル一覧モードをXGA(1024×768ドット)フル画面、サムネイル32×32ドットサイズに設定した場合、最大80個程度が表示可能だ。
 一覧画面からは画像の取り込み、検索、画像の回転、インデックス印刷(後述)などがアイコン操作で行え、このほか簡易編集(拡大/縮小、回転/反転、指定部分の切り出し、変形)、自動補正、レタッチ、アルバムといった各種機能もアイコンで呼び出し可能となっている。
 操作方法は基本的にWindowsの標準ファイラ「エクスプローラ」を踏襲したもので、画像ファイルのコピー&ペーストやファイル名の変更はマウス操作で行える。ただし、新規フォルダの作成は、画面左のフォルダツリー上でしか実行できない。
 使っていて気になったのは、画面右上に配置された「画像回転アイコン」が「右回転」「左回転」ともにデザインが同一(色は異なる)で、カーソルをアイコンに合わせてもツールチップが表示されないこと(画面下部に機能説明は出るがあまり目立たない)。その点を除けば操作性は良好だ。なお、左側のアイコンが「左90度回転」、右側が「右90度回転」で、1度単位で角度を指定しての回転は簡易編集機能でのみ行える。
 一括修正機能はファイル名の変更のみ可能で、画像一括補正や形式の一括変換機能はない。ファイル名変更の内容はほかの画像管理ソフトとは異なり、ファイル名の一部を指定した文字列に置き換えるというもので、連番を付ける機能はない。つまり、「DCP00101.jpg」「DCP00102.jpg」という画像があった場合、DCPの部分を初台に置き換えて「初台00101.jpg」「初台00102.jpg」に変換はできるが、まったくファイル名の異なるファイルを同一フォルダにまとめた際に、連番付きのファイル名を付けることはできない。

インデックス印刷
画面は、インデックス印刷機能をプレビュー表示したもの。Exifに記録された全データを活用できるのは大きな特徴だ。

 サムネイル画像をまとめて印刷する「インデックス印刷」機能は、画像以外にファイル名、タイトル、コメントのほか、Exifに記録された全データを一緒に印刷可能(設定により出力項目は選択可能)となっており、Exifデータを見ながら画像を選ぶ際に便利だ。
 検索機能はファイル名/画像タイトル/コメントのいずれかを選択して、該当項目に含まれる文字列を入力する方式で、保存形式や収録フォルダによる絞り込みにも対応している。ただ、せっかくインデックス印刷でExifデータを活用できるのに、これを検索キーとしても利用できないのは残念なところだ。撮影したデジタルカメラの機種名で選んだり、露出やシャッター速度別にまとめて見比べたりといったことにExifデータを活用できれば、画像管理のみならず、デジタルカメラへの興味も深まるというものだ。ぜひメーカーには検討してもらいたい。



補正結果の比較
右側が撮ったままの画像、中央が自動補正を実行したもの、左側が看板の「パン」の部分を指定して「肌色」強調補正をかけてみたところ。強調補正を使うと、発色が鮮やかになっていることがわかる。

 自動補正機能は、1クリックで済む「完全自動補正」のほか、「黒色」「空色」「肌色」「白色」「緑色」の5種類のアイコンから、強調したい色もしくはその近似色を選択して(複数選択可)、画像内の強調したいポイントをカーソルで指定することで、特定の色域を際立たせられる。一例として補正前/補正後の画面ショットを掲載したので、参考にしていただきたい。
 なお本製品は、各社のインクジェットプリンタに対応した「自動色調整機能」という印刷補助機能も搭載している。具体的には、プリンタの機種、あるいはメーカーに応じてカラープロファイルを選択することで、“プリンタの発色傾向を考慮して補正する”というものだ。用意されているプロファイルは「エプソン」「キヤノン」など、プリンタメーカー単位のものを中心とする全9種類(表参照)。プリンタの機種ごとにマッチングされているわけではないものの、メーカー各社の傾向にあわせてセッティングされており、異なるメーカーのプリンタで印刷したときに大幅に色味が違って見えるということを防ぐことができる。



レタッチツール
レタッチツールの基本画面、およびフィルター編集、マスクリストを表示したところ。機能選択は「機能詳細ウインドウ」の切り替えボタンで行う

 レタッチ機能は「ブラシ編集」「フィルター編集」「マスク作成」の3つのカテゴリに大別されている。
 「ブラシ編集」は、画像に文字や絵を描ける“ペイントブラシ”のほか、カーソルでなぞった部分の明暗レベルを変更する“明度ブラシ”、同様に彩度を調節する“彩度ブラシ”など10種類のブラシパターンが用意されている。ブラシ形状は四角形/円/エアブラシの3種類で、ブラシサイズは1~128ドットの範囲で自由に変更できる。
 「フィルター編集」は輝度やコントラスト、ガンマ、フォーカスを調整する基本的な補正機能のほかに、

  • 波打つような画面に変形する「波形マップ」を含め、モザイク、球面変形など画像を変形させる8種類の「フィルター」
  • モノクロ、セピア、ポスタリゼーション(階調化)など、色調を変化させる16種類の「特殊フィルター」

が用意されている。各機能は補正の強弱をパラメータによって変更でき、「輝度」「ガンマ」「コントラスト」「フォーカス」「ディザ」「エンボス」は縮小画面によるプレビュー表示で効果を事前に確認できる。調整範囲は機能によって異なるが、おおむね50~100段階。なお、特殊フィルターにはパラメータはない。
 あらかじめ指定した領域の画像だけを切り抜いたり、特定の部分のみにフィルタを適用する際に便利な「マスク作成」機能は、標準で四角形/円/だ円/ひし形/ハート/星(6角形)/星(5角形)の6つの図形マスクのほか、直線、自由曲線を使ったマスクの生成が可能となっている。また、境界部分のグラデーション処理機能(20段階に調節可能)も備えており、境目のジャギー(ドットのギザギザ)を目立たないよう処理できる。
 一方、レタッチ機能の操作性は、基本画面を上部に4つのアイコンのみというシンプルな構成とすることで、編集・閲覧画面を広くとるなど工夫が見られるものの、使い勝手の点ではやや改善の余地がありそうだ。たとえば、異なるウインドウに表示される「詳細機能切り替えボタン」がすべて同じデザインなので、間違って別のボタンを押してしまうケースが少なからずあった。機能によってボタンの色を変えるなど、一目で区別できるような工夫がほしい。

ポストカード用テンプレート
ポストカード用のテンプレートの一部。全68種類が収録されており、手軽にオリジナルのカードが作成できる。

 アルバム機能では、ページをめくっていくタイプのアルバムや、画像を添付した名刺作成のほか、標準で68種類付属する「楽らくテンプレート」で手軽にオリジナルのポストカード作成が楽しめる(ただし、テンプレートの追加・拡張はできない)。テンプレートが用意されているのはポストカードのみだが、アルバムや名刺の作成には、標準添付の背景素材40点、クリップアート37点、フレーム(額縁)15点を組み合わせられるので、作成バリエーションは豊富だ。
 なお、アルバム機能で作成したデータは、印刷、html形式での出力、アルバム1ページごとの画像出力に対応している。画像出力は、複数のアルバムページを1枚の紙に出力する際に役立てよう。



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