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【東京ゲームショウ2001秋 Vol.3】セガ、コンシューマー事業戦略を発表――新作タイトルを紹介

2001年10月12日 22時50分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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セガ香山氏
セガの香山氏。なお、今回のカンファレンス開演前には、セガの秘蔵映像『仁義ある戦い』('98年10月6日製作)が公開された。企画/脚本は秋元康氏で、組長に扮した入交元社長をはじめ、当時のセガ役員が熱演した約20分ほどのお宝映像。「映像の中で“セガはネットワークとコミュニケーションで世界を相手に勝負する”と語られている。当時ネットワークやコミュニケーション機能は早すぎたかもしれないが、現在はそうなってきている。セガの考えは間違っていなかった」(香山氏)

セガの香山氏は、同社のコンシューマービジネス戦略について説明した。セガはコンシューマーソフトおよびネットワークゲーム分野で世界一となることを目標としており(アーケード分野ではすでに世界一であると説明)、2003年度にワールドワイドで3500万本以上(日本1000万本/北米1500万本/欧州1000万本)のソフト販売を目指すという。

しかし、それぞれの地域によって好まれるソフトが異なるため、各地域に合致したラインナップ戦略を行なうべく、現在地域ごとの体制を整えているという。これに伴い、セガは米THQ社とセガタイトルの販売委託で合意、THQ社は北米でセガブランドのGBA向け16タイトルを委託販売するという。

同社の基本方針として、地域のマーケット特性に沿ったカテゴリー/ジャンル別展開を行なう。そのため、特に北米で人気のあるスポーツゲームのジャンルを拡大し、種目数を増やすとともにマルチプラットフォーム展開を進めるという。また、セガのさまざまなコンテンツシリーズを強化するべく、各シリーズに最適なプラットフォームで製品を提供するとしている。

さらに、過去に発売された名作タイトルに新たな付加価値を追加し、“Vintageブランド”として再度立ち上げる計画もあるという。同時に、新規タイトルの創造も続けることで、コンテンツ資産の底上げを図るとしている。新規タイトルは、2002年度で10タイトル以上、2003年度で15タイトル以上をリリースする予定という。

ネットワークゲームについては、オープンデバイス構想の推進、積極的なアライアンスの実現、ジャンル/カテゴリーごとのトップタイトルの創出、といった3戦略を掲げ、ドリームキャスト(DC)のネットワーク対応タイトルをベースに、他プラットフォームへの移殖を進めるとともに、新規タイトルの開発も行なうとしている。

パソコン向けタイトルについては、国内海外とも大幅なシェア獲得には至っていない状況のため、ネットワークゲームの強化や、家庭用ゲーム/アーケードからの移殖などラインナップの強化を行ない、トップメーカーの仲間入りを目指すという。

携帯電話向けのモバイルコンテンツについては、登録者不振のコンテンツを廃止/統合化するなど既存コンテンツの再編成を行なうとともに、家庭用ゲーム/アーケードゲームとの連動を進めるという。また、Palm OSやBrew、モトローラ、Pocket PCといったPDA分野にも展開するとしている。

DCタイトルは、現在ラインナップされているコンテンツの“最善策”を検討した結果、『プロペラ・アリーナ』と『MSR-Metropolis Street Racer』の開発が完了している2タイトルについては発売を中止するという。また、『NFL2K2』『NBA2K2』『スペースチャンネル5』の3タイトルは販売チャネルを限定する。『ダービーオーナーズクラブオンライン』と『THE HOUSE OF THE DEAD 3』は開発ターゲットマシンを変更するとしている。

プレイステーション/プレイステーション2については、「現在ワールドワイドで最も大きなシェアを持っており、われわれにとってメインプラットフォーム。PS2上で“Internet Interactive TV”を実現させたい」(香山氏)という。

また、Xboxについては、ソフトの供給を進めるとともに、Xboxアーキテクチャーのアーケードゲームマザーボードをセガが開発するという。同社のNAOMI2ではできなかったことを、Xboxアーキテクチャーのアーケードゲームマザーボードで実現したいとしている。さらに同社は、マイクロソフトと北米でのパソコンソフトに関する業務提携、およびマイクロソフトの運営するゲームサイト“GameZone.com”とセガのネットワークゲームにおける提携を行なったことも明らかにした。

GCやGBAについては、「セガのゲームを健全に進化させるには最適のマシン」(香山氏)とし、任天堂のソフトと遜色のないクオリティのソフトを供給するという。香山氏は「セガは、それぞれのハードを独立したものと考え、戦略に沿ったソフト開発を続ける」としている。

セガブース1
ゲームショウ会場に帰ってきたセガブース
セガブース2
PS2やGC、DC、Xboxなどさまざまなタイトルを試遊できる

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