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デジタルスケープ、CGクリエーターコンテスト“電脳登竜門”の受賞者を発表

2001年10月06日 09時33分更新

文● 編集部

(株)デジタルスケープとアビッドジャパン(株)は5日、東京・渋谷QFRONTの5階“e-style”においてCGクリエーターコンテスト“電脳登竜門”の授賞式を行なった。これは、デジタルスケープとアビットジャパン、(株)ボーンデジタルが開催した3DCGのクリエーターのためのイベント“X-LIVE”と連携して行なわれたもの。

“X-LIVE”
“X-LIVE”

“X-LIVE”は、3DCGのCGクリエイターによるテクニカルレクチャーや、最新のCGの動向などを紹介するイベント。第1部では、デジタルスケープが企画・運営するデジタルクリエーター支援サイト“C-en”(しーえん)にて公募した、3DCGについてのテクニカルな疑問・質問に、(有)ドリームパブリッシングの日下部実氏、杉山明氏、(有)D3D代表取締役渡辺伸次氏といった、プロのクリエーターらが答えるという座談会“達人に聞け!”や、8月に発表されたアビッドジャパンの新製品『SOFTIMAGE|XSI v2.0』のデモンストレーションが行なわれた。第2部では、ILM(Industrial Light & Magic)の“クリーチャー・スーパーバイザー”であるティム・マクラーリン(Tim McLaughlin)氏を招き、『ジュラシック・パークIII』などの映像のCGメイキングをレクチャーする“ILMスペシャルレクチャー”、そして“電脳登竜門”の表彰式と、審査員たちによるトークショーが行なわれた。

“電脳登竜門”は、CGクリエーターの支援・育成を目的として、デジタルスケープ、アビッドジャパンが開催した、フルCGによるアニメーション作品のコンテスト。協賛はコンパックコンピュータ(株)と(株)キューフロントで、特別協賛として日本ヒューレット・パッカード(株)とインテル(株)が参加している。

“電脳登竜門”のロゴマーク
“電脳登竜門”のロゴマーク

応募資格は、プロ/アマチュア、個人/グループで、国籍、性別、年齢を問わない。応募期間は5月18日から6月30日まで。期間中に120余りの作品の応募があったという。作品は、まず“C-en”による1次審査を行なって、30作品まで絞り込まれた。その作品の中から、審査員が“企画/アイデア大賞”(賞品:ヒューレット・パッカード製『hp workstation x2000』)と“テクニカル大賞”(賞品:コンパック製『Deskpro WS P1000/256/20/NW/2+』)という2つの大賞作品を選出する。また“特別賞”が、1次審査を通過し、“C-en”のサイト上での公開されていた作品の中から、読者からの投票によって選ばれた。さらに“優秀作品”とされた15作品は、8月18日から10月5日までの間、渋谷駅前のスクランブル交差点に面したQFRONTの大画面モニター“Q's EYE”で上映された。

審査員は、(株)徳間書店スタジオジブリ事業本部の片塰光則(かたあまみつのり)氏、(株)グリオ/Studio IBUKIの河野哲恵(かわのてつえ)氏、(株)カプコン第二開発部の竹内潤(たけうちじゅん)氏の3名(50音順)。会場には、片塰氏と竹内氏が登場した。

大賞は、“企画/アイデア大賞”が、作品名“Animal 5”の酒井祐介(さかいゆうすけ)氏に、“テクニカル大賞”が作品名“きん の ちくび ぎん の ちくび”の黒田基介(くろだもとすけ)氏に、それぞれ贈られた。

酒井氏の作品“animal 5”。イラストのような色彩が特徴的
酒井氏の作品“animal 5”。イラストのような色彩が特徴的
頭の四角い奇妙な動物たちが次々に現われ、“Who am I?”と問うていく。そして最後には人間が現われるが……
頭の四角い奇妙な動物たちが次々に現われ、“Who am I?”と問うていく。そして最後には人間が現われるが……

酒井氏は、“企画/アイデア大賞”を受賞したことについて「(人によって)好き嫌いが激しい作品だと思っていたので、評価されたことは大変うれしい。企画アイデア大賞ということで、企画段階から色々考えてきたことが認められたのかなと思った」と述べた。

“企画/アイデア大賞”を受賞した酒井祐介氏
“企画/アイデア大賞”を受賞した酒井祐介氏

“Animal 5”について、片塰氏は「作品の完成度が高い。また独自性がある。特徴的だと思ったのは、CGらしくないノンフォト系の、一見イラストのような手書きのスタイルで表現をしていること。そして、背景が白いのが大変面白いと思った。CG(を制作するソフトの背景)は通常デフォルトが黒いために、作品にも背景が黒いものが非常に多い。黒い画面を元につくると、作品全体が暗くなりがちだ。この作品は白い背景で、しかもそれに合った手書き風のCGによって表現していることが、非常に新鮮だった。今回は、その独自の視点を評価して、大賞に推薦させてもらった」と総評を述べた。

この作品を大賞に強く推したという、スタジオジブリの片塰氏。背景が白いことを特徴としてとらえたこの作品を大賞に強く推したという片塰氏。背景が白いことを特徴としてとらえた
“テクニカル賞”を受賞した、黒田基介氏の“きん の ちくび ぎん の ちくび”
“テクニカル賞”を受賞した、黒田基介氏の“きん の ちくび ぎん の ちくび”
大きなおっぱいが、乳首が取れてしまった小さなおっぱいをからかう。しかしからかううちに、大きなおっぱいの乳首も、小さなおっぱいの乳首と一緒に池に落ちてしまう
大きなおっぱいが、乳首が取れてしまった小さなおっぱいをからかう。しかしからかううちに、大きなおっぱいの乳首も、小さなおっぱいの乳首と一緒に池に落ちてしまう
そこで現われたおっぱいの神様が、“おまえが落としたのはこの金の乳首か? 銀の乳首か?”と聞くが……という、分かりやすい話。“おっぱい”の質感が独特の雰囲気を醸し出している
そこで現われたおっぱいの神様が、“おまえが落としたのはこの金の乳首か? 銀の乳首か?”と聞くが……という、分かりやすい話。“おっぱい”の質感が独特の雰囲気を醸し出している

“テクニカル賞”を受賞した黒田氏は、都合により欠席したため、代理でデジタルハリウッド(株)のスタッフの堀内氏が、黒田氏の言葉を伝えた。それによると「この作品は、アナログで根気のいる作業をこつこつと積み上げて出来上がったもの。受賞は、そのがんばったことへの評価だと思う。風船に水を入れて、箱の中に入れて叩いて、動きのモデルにしたりもした。3分間見る人を飽きさせないためにはどうすれば良いかを一生懸命考えた。しかし、キャラクターが“おっぱい”なのが残念という意見が50%あって、実際の評価は半々に分かれてしまった」ということだった。

欠席した黒田氏に代わって、氏の手紙を読み上げるデジタルハリウッドの堀内氏「作品名からして言いたくないが、かわいい生徒のためなら仕方ない」という
欠席した黒田氏に代わって、氏の手紙を読み上げるデジタルハリウッドの堀内氏「作品名からして言いたくないが、かわいい生徒のためなら仕方ない」という

竹内氏は黒田氏の作品の総評として、「ネタ自体が非常にテクニカルだった。見た目が乳首とおっぱいを使った作品ということで、引いてしまうところはあるだろうが、人を笑わせるネタをやるということ自体、CGコンテストの中では評価すべきだと思う。笑わせるネタで勝負するのは勇気がいることだし、何より人に作品を見せる、ということを意識して作っている。また、単なるネタ以上に、制作上の労力がかかったであろうことを感じた」と述べた。

「“笑い”を取るということは、人に見せようと努力しているということ」と、作品を高く評価したカプコンの竹内氏「“笑い”を取るということは、人に見せようと努力しているということ」と、作品を高く評価したカプコンの竹内氏

コンテストの総評として片塰氏は、「作品にオチを付けるところまでたどりついてない作品が多い。これは作り方の問題で、頭から順番に作っていくと、最後のほうでスケジュールが合わなくなる。これは我々のようなプロの現場でもたびたびあることだ。大事なのは、全体から作っていくこと。全体をまず作って、少しずつ完成度をあげていけばいい」と、会場に集まった学生たちにアドバイスを施すとともに、「独自性は忘れてはならない。先にも述べたが、デフォルトで背景が黒い。そのデフォルトを疑ってみるところから始めてみるといい。CG制作ソフトは山のようにあるが、その機能の一つ一つが、何故こんな設定になっているのかを、検証したうえで使ってみると、独自性に近付いていくのではないだろうか」と述べた。

また竹内氏は総評として、「一本の作品として、完成していないものが少なからずあった。技術は、僕が学生だったころからは、比べものにならないほど、皆高いものを持っている。あとは、それをどのように生かすか。片塰氏の言ったように、全体を見ながら作品づくりをしていけば、もっと評価の高いものが作れるだろう」と述べた。

授賞式後に行なわれたトークショー
授賞式後に行なわれたトークショー

大賞を受賞した2作品および、当日のイベントの模様については、“C-en”のウェブサイトで見ることができる。

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