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【インタビュー】雑談が作るネットコミュニケーションの形――“オルトアール総合雑談中心”船田 巧氏

2001年08月28日 14時54分更新

文● 編集部 田口敏之

“オルトアール総合雑談中心”というウェブマガジンがある。

“オルトアール総合雑談中心トップページ
“オルトアール総合雑談中心”(http://www.alt-r.com)

メインテーマは、名前にもある通り“雑談”だ。それを象徴するのが“メーリングリスト5人組(ML5)”というコンテンツである。これは、メーリングリストでやりとりされる会話が、随時ウェブ上にアップされてゆくというシステムを使った雑談形式のコンテンツだ。この“ML5”が見せた気軽かつ軽快な雑談が、多くのユーザーからの支持を得た。そしてユーザーの雑談意欲の高まりに応えて、ML5の経験をもとに、メーリングリスト自動掲載システムを新規開発。“オルトアール雑談開放区(MLX)”として一般に開放し、ユーザーは独自の“雑談”の場が作れるようになった。

同サイトではこうした雑談のほかにも、スタパ齋藤氏の“スタパライフ”や船田戦闘機氏の“遥かなる1000万PV”が用意された不定期コラムコーナー“ナローキャストステーション”(ML1)をはじめ、写真あり、インタビューあり、広告あり、スクラップあり、チャットあり、IRCに関する新しいRFC(Request for Comments)を日本語化するライブラリありと、コンテンツが大小さまざま軒を連ねている。さらに最近では、“オルトアール楽天ブックス”という、ネット上の本屋さんも開始した。

一日平均10数万PVを数える雑談サイトとはどんなものなのか。オルトアールが提唱する“雑談”の魅力とは何なのか。そして雑談を軸にしてオルトアールは何を目指すのか。同サイトの編集長である、(株)タフ・代表取締役会長、船田巧(船田戦闘機)氏を訪ねた。

オルトアールの成立

“船田戦闘機”として知られる、タフ代表取締役会長/“オルトアール総合雑談中心”編集長・船田 巧氏
“船田戦闘機”として知られる、タフ代表取締役会長/“オルトアール総合雑談中心”編集長・船田 巧氏
[ASCII24編集部(以下編集部)] まず、オルトアールを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
[株式会社タフ代表取締役会長船田巧氏(以下船田氏)] 最初は、インターネットにおけるコミュニケーションの新しいツールを実践する場として、サイトを一個作ろうということになったんです。はじめはチャットだったのですが、チャットに限定しないで、どのようにしたらコミュニケーションは楽しいのか、役に立つのか。どういった広がりが出てくるかのを実験してみようと思った、それがオルトアールの始まりです。
[編集部] 何か特定のモデルはあったのでしょうか?
[船田氏] 自分の中では、15年ぐらい前の“アスキーネット”での体験が原点ですね。同時期にあった“NIFTYフォーラム”と較べても、コミュニケーションのスピード感があって、軽快なんです。スパッと本題に入って、どんどん深まっていくような。軽さと深さがいいように作用しあっている環境を、ウェブで実現できているところは、なかなかないんですよ。“2ちゃんねる”はできていますけど、あれは匿名だし仕組みとしてもちょっと違う。アンチテーゼとして、もっと気持ちの良いものにしたいなと。
[編集部] 雑談が重要だと思われる理由はなんですか?
[船田氏] 雑談というのは、してもしなくてもいいことじゃないですか。特に価値のあるものとは思われてないですよね。でも役に立つことを話さなければいけないとか、面白くなければいけないとか、コミュニケーションの価値を最初に要求してしまったら、話せないじゃないですか。だから、ちょっと逆説的ですれけども、雑談をすると言ってしまえば、価値のあることを喋ってもいいし、無価値であることを喋ってもいいわけです。

結論として、みんながああいう(雑談開放区の)使い方をするっていうのがわかれば、みんなにとっていいかなと、そんな感じですかね。
[編集部] 雑談開放区のどういうところが魅力的だと思われますか?
[船田氏] 直接話をするわけではないし、間接的なコミュニケーションまですら行かない……でも隣の話が聞こえてくる、くらいの、いわゆる“隣人感”みたいなものが楽しかったりする。一体感までいってしまうと面倒くさいでしょ? お隣さんはNYに行っているなら、俺はアキバ行くか、みたいな。隣がカレー食ってると俺もカレー食いたくなる、隣人感みたいな。そういうのって楽しいじゃないですか。そんな、ほどよく付かず離れずみたいな空間が、今みたいな感じで広がっていってくれると、僕には居心地がいいんです。それが居心地がいいって思う人は、結構多いんじゃないかな。

オルトアールの人々

オルトアールには、“雑談”を実践するコンテンツとして、前述した“メーリングリスト5人組”(ML5)のほか、70年代生まれの7人による“メーリングリスト7人衆”(ML7)や、昭和38年生まれのメンバーによる“メーリングリスト38年組”(ML38、現在は終了)がある。ML7では情報がURLという形で飛び交い、ML38では親父ギャグという形に昇華される。それぞれに個性があるこの取り合わせは、どうやって生まれたのだろうか。

[編集部] ところで、ML5やML7、ML38は、どういう意図と経緯ではじめられたのですか?
[船田氏] 理由は2つあって。“雑談をする”というのを実践してみせることと、もう一つは、自分自身が読みたいと思うようなコンテンツが、ML5みたいなものだったんですよ。信用できるソースの人たち……友達とかが、ふとした話題について気軽に書いて話をしていって、結論まではいかなくても、思ったことを共有する。自分が、読み手としてそういうのを読んでみたいなと。今もインターネットにこういうコンテンツはあまりないし、提案としては悪くなかったなと思います。

メンバーは、「スタパは集客力もあるし」という編集的な読みも入っていましたが、根本は“お友達”で、自分が話をしたいと思う人を、誘ったんですよ。開放区でもみんな、こいつとはいつも話をしていたいと思う人が集まってくれれば、それで自然と面白いものになりますよ。

ただ、“5”みたいに仲間だけでやっていると、知らない話というのがあまり多くないわけですよね。そこに違う世代の人たちを入れて、自分たちではできない話をしてもらおうということです。“7は”下に、“38”は上に、ちょっとずつジェネレーションギャップがあって、やっぱり知らないことがある。まったく知らないことには興味を持てないけれども、ネットを通じて見ていくと、ほどよい距離感で読める。そんな感じです。
すでに終了している“ML38”。メンバーは伊藤ガビン氏、寺田克也氏、ワタナベアニ氏、山口優氏。船田氏によれば「もとはガビンちゃんが、オヤジギャグのをやりたいって言ったのが始まり――」らしい
すでに終了している“ML38”。メンバーはワタナベアニ氏、伊藤ガビン氏、寺田克也氏、山口優氏。船田氏によれば「もとはガビンちゃんが、オヤジギャグのをやりたいって言ったのが始まり――」らしい
[編集部] 以前は進行役をされていましたが、今されてないのは何故ですか?
[船田氏] 無軌道になってしまうのはかまわないけれども、面白い話題を埋もれないようにする役割がいてもいいなと思ったんです。それから、あのシステム自体、慣れていないと、どうすればいいのか判らない場合もあると思うので、最初に管理人として、慣れた人がいたほうがスムーズですよね。ただ、開放区などを見ていると判るように、あまりそのあたりは深く考えなくても、言い出しっぺみたいな人がいて、みんながそれに引っ張られていくほうが、話も進みますよね。

進行役に関していえば、ML5をプロデュースすること自体が、また実験なんです。で、一応、ML5や、ML1といっているコラム形式のものについては、どう動いていくかおおむね判った、という心境に達しているので、もうあまりいじらない。逆に開放区などで、こちらが考えていなかった使われ方を、誰かしてくれないかなーという感じなんですよね。
編集長として、自ら雑談を提供してゆく船田氏。PVが上がった時期は、書き込みが途切れないよう夜中にネタを探してまわったりしたとか
編集長として、自ら雑談を提供してゆく船田戦闘機氏。PVが上がった時期は、書き込みが途切れないよう夜中にネタを探してまわったりしたとか

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