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インフィニオン、ISDN回線で使える13Mbps VDSL技術を発表

2001年07月04日 20時24分更新

文● 編集部 佐々木千之

インフィニオンテクノロジーズジャパン(株)は4日、都内で記者発表会を開催し、同社が開発したVDSL(※1)ベースのEthernet通信技術“10BaseS(テンベースエス)”(※2)に基づくVDSLチップセットを発表した。ISDN回線でも利用でき、通信速度は双方向13Mbpsという。

※1 VDSL(Very-high-rate-bit Digital Subscriber Line):xDSL技術の1つで、通信距離は比較的短い(数百~千数百m)が、下り方向数十Mbps(非対称通信の場合)または双方向十数Mbps(対称通信の場合)と、ADSLやSDSLよりも高速なことが特徴。

※2 10BaseSはドイツのインフィニオンテクノロジーズ社がVDSLをベースに開発したもの。“10BaseS”は同社の登録商標。なおインフィニオンテクノロジーズはドイツのシーメンス社の半導体事業部門が独立して設立した企業。

10BaseSチップセットを使った評価用VDSLモデムボード
発表会で公開した10BaseSチップセットを使った評価用VDSLモデムボード。電源部以外の部品はスプリッターも含めてすべて搭載している

10BaseS技術とそのチップセットは、ドイツのインフィニオンテクノロジーズ社から、2001年1月に発表済み。7月から日本市場向けに本格的に出荷開始するのを機に、日本で発表したもの。

インフィニオンによると、この10BaseSは以下のような特徴を備えている。

  • 双方向13Mbpsの対称通信が可能
  • 最大で下り方向22Mbps、上り方向3Mbpsの非対称通信も可能
  • (上記の)最大速度での2点間通信距離1.2km
  • アナログ電話回線、ISDN回線(日本規格を含む)、PBXに重畳して使用可能(スプリッター使用)
  • 通信周波数帯域は基本的には0.9~12MHzの中で、上り/下り方向で異なる周波数帯域を使用する
10BaseSのブロックダイヤグラム
10BaseSのブロックダイヤグラム

チップセットの特徴としては、コントローラーやメモリーを内蔵しているため、外部にCPUやメモリー、ドライバーICやソフトウェアモジュールも不要で、基本的には外部に水晶振動子、トランスなどわずかな部品を用意すればよいとしている。

イスラエルのインフィニオンテクノロジーズサヴァン社CTOのシモン・ペレグ氏
イスラエルのインフィニオンテクノロジーズサヴァン社CTOのシモン・ペレグ氏

発表会では、イスラエルのインフィニオンテクノロジーズサヴァン(Infineon Technologies Savan)社最高技術責任者(CTO)のシモン・ペレグ(Shimon Peleg)氏が技術的説明を行なった。それによると、10BaseSは、最大通信距離が100mと短いうえ、高価なカテゴリー5規格のケーブルを必要とする従来の10BASE-T Ethernetと比較して、Ethernetのすべての機能を備えながら、既存の電話線ネットワークを電話機能を残したまま利用できるため、マンションなどの集合住宅や病院などのネットワーク化に最適であるという。

ホテルでの10BaseSを使ったシステム構成例
ホテルでの10BaseSを使ったシステム構成例

また米国の標準化団体IEEE(米国電気電子学会)がEFM(Ethernet in the First Mile。いわゆるラストワンマイルにおけるEthernet規格)を策定中だが、インフィニオンテクノロジーズは10BaseSをその標準規格にすべく米シスコシステムズ社などと活動しているという。最終的な規格化には年内いっぱいかかる見通し。なお米シスコシステムズは10BaseSをLRE(Long-Reach Ethernet:長距離Ethernet)技術として採用しており、『Catalyst 2900 Series LRE XL』などに搭載しているほか、米エクストリーム ネットワークス社も10BaseSチップセットを使ったスイッチ製品を発売している。

インフィニオンテクノロジーズジャパンでは、日本企業においても10BaseSチップセットを数社(社名は非公開)が採用を検討しているという。現在10BaseSチップセットはこれまで1月あたりおよそ10万個を出荷してきたが、今後は大幅な増加を見込むとしている。

発表会で行なわれたMPEG-2のビデオ画像再生デモ
発表会では、10BaseSスイッチとモデムを使い、アナログ電話回線を経由して、ビデオサーバーから2台のパソコンでMPEG-2のビデオ画像を再生するデモが行なわれた

インフィニオンが開発した10BaseS技術は、VDSLベースといっても、Ethernetで要求される機能を備えており、集積化されたチップセットによる部品点数の少なさという点でも、10BASE-T Ethernetを置き換えることが可能だ。インフィニオンは集合住宅へのネットワーク導入に最適だとアピールしているが、既存のADSLでは対応できない(あるいは速度の出ない)ISDN回線においても双方向13Mbpsの伝送速度が発揮できることで、一般家庭用の高速インターネット接続向け機器の登場も予想される。

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