ホワイトバランスを3段階に切り替えて連写
専用リチウム充電池「EN‐EL1」は付属するが、予備に1本(5000円)ほしい。「2CR5」(写真)の利用も可能。 |
カメラの機能は、ニコンが「究極のCOOLPIX」と謳っているだけのことはある。新設計された光学4倍ズームの採用や5点測距のマルチエリアオートフォーカス、低速シャッター時のノイズリダクションなど、撮影可能なシチュエーションを広げて撮影品質を向上させる機能が満載されている。ほかのデジタルカメラにはない珍しい機能に、ホワイトバランスのオートブラケッティング機能(値を自動的に変えて連写する機能)が挙げられる。995にも搭載されている露出ブラケティングはよく見かけるが、ホワイトバランスで装備したのは初めてだ。
これはホワイトバランスの設定を赤寄り、ノーマル、青寄りの3段階で連続撮影する機能で、ミックス光源下や夕焼けなど大きくカラーバランスが崩れている状況下で有効な機能だ。細かい補正が行えるのはホワイトバランスだけでなく、コントラスト/シャープネス/彩度の補正もカメラ側で行える。PCによるレタッチ作業を前提とした撮影以外にも、パソコンなしで直接プリンタから出力する際にも、あらかじめレタッチ(というほどのことではないが)しておけるわけだ。
撮影サンプル1。撮影は2048×1536ドットだが、640×480ドットにリサイズした画像を掲載。画像をクリックすると640×480ドットで表示されます。 |
このほか、直前に撮影した画像をすぐに確認できるクイックレビュー機能も装備している。液晶の上部に位置する「QUICK」ボタンを押せば、すぐさま撮影画像の確認に移れる。わざわざ再生モードに切り替えなくても確認ができるのは非常に便利だ。また豊富なオプションで定評のあるニコンだが、ワイドコンバータなど、レンズ前面に装着するコンバージョンレンズを使用する際、その重みで不意にレンズが下方へ回転してしまわないように、水平になる位置でレンズ部の回転を制限するロック機構を設けているのも細かい配慮だ。アクセサリ類(マクロレンズやワイドコンバージョンレンズなど)は従来のものがそのまま使える。
撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。逆光時でもシャープさが低下していないが、ガラスに太陽が写り込んでいるのでハイライトは飛んでしまっているが、シャドウ部の再現性は高い。 |
電源は付属する専用のリチウムイオン充電池「EN‐EL1」に加え、一眼レフカメラなどでおなじみの「2CR5」も利用可能。コンビニでも比較的簡単に入手できるため、いざという時でも安心だろう。
撮影サンプル2。レンズのシャープネスの具合がよくわかるのが近接撮影時。画面の隅までシャープネスは低下せず、画面全体でシャープだ。質感の描写力は高く、レタッチの必要性を感じさせない画像といえる。撮影データは2048×1536ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。 |
COOLPIXシリーズは元々基本性能が高いデジタルカメラだが、今回はより高機能になった。高速側のシャッタースピードも1/2300秒まで装備され、明るい場所における絞り値設定の自由度が高くなっている。最大40秒までの動画記録(320×240ドット、約15コマ/秒、QuickTime形式)や秒間30コマの連続撮影など、あらゆるシーンに対応できる機能を持っている。ニコンのブランドに恥じない名機の誕生だ。
撮影サンプル3。近接撮影に強いのもCOOLPIXの特徴だ。ズーム全域とはいかないが、半分より若干広角側でレンズ前2cmまで近寄れる。近接時もシャープさは落ちておらず、レンズの基本性能の高さがわかる。撮影データは2048×1536ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。 |
撮像素子 | 1/1.8インチ334万画素CCD |
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レンズ | 光学4倍ズームf=8~32mm(35mmフィルムカメラ換算:38~152mm)、 F2.6~5.1 |
記録媒体 | CF(TypeII) |
測光方式 | マルチ/スポット/中央重点 |
露出 | プログラムオート/シャッター優先/絞り優先/マニュアル |
シャッター速度 | 8秒~1/2300秒 |
記録画素数 | 2048×1536/1600×1200/1280×960/1024×768/640×480/ 2048×1360(3:2)ドット |
動画 | 最長40秒(320×240ドット、15コマ/秒) |
電源 | 専用充電式リチウム電池(EN‐EL1)×1本または2CR5×1本 |
連続撮影時間 | 約110分(専用充電池使用時、液晶モニタON) |
本体サイズ | 138(W)×40(D)×82(H)mm/グリップ部59(D)mm |
重量 | 390g(本体のみ) |