使える連写機能と意外に使えないAF連写
撮影サンプル。1/650、F4.0。連写モードで撮影した1コマ。元画像は1360×1024ドットだが、掲載のため縮小している。色や明るさのレタッチはしていない。 |
連写機能に関してもう少し突っ込んでおくと、連写モードでの撮影は、撮影を開始した時点でフォーカス/露出/ホワイトバランスがロックされてしまうのが少々残念だ。連写中にもオートフォーカスが行われる"AF連写"というモードも備わっているのだが、このモードでは通常の撮影時と同様にフォーカス/露出/ホワイトバランスを行ってからシャッターを切るという動作となり、撮影間隔は15コマ/秒などという数値より大幅に開いてしまう。具体的には、AF連写だと1コマに2秒近くかかり、動く被写体に対する実用性は低い。
AF連写速度が遅いのは、通常の撮影と同様の動作を毎回行っているためで、連写間隔が開くのはある意味当然と思われる。しかし、E-100RSのオートフォーカスにはシャッターを半押しにした状態に効くモード(通常)と、常にオートフォーカスをし続ける"フルタイムAF"があり、いずれもフォーカスの応答性は1コマに1秒もかからない。AF連写がこれほど遅くなる理由はいまひとつ不明だ。おそらく連写モードではCCDの読み出しとバッファリングのため、フォーカスなどの処理が同時に行えないためだろう。
高速シャッターと連写機能を活かして撮影してみたミルククラウン。1/3500、F2.8。15コマ/秒連写を使っても王冠形状となった状態は数十枚につき1枚撮れるかどうかといったところ。元画像は1360×1024ドットだが、掲載のためトリミングしている(縮小はしていない)。 |
銀塩カメラの世界では、すでにフォーカシングの動きによって、シャッターボタンを押されてからシャッターが切れるまでの間すらもオートフォーカスを動かす機能(動体予測撮影)も実現されている。E-100RSでも、もう少しはインテリジェントなフォーカシングが可能であってもよかっただろう。
目的さえしっかりしていればかなり使える
同社の「CAMEDIA C-1」のような初心者向けデジタルカメラですら200万画素を搭載している現在では、150万画素という数値は確かにかなり見劣りがする。しかし、E-100RSほど動く被写体を撮るための機能に特化したデジタルカメラはほかにはなく、ニコンが発売を予定している「D1H」(274万画素、最大5コマ/秒連写、価格未定)が近い存在になると考えられる程度だ。
150万画素を解像度的に足りないと考えるか、それを補うだけの速写/連写機能を採るかはユーザーの判断に任せられるわけだが、たとえばスポーツシーンや野鳥の撮影などが主な目的であり、印刷媒体に大きく掲載するわけでないのならば、E-100RSはうってつけのデジタルカメラとしてお勧めできる。
撮像素子 | 151万画素(有効145万)1/2インチCCD |
---|---|
レンズ | 手ぶれ補正機能付き光学10倍ズーム、 7.0~70.0mm(35mmフィルム換算38~380mm相当)、F2.8~3.5 |
記録画素数 | 1360×1024ドット/1280×960ドット/ 1024×768/640×480ドット |
画像記録形式 | 静止画:JPEG/TIFF(無圧縮)、動画Quick Time Motion JPEG準拠 |
動画撮影機能 | 30fps:約2秒/15fps:約5秒(640×480ドット/320×240ドット) |
連写機能 | 15/7.5/約5/3コマ/秒 |
露出制御 | プログラム/シーンプログラム/絞り優先/ シャッタースピード優先/マニュアル |
画像表示機能 | 液晶ビューファインダ、1.8インチ液晶モニタ |
搭載ストロボ | オート発光(低輝度時自動発光、逆光時自動発光)、 赤目軽減発光、発光禁止、強制発光、スローシンクロ(先幕効果、後幕効果) |
電源 | リチウム電池パックLB-01(CR-V3)×2個、 単3×4(ニッケル水素/リチウム/アルカリ) |
本体サイズ | 120(W)×152.5(D)×86(H)mm |
重量 | 575g |