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新型iMac登場か!?――“MACWORLD EXPO/TOKYO”明日開幕

2001年02月21日 22時55分更新

文● 林 信行

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新iMacがベールを脱ぐ!? 注目のジョブズ基調講演

明日10時、スティーブ・ジョブズ(アップル社)CEOの基調講演で“MACWORLD EXPO/TOKYO 2001”が幕張メッセで開幕する(会期は22日~24日の3日間)。

スティーブ・ジョブズ
昨年はiBook Special Edition、PowerBook(FireWire)と共にPower Mac G4モデルチェンジも発表したジョブズだが……

昨年の同講演では、iMacを除く全モデル(iBook、PowerBook、Power Mac)が刷新されたが、今回は、まず『iMac』が刷新されそうだ(もしかしたら、iMacは講演の“トリ”として一番、最後に登場するかも知れない)。1月に発表された『iTunes』を生かすべく、CD-R/RWドライブはほぼ確実に内蔵されるだろう。もっとも気になるのはCPUだ。はたして、これまでと同じままのPowerPC G3でいくのか、それとも一部モデルにPowerPC G4(MPC 7410)を搭載するのか。もし、G4を搭載すれば、ついにPowerPC G4がコンシューマー製品にも広がるという重大な方向性の発表にもなるし、PowerPC G4は生産量が少ないというイメージの払拭にもなる。

ジョブズの講演では、いつも一番重要な発表は一番最後
ジョブズの講演では、いつも一番重要な発表は一番最後に行なわれる。画面に“One more thing”と表示されたら要注意だ

同機が搭載するビデオチップも注目の的だ。はたしてアップルの新しいパートナー、米NVIDIA社の『GeoForce2 MX』でいくのか、それともこれまで通りカナダのATIテクノロジーズ社の『RAGE 128』を踏襲するのか、はたまたATI社の『RADEON』で行くのか。NVIDIAとATIのチップはいずれも一長一短があるが、ことMacでの利用となると、NVIDIA社のチップのほうが広範な機能をサポートしている(ATI社の製品はチップ自体の性能はよいが、多くの機能がMacでは利用できない)。

今回のMACWORLD EXPO/TOKYOではCD-R/RW搭載のiMacが発表されると言われている今回のMACWORLD EXPO/TOKYOではCD-R/RW搭載のiMacが発表されると言われている。ただし、DVD再生には対応しないようなので、購入前に注意が必要だ(DVD再生モデルは別途用意されるようだ)

最後に一番、気になるのが新iMacの色だ。ただし、現在の5色が発表されたのが、ほんの半年前であることを考えると、今回は色の変更は行なわれないという可能性も十分にある。それに最近、色を変えただけでは製品が売れなくなってきたという意見もよく耳にする(筆者は個人的には、もっと明るい春っぽい色にした方がコンシューマーには受けやすい気がするのだが)。

気になるCubeとiBook

iMac以外にも新機種が発表される可能性はある。大量の在庫がようやく落ち着きを見せ始めた『Power Mac G4 Cube』も、新モデルあるいは新価格が発表されるかも知れない。 iBookも最近になって流通在庫量が大幅に減り始めていると聞く。事実、アップルはこのMACWORLD EXPO/TOKYOでの発表を逃すと、7月の“MACWORLD EXPO/NEW YORK”まで、コンシューマー向けの新製品発表の場を失うことになる。

だが、MACWORLD EXPO/TOKYOで発表する新製品はiMacだけという可能性も十分にありそうだ。実はアップルは最近の売れ行き不振は、『Mac OS X』の発売の遅れが原因と考えている。事実、昨年新製品が少なかったことや、最近の製品が精細さを欠くのも、Mac OS Xの開発の遅れが原因と言われている(実際、Mac OS XのFinderは“Millenium”というコード名で呼ばれていたくらいで、アップル社は同OSを何としても2000年中に出荷したかったのだ)。

もし、この推理が当たっていれば、Macが再び本格的に売れ始めるのはMac OS Xの発売に本腰を入れる7月以降、それならその7月に新製品を発表した方が得策という考えが社内でもあるようだ(今、ここで新製品を発表すると、寿命が短い製品になってしまう可能性がある)。

iTools日本語版に期待

ところで、アップルが開発するのはハードばかりではない。同社は『iMovie』や『iDVD』のような、革新的なソフトも開発すれば、サービスも開発している。そして、アップル社のインターネットサービスと言えば、なんといっても2000年1月に発表された“iTools”である。iToolsは、そのきれいで使い勝手のいいデザインや充実した機能で世界的に人気が高いが、残念ながらこれまで英語でしかサービスが行なわれてこなかった(ただし、英語版サービスとして、国内Macユーザーの登録も受け付けている)。

現在のiToolsページ
現在、iToolsは日本のアップル社のウェブページからアクセスしても、最初に日本語で概要の紹介が現われるだけで後はすべて英語。今度こそ日本語化されることに期待

アップル社は2000年中の日本語化を約束していたが、これも実現せぬまま今に至っている。ところが、昨年末から、急にこのiToolsに水面下で動きがあるらしい(どうやら日本語文字コードの扱いなどが変わったようだ)。筆者としてはなんとしても、このMACWORLD EXPO/TOKYOでiTools日本語版を発表してくれることを期待したい。そして、もしこのサービスが実現したら、ぜひ読者の方々にも実際に使ってみてほしい。このサービスは、使えば使うほど良さが身にしみてくる(ただし、日本からのサーバーへの接続速度が改善されればという条件付きだが)。

Mac OS Xの隠れた新機能も披露されるはず

iTunesとiDVD、『DVD Studio Pro』が発表されたばかりだし、新アプリケーションの発表はさすがに行なわれないだろう。しかし、着実に完成が近づいている『QuickTime 5』のデモは行なわれるかも知れない。そしてやはり何よりも注目の的は、3月24日発売のMac OS X正式版だろう。

同OSについては1月開催の“MACWORLD EXPO/SAN FRANCISCO”の基調講演でもかなり詳しく紹介されたが、まだまだ紹介されていない機能も多い(例えば電子メールアプリケーションの改善点など)。だが、日本人にとって、何よりも気になるのは、昨年発表された外字、異体字を含む1万7000字体のサポートについてだろう。最終的な文字数は何文字になるのかなど、気になるポイントはいくつもある。昨年の発表以来、これを実現するのに必要な規格が“Unicode 3.0”、“Adobe Japan 1-4”など、いくつも制定された。しかし、どの規格の資料をあさっても、アップルのいう1万7000字体の真相には謎がつきまとう。

なお、Macユーザーでなくても注目のスティーブ・ジョブズ基調講演だが、どうしても幕張まで来れないという人は、ストリーミング放送(※1)でも視聴可能だ。ただし、こちらは同時通訳無しの英語放送となるはずだ。

※1 視聴には『QuickTime Player』が必要。また、北米、オセアニア、日本、ヨーロッパ地区に衛星放送も行なわれる。

サードパーティーの新製品も続々

MACWORLD EXPO/TOKYOで新製品を発表するのは何もアップル社だけではない。サードパーティーでも気になる新製品を発表する会社は多い。

今回、もっとも気になる新製品と言えば、やはり先日発表されたばかりの大日本スクリーン製造社(ブース番号:519)の“ヒラギノフォント”だろう。Mac OS Xには標準添付の同フォントだが、Mac OS 9やClassic環境でも使うためには、同社が発売するパッケージ版が必要だ。同社のブースには、ヒラギノフォントに収められた全字体を印刷した大きなポスターも掲載されるようなので、自分の名前や住所の文字がちゃんと収められているか気になる人は、ぜひ同社のブースで確認してみよう。

ヒラギノフォント
昨年のMACWORLD EXPO/TOKYOでは、Mac OS Xに1万7000字体からなるヒラギノフォントが搭載されることが発表された。今年はさらに詳細な情報が聞けるだろうか?

一方、OpenTypeといえば、日本フォント業界の大手、モリサワ社(ブース番号:410)も気になる存在だ。同社は先日、池袋で開催された“PAGE 2001”というイベントで、夏頃からOpenTypeフォントを発売する予定を発表している。大手といえば、アップル社のブースを取り囲むようにして隣接するマイクロソフト(ブース番号:624)、マクロメディア(ブース番号:502)、ファイルメーカー(ブース番号:503)、富士ゼロックス(ブース番号:504)、そしてアドビシステムズ社(ブース番号:415)も気になる存在だ。

なかでも日本語DTPのキラーアプリと注目される『InDesign』を展示するアドビ社は注目株かもしれない。なお、同社ではこのInDesignや、先日発売が始まった『Photoshop 6』に加えて、今日発表されたばかりの『Premiere 6.0』も大々的に展示するはずだ。

ファイルメーカー社ではPalm対応の『ファイルメーカーMobile』が注目のアイテム。同ソフトを使うことで、Palmがただのアプリケーションプレーヤーから、自分だけの情報ツールに進化するかも知れない。世界に先駆け、日本で放映されるという話題のCMも要チェックだ。

MACWORLD EXPO/TOKYOの見所は、なにも大手のブースだけではない。Special Interest Boulevards(ブース番号:421)やMacTech Central(ブース番号:422)にも、普段、雑誌などではなかなかお目にかかれない珍しい新製品を展示する中小メーカーをたくさん見ることができる。中にはベストセラーの定番製品では対処できなかった問題を、解決するあなたのベストマッチの製品が潜んでいるかも知れない。

販売系ブースでも、値札ばかり見ていてはいけない。実は販売店のブースを借りて、新製品を展示しているメーカーが少なからずある。Units(ブース番号:634)は中小のアクセサリーメーカーが結成したユニット。『静冷台』など、数々の斬新な新製品で注目を集めるide east end(三恵精機製作所)も同ブースで、『静冷台4G4』、『Arch 43』(Apple Studio DisplayとApple Pro Speakerをより美しく、効率的にインテグレートする謎の注目製品)、『Fi-Ve』(ディスク回転音を抑えたハードディスクケース)といった新製品を展示予定だ。

Apple User Group(ブース番号:420)も見落としてはならない。よくチェックしているMac系ニュースサイトの運営や書き込みをしている人々が集まった、かなり濃いエリアになりそうだ。一方、日本を代表するシェアウェア作家が結集した“シェアウェア作者友の会”(ブース番号:632)も出展している。日頃使っているシェアウェアへの熱い感謝の気持ちやリクエストを作者に直接、伝えられる貴重な場になりそうだ。同会のオフィシャル宣伝ページにあるメンバー紹介で、あなたが愛用するシェアウェアの作者がいるかを確認し、出席表でいつ会えるかを確認しておこう。

毎年盛況の作者友の会ブース
毎年盛況の作者友の会ブース。ぜひ、使っているシェアウェアの作者に感謝の言葉を伝えよう

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