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FMV-DESKPOWER K6/86WLT

FMV-DESKPOWER K6/86WLT

2001年02月07日 03時56分更新

文● 佐久間

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FMV-DESKPOWER K6/86WLT

富士通

オープンプライス

縦横比5:3のワイド液晶一体型ボディを持つ「DESKPOWER Kシリーズ」。チップセットは従来同様i810E(ビデオ機能内蔵)だが、CPUが従来より1クラスずつアップした2モデルがラインナップされている。ここでは、TVチューナ内蔵の上位モデル「K6/86WLT」をレビューする。

使いやすいTV機能だが、動画編集や出力は不可

 1280×768ドットという縦横比5:3の17インチワイド液晶&スロットインタイプのDVD-ROMドライブを内蔵する、液晶一体型PC「DESKPOWER Kシリーズ」には、TVチューナ内蔵でPentiumIII-866MHzの上位モデル「K6/86WLT」と、TVチューナを省略しPentiumIII-800EBMHz搭載の普及モデル「K6/80WL」の2機種がラインナップされている。

ワイド液晶を採用する「K6/86WLT」。DVD-ROMドライブは6倍速(CD-ROM読み出しは24倍速)。フロントローディングだが、アダプタなしでシングルCD(8cmCD)を挿入できる。松下製「SR-8185」を採用。

 ワイド17インチというと大きさが想像し難いかもしれないが、縦が約22cmで14.1インチ相当、横幅は約37cmで18インチ相当となっている。XGA(1024×768ドット)よりも横に256ドット分広いこの液晶は、DVD-Videoの再生に威力を発揮し、16:9の映画タイトルをフルスクリーン表示にしたときには、(4:3のモニタよりも)上下の空きが少なくなって画面に迫力が増すというわけだ。ちなみに、DVD再生ソフトは「WinDVD 2000」がプリインストールされている。
 ワイドスクリーンのメリットは娯楽だけではない。Webブラウザとビジネスアプリを同時に使う場合でも、Webで情報を探し、ブラウザ画面を少し脇にどかしてワープロで文書を作って、またブラウザに戻るといった操作でも、XGA画面よりも横に256ドット分ずらしておけるので、いちいち後ろに隠れたアプリをタスクバーで探して、といった面倒をせずに済む。



TV表示&録画ソフト「mAgic TV」で録画予約を行うのは非常に簡単。ウィザードにしたがって、画質、日時とチャンネルを設定するだけ。TVアプリの起動から表示開始、タイムシフト再生の呼び出しから表示開始までの時間も5秒未満と短く、TVに関するリモコンでの操作は快適そのもの。

 TV機能は、アイ・オー・データ機器の「GV-BCTV4/PCI」と同等の機能を内蔵している。TVチューナで地上波&CATV放送を表示するほか、ビデオ入力(S-VIDEO、コンポジット)でビデオデッキなどの映像をPC画面にオーバーレイ表示することが可能だ。TV表示&タイムシフト再生ソフトは「mAgic TV」で、MPEG2相当(独自形式)のキャプチャ機能を装備している。このmAgic TVは、TVのウィンドウ(320×240か640×480ドット)/フルスクリーン表示、タイマー予約表示/録画、タイムシフト再生などをごく簡単なインターフェイスで実現するソフトだが、録画した画像は独自形式(画質はMPEG2相当)で保存されるので、ビデオ編集ソフトなどでカットやつなぎなどの加工や編集はできない。貴重な映像素材をデジタルデータで保存し、のちのちCD-R/RWやDVD-RAMで保管する、といった目的には向かないが、見逃したくない番組などを予約録画しておき、家に帰ってから楽しむといったビデオデッキ代わりの気軽な使い方には有効だろう。
 なお、TV表示の画質は、シャープの同種のTVチューナ内蔵液晶一体型モデル「PC-X2001」がオーバーレイ画面のみ明るさをTV向けに最適化していたのに比べると、ややコントラストが低くおとなしい印象を受ける。ただ本機にも、画面全体を6レベルで色味補正する「MOVIEボタン」が用意されているので、明るさ調節つまみと合わせていろいろ試してみよう。



右側面にPCカードスロット(TypeIII、TypeII×2)とDVポート(4ピン)がある。本体の奥行きは23.4cm。

 本体にドライブベイなどの拡張性が乏しい(PCカードやUSB経由で不可能ではないが、選択肢が限られる)代わりに、HDDは最初から60GBと大容量タイプを搭載し、豊富なプリインストールソフトにも関わらず空き容量は50GB以上ある。録画データのファイルサイズは画質(高画質/標準/長時間の3モード)によって異なるが、実際に試してみたところ高画質では約31MB/分、標準で約16MB/分、長時間では約13MB/分となった。長時間モードだとMPEG圧縮特有のブロックノイズが目立ち、せっかく楽しみにしていたTV番組などにも興冷めしてしまうかもしれないが、標準では動きの激しい部分でコマ落ちによるカクカクした場面があるものの、画質的には十分良好だ。データ容量を考慮しても、通常は標準モードで使っていればよいだろう。その場合、50GBに53時間分の録画ができることになる(ただし、録画予約ソフトで設定できるのは連続最長3時間まで)。

 そのほか、特徴的なのがワイヤレスキーボード&マウスとリモコンを標準装備している点だ。キーボードとマウスは電波式で、受信部は本体内部に埋め込んでいる。赤外線方式と違って、本体の脇でも後ろでも半径約1.3m以内なら自由なスタイルで使える。一方、リモコンはUSB接続の赤外線受光部を使用し、TV、CD、DVDの操作を行う。ただ、実際に使ってみたところ、録画した映像を再生する「プレイ」モードでファイル一覧から選ぼうとしたときに、カーソルを動かす機能をリモコンが持っていないことに気づいた。せっかくリラックスした姿勢で使えるリモコンなので、操作はこれひとつで行いたいところ。カーソル操作が可能なリモコンを、オプションでもぜひ用意してほしい。
 価格はオープンプライスで、実売価格は33万円程度。TVチューナレスの普及モデルK6/80WLは29万円程度。TV表示&キャプチャが可能なUSB接続ユニットなどが各社から発売されているが、購入してすぐにTVもDVDも見られるエンタテインメントPCとしては、TVチューナ内蔵モデルのほうがお勧めだ。



本体右側面を、画面の傾斜を測りながら撮影したところ。液晶最下部を軸に、後ろに10度ほど傾けられる。右側面後部に、マイク入力とヘッドフォン出力兼光オーディオ端子(丸ピン)があり、ほかの端子は背面に並ぶ。
アンテナやS-VIDEO/コンポジットなどの各入力端子は背面カバーの中にある。カバーに切り欠きがあって、ケーブルを通すことができる。
メモリの増設なら簡単。背面右のカバーを外し、さらに内側の金属カバーにあるネジを2本取れば、メモリ増設ソケットが現れる。
CPU PentiumIII-866MHz
メモリ 128MB
ビデオ i810E
HDD 60GB
DVD-ROM DVD6倍速/CD24倍速
通信 モデム
OS Windows Millennium Edition
モニタ 17インチワイドTFT液晶
オフィスアプリ Microsoft Office 2000(SR-1)

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