日本オラクル(株)は18日、マスコミ向けの新春懇親会を開催した。その席上、社長兼CEOの新宅正明氏は「1つ1つの企業を論評することはあまりいいこととは思っていない」としつつ、「黙っているとばい菌のように広まっていくデータベース」と、「Microsoft SQL Server」を表現し、「あちらはゲームで忙しいようだが、そろそろ駆逐が必要」と語った。
日本オラクルといえば“佐野節”ともいわれるライバル企業に毒づく元代表取締役社長で現取締役の佐野力氏の語りが有名だった。果たして、新社長の新宅氏は米OracleのLarry Ellison氏や佐野氏のような発言をするのか否か注目されていた。彼らと比べるとまだまだ控え目だったが、やはりOracleの血は健在なようだ。
社長兼CEOの新宅正明氏 |
「競争を意識しろと常々言っている」
新宅氏は、社員に対して「競争を意識しろと言っている」という。ではその競争相手はどこなのか、それを語ってくれた。
「データベースでは、IBMのDB2 UDB。競争案件としてはけして多いわけではないが、1つ1つがとても重要な場合が多い。MicrosoftのSQL Serverは、だまっているとばい菌のように広まっていく。ここ最近あまり対抗してこなったが、そろそろ駆逐が必要だ」
「ソリューションでは、四半期ごとにライバルが変わっていくような状況にある。ERP分野では、SAPとのバトルはずっと続いている。あちらは10年近く大きなバージョンアップがない。次のメジャーバージョンアップの際、SAPの既存顧客に対してチャンスが出てくると思っている」
「マーケットプレイスはソフトウェアライセンスがビジネスとして成り立つかというとまだ立ち上がりの時期といえるだろう。Commerce Oneとは、違うシナリオで差別化し競争優位を確保していく。Aribaは相手にしていない」
「SCM(Supply Chain Management)、CRM(Customer Relationship Management)分野ではOracleは後発だ。先行のi2 Technologies、Siebelをライバルとして追いかけていこうとしているところ」と、各分野ごとにライバル視している企業の名前を挙げた。
15日には経営の体制が新宅氏にすべての権限が集中する形となった。「Oracle E-Business Suite 11i」は昨年すべてのモジュールが出揃い今年は販売とインプリメントに力を入れていくという。Oracle 9iもアプリケーションサーバから出荷が始まる。同氏が手腕を発揮できる材料は揃っている。「質、量、顧客の評価のすべてでナンバー1になる企業にしていこうと思う」という同氏の手腕が試される2001年といえそうだ。