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【WORLD PC EXPO 2000 Vol.16】ウィズコム、ペン型スキャナーに日本語OCR機能を搭載

2000年10月18日 20時43分更新

文● 編集部 佐々木千之

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イスラエルのウィズコム・テクノロジーズ社は18日、開催中のWORLD PC EXPO 2000において、自社のスキャナー機能付きペン型携帯電子辞書『Quicktionaly II(クイックショナリー)』に、日本語OCR機能を搭載すると発表した。

『Quicktionaly II』

Quicktionaly IIは4月に発表された製品で、英語OCR機能と辞書データベースを備え、ペン型筐体の先にあるスキャナー部分でなぞった英単語(活字)を読みとり、日本語訳を表示するというもの。同社のサイトから辞書データベースをダウンロードしてインストールすることで、フランス語、ドイツ語、スペイン語、韓国語など24ヵ国語に対応する。

ウィズコム・テクノロジーズ・アジアのロニー・ゴーリキー(Ronny Gorlicki)社長

CPUには英アーム社のARM7-80MHzを採用し、OSは独自に開発したという。マスクROM2MB、フラッシュROM2MBを内蔵するが、それぞれ8MBまでアップグレード可能。スキャナー部分は最大読みとり幅11mmで、解像度は400dpi、6~22ポイントまでの活字を読みとり可能。122×32ドットのモノクロ液晶ディスプレーに読みとった単語と翻訳を表示する。内蔵スピーカーとイヤホン端子も備えており、読みとった単語を発音させることもできる。読み上げエンジンにはベルギーのレルナウト・アンド・ホスピー社のものを採用している。インターフェースとしてはRS-232C、IrDAを持つが、Quicktionaly IIではIrDA機能は使用されない。サイズは幅163×奥行き23×高さ38mmで、重さは90g。アルカリ単4乾電池2本で動作する。

QuickLinkPenを使って読みとった名刺データを、Palm Vに転送しているところ。IrDAインターフェースを持つフィンランドのノキア製携帯電話に対してもデータ転送が可能という

また、ウィズコムはQuicktionaly IIと全く同じハードウェアながら、ソフトウェアを変えて、英語OCR機能を内蔵し、IrDA、シリアルケーブルを使ってWindowsパソコンやMacintosh、Windows CEマシン、PalmOS搭載PDAにデータ転送が可能な『QuickLinkPen(クイックリンクペン)』(英語版)も販売している。価格は2製品ともオープンプライスだが、同社の日本語ページでのオンライン販売価格はQuicktionaly II(英和)が2万4800円、QuickLinkPen(英語版)が1万9800円となっている。Quicktionaly IIはセイコーインスツルメンツ(株)(SII)からも販売されている。

今回の発表は、ウィズコムとオムロンソフトウェア(株)の共同開発によるもので、英語と同じく6~22ポイントまでの活字を1度に最大30文字まで読みとり可能。認識速度は毎秒13文字、認識可能文字はJIS第1および2水準までとしている。日本語文字の縦書き横書き、文章中の英単語は自動的に判別して処理される。ふりがなやルビ文字は自動判別により無視される。

Quicktionaly IIおよびQuickLinkPenに対するソフトウェアとハードウェア(フラッシュROM)のアップグレードサービスという形で行なわれる予定で、来年の早い時期に行ないたいとしている。その際は、Quicktionaly IIにQuickLinkPenの機能、またはQuickLinkPenにQuicktionaly IIの機能を追加し、両方の機能を持たせた“プレミアムバージョン”として動作するとしている。アップグレードサービスの価格は現在のところ未定。

今後は、QuickLinkPenの日本語版を12月に予定しているほか、日本語OCR機能を開発したことで、2001年6月には和英辞書や国語辞書の提供も予定している。さらに専門用語辞書や他の外国語辞書も逐次提供するとしている。

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