シャープ(株)は6日、インクジェットプリンター市場に参入すると発表、第1弾製品となるインクジェット製品『Prizma(プリズマ)』シリーズ6機種を発表した。
『Prizma』シリーズはコンシューマーからSOHOまでを対象とした製品群。今回発表されたのは、カラーインクジェットプリンター『AJ-2000』、『AJ-2000ME』、『AJ-2000LE』、『AJ-2100』、カラーインクジェット複写機『AJ-6000』、カラーインクジェット複合機『AJ-6010』。これら6機種はすべて、3月15日付けで発表された同社、富士ゼロックス(株)、米ゼロックスコーポレーションの3社協業体制により開発されたもの。
インクジェットプリンター『AJ-2000』 |
コンシューマーからビジネスまでをターゲットとしたプリンター
『AJ-2000』は、コンシューマーおよびSOHO向けのインクジェットプリンター。印刷スピードがモノクロ毎分12枚/カラー毎分8枚。出力解像度は1200×1200dpi。インクは4色で、特にブラックは顔料系インクを採用しており、普通紙でのテキスト印刷もレーザープリンター並みの画質を保っているという。
また、プリントヘッドとインクタンクが独立しており、インクタンクも各色ごとに分離できる構造のため、なくなったインクタンクのみ交換できる。光学センサーと印刷ドットカウントを併用した“インク残量検知システム”も搭載しており、インクの残量を確認できる。
インターフェースはIEEE1284またはUSB。対応OSはWindows 95/98/2000/NT4.0およびMac OS 8.5以降。給紙容量は普通紙が150枚。給紙トレイのほかに、本体背面に数枚の用紙を手差しでセットできる手差し印刷用シングルバイパスを装備している。
本体サイズは幅440×奥行き358×高さ191mm、重量は6.5kg。フォトレタッチソフト『Photo Suite III SE』が付属する。10月27日発売で、価格は3万9800円。
『AJ-2000ME』は、同社のノートPC『メビウスPC-PJ120S』の本体カラーと同じカラーを採用したモデル。本体仕様はAJ-2000と同じ。11月20日発売で、価格は3万9800円。
メビウスカラーの『AJ-2000ME』 |
『AJ-2000LE』は、低価格で提供するエントリーモデルで、印刷スピードがAJ-2000より落ち、モノクロ毎分10枚/カラー毎分6枚となる。その他の本体仕様はAJ-2000と同じ。10月27日発売で、価格は3万2800円。
エントリーモデルの『AJ-2000LE』 |
『AJ-2100』は、6色フォトインクを採用した写真印刷向けモデル。印刷スピードはモノクロ毎分8枚/カラー毎分8枚。その他の本体仕様はAJ-2000と同じ。11月20日発売で、価格は3万9800円。
スーパーフォトモデル『AJ-2100』 |
複写機、複合機も発売
『AJ-6000』は、コピースピードがモノクロ毎分12枚/カラー毎分7枚のインクジェット複写機で、単体で動作する。出力解像度は1200×1200dpi。AJ-2000と同様に独立したインクタンクシステムとなっている。
スタンドアロンの複写機『AJ-6000』 |
1枚の原稿を最大25枚分の用紙に分割してポスター大に拡大印刷できるポスター機能、縮小画像をシール用紙にコピーできるシールプリント機能、コピー時に“重要”や“至急”といった文字を追加して印刷できるスタンプ機能を搭載する。
給紙容量は普通紙が150枚で、手差し印刷も可能。本体サイズは幅480×奥行き397×高さ274mm、重量は12kg。11月10日発売で、価格は6万4800円。
『AJ-6010』は、AJ-6000にプリンター機能とスキャン機能を追加したカラーインクジェット複合機。
1台3役の複合機『AJ-6010』 |
スキャン時に、取り込んだ画像の処理として“ファイルとして保存”“電子メールで送信”“PC経由でFAX送信”“OCR”“Microsoft Wordに貼り付け”の5種類から選択できる“目的別スキャンボタン”を搭載。スキャンすると自動的に設定した処理を行なうため、作業の効率化が図れる。
インターフェースはIEEE1284およびUSB。対応OSはWindows 95/98。本体サイズはAJ-6000と同じ。11月24日発売で、価格は7万9800円。
シェア10%を獲得したい
本日都内で行なわれた発表会で、同社ドキュメントシステム事業本部副本部長の田中豊基氏は、「PC市場の伸びと共に、インクジェットプリンターの需要が高まっている。ホームだけでなく、SOHO市場やオフィスへの進出も始まっており、今後も高い将来性が見込まれる。これまでのインクジェットプリンターでは不十分であったスピード、高画質を実現し、コスト競争力の高いインクジェット製品を全世界に提供する。今後3年間で市場シェア10%を獲得したい」と説明。
インクジェットプリンター市場の厳しい競争については、「現在の市場において10%を取るのは難しいが、現時点でのユーザー層はPCからの印刷がメイン。今後はAV機器からの印刷やモバイル機器からの印刷という新たな市場も登場するだろう。この新規市場も含め、われわれの家電の強みを活かして、今後ラインナップを拡充し、シェア獲得を目指す」としている。
ドキュメントシステム事業本部副本部長の田中豊基氏 |