22日、日商エレクトロニクス会議室において、インターネット上でライブセッションが行なえるe-Learningシステムの体験セミナーが開催された。
『InterWise Millennium』は、リアルタイムでの双方向対話が可能な教育システム。InterWise社が開発したもので、日本では日商エレクトロニクス社がパートナーとなって販売する。これまでインターネットを利用した教育システムは非同期型のものが多く、ライブセッションを主眼に据えたものは少なかったが、このInterWise Milleniumは、教室の臨場感をパソコンの画面上で再現できるというもの。
インターワイズ日本オフィス日本代表の堀内匡氏。ネットを利用した教育システムでは、やはりライブ感が非常に重要 |
このシステムを開発したInterWise社は、イスラエルのテルアビブを本拠地とし、'98年にアメリカに進出。日本では7月に会社を設立し、今年10月に日本法人化を予定している。メニューの日本語化は完了し、年内にはシステム全ての日本語版を用意できるとのことだ。
InterWise Milleniumは、4つのソフトウェアパッケージから構成されている。インストラクター用PCには資料作成やイベントを運営するための“InterWise Instructor”、スチューデント用PCにはイベントに参加するための“InterWise Student”、データベース管理用NTサーバーに“InterWise Campus Server”、システム運営管理用分散サーバーに“InterWise Millennium Server”を用意する。
インストラクターは、PowerPointやビデオファイルなど、多様な形式を資料として生徒に提示できる。インストラクターがサーバーにアップロードした資料は、スチューデントPC内のPush Clientが立ち上がれば自動的に配信される。
スチューデント用画面。左端のボタンをクリックして“挙手”や“質問”、“解答”などを行なう |
さらに、ツールを利用して用意した資料にチェックをつけたり、フリーハンドで“黒板”エリアに文字や絵を描くことも可能。生徒を指名したり、問題を提示し、解答率や誰がどういう答を出したかを知る機能もある。スチューデント側では、“挙手”、“指名”、“質問”、“解答”などのやりとりをクリックひとつで行なえる。
また、エクセルなど他のアプリケーションと連携し、各々が数値を書き換えたり、指名された生徒が解答を全員の前で提示することもできる。さらに、インターネットにアクセスし、ひとつのページを全員が閲覧できるため、現在の情報を即座に取り込んでの授業が可能。その後ひとりひとりが、興味のあるリンクに自由にアクセスできる。インストラクターの顔のモニター表示機能や、生徒の人数が多い場合、グループに分かれて作業や話し合いのできる分科会機能などが搭載されている
他のソフトも黒板エリア内で利用できる。指名された生徒の画面を全員のモニタで表示させたり、インストラクターが数値を修正することもできる |
黒板エリア内でasahi.comに接続したところ。ここから各自が好きなリンク先にアクセスできる |
このようなイベント内容は、音声や画像などをすべて記録できるので、イベントを欠席した場合や、予習、復習にも利用できる。企業研修などに利用すれば、コスト削減や効率化に大きな役割を果たせると言える。実際に日商エレクトロニクスでは、業務用システム“NEXT”の講習用にこのシステムを利用している。
右上に、インストラクターの映像をライブで表示したところ。2倍ズームも可能。この大きさであれば、現況の通信環境でストレスなくリアルタイムでの動画配信ができる |
日商エレクトロニクス社DMS事業部DMSセールス金融グループリーダーの洞ヶ瀬能介氏。「このシステムの便利さを、多くのお客様に知っていただきたい」 |
日商エレクトロニクス社DMS事業部サポートグループプリSAチームの石塚ことえ氏。階下のサポートセンターからインストラクターとしてセッションを行なった。 |
日商エレクトロニクスでは、ASPモデル(Application Service Provider)として、スチューデント仕様時間に基づく価格(1時間当たり2000円~3000円強)を設定し、サーバーやメンテナンスなどすべてを日商側でサポートするモデルを提案。ライブセッション時のトラブルなども、日商内のサポートセンターで処理する。年内は、最小単位で利用可能な“お試しセット”を用意し、顧客の認知度を高めたいとしている。