マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン(株)は13日、ソフト開発者向けにアプリケーションのテスト作業を自動化しテスト工程を管理するツール『TestSuite
バージョン5 日本語版』を発表した。TestSuiteは、GUIアプリケーションの自動テストツール『WinRunner』とテスト工程管理ツール『TestDirector』から構成される。
WinRunnerは、アプリケーションの機能を自動的にテストするツール。GUIを用いたアプリケーションにおいて、画面上のクリックやデータ入力などを自動的にシュミレーションし、期待値と実際値の差異を比較できる。テスト用のスクリプトは、実際の操作を記録して自動的に生成され、カスタマイズが可能となっている。このスクリプトは、プラットフォームに依存しないため、Windows
95/98/NT上のアプリケーションのテストを、同一スクリプトを利用して行なうことが可能となっている。新しいバージョンでは、アプリケーションがデータベースに書き込んだ値を、直接検証することが可能となった。また、ウェブブラウザー上で動作しているウェブアプリケーションのテストにも対応した。対応する開発環境はVisual
C++やVisual Basic、PowerBuilder、Delphi、ActiveX、Javaなど。
多様なプラットフォームをサポートしているアプリケーションにおいては、各プラットフォームのテストを自動化できる。
TestDirectorの表示画面(分析結果のグラフ) |
TestDirectorは、テスト工程全体を組織化し、管理を行なう統合管理グループウェア。プランニングから、テストの実行、バグ追跡、結果報告、結果分析までのテスト工程を一元管理し、WinRunnerなどのソフトを、ネットワーク上の任意のマシンで、任意の時刻に自動的に実行させることができる。新しいバージョンでは、分析結果のレポートやグラフを、企業の公式文書に合わせてカスタマイズすることが可能である。また、アーキテクチャーにDCOM
APIを採用し、サードパーティーや自作のツールをAPIを通して連携させることが可能となっている。
発売は8月を予定。対応OSはWindows 95/98/NTで、価格は69万円(1ユーザー)。WinRunnerとTestDirectorは、単体でも販売され、価格はそれぞれ56万円(1ユーザー)、135万円(5ユーザー)。
米マーキュリー・インタラクティブ社のアムノン・ランダン(Amnon Landan)社長兼CEO |
米マーキュリー・インタラクティブ社のアムノン・ランダン(Amnon
Landan)社長兼CEOは、マーキュリー社の戦略について、「世界中で、EC(電子商取引)の重要度が増してきている。ECを行なうためには、単にウェブを作るだけでなく、仕入から販売、流通、決済までのすべての要素をつなぐアプリケーションを作る必要がある。このアプリケーションの構造は、今後複雑さを増し、テストを行なうことも大変になっていくだろう。わが社は、TestSuiteなどの提供によって、このテストの手助けを行なっていく」と述べた。日本におけるビジネスについては、「人材を追加し、研究開発・マーケティング部署を増やしていく。今後のマーキュリー社のソフトは、英語版と日本語版を同時に発売したい」と語った。