オートデスク(株)は、同社が“ドキュメントデザインツール”に位置付ける2次元CADソフト『AutoSketch
Release 6』を発表した。『AutoSketch』シリーズは、同社で扱う最もローエンド向けのCADソフトで、オフィスレイアウトや機械/建築設計図、ダイアグラムなどを作成するためのもの。電機機器製造業や建設・不動産業の間接部門のような、フロントエンドCADシステムをターゲットとしている。
GISやMCAD製品、Kinetixビジネスグループの製品群が好調
代表取締役社長の志賀徹也氏 |
冒頭、代表取締役社長の志賀徹也氏は、「オートデスクは、先日フィスカルイヤー(会計年度)で2000年を迎えました。今年度は、毎月1製品以上を発表する見込みです。CADというと堅いイメージがありますが、今回発表した『AutoSketch
Release 6』は、最もローエンドの製品です。店頭での価格は1万円を切るでしょう。ユーザーの皆様のノートパソコンや、デスクトップパソコンに気軽に入れて楽しんでいただきたいと思います」と述べた。
また経営環境に関して、「昨年度のAutoCADシリーズの国内売上に関して、販売本数は横ばいだったものの、金額ベースでは若干減少しました。これは、不況の影響で建築/不動産業からの需要が減ったことが原因と思われます。しかし全体の売上は、GIS・MCAD製品や、『3D
Studio MAX』などのKinetixビジネスグループの製品群が牽引役となり、約9パーセント増となると見込まれております」と述べた。具体的な数値に関しては、来月以降に発表するとした。
『AutoSketch Release 6』
『AutoSketch Release 6』の新機能は、2次元図形に自動で上面・側面・正面を加える3D効果機能、ドラッグ&ドロップでの図形の配列複写などにより操作性の向上を図っている。1つの基準点から指定した距離の位置に図形を配置するジャンプスナップ機能で座標入力を極力減らしたほか、作図用の補助線機能、画面上のカーソルを移動するだけで表示している図形が拡大・縮小されるリアルタイムパン&ズーム機能を搭載する。従来のウィザード機能は強化され、ビルの設計や機械部品などケースに合わせて尺度や単位、ツールバーを設定して作業環境をカスタマイズできる。
また、Microsoft OLE(Object Linking and Embedding)を使用したインプレイスOLE編集が可能で、Excelのスプレッドシートを『AutoSketch』上で編集できる。データ形式は、入力がSKD/DWG/CAD/WMF、出力がDWG/DXF/DWF/CAD/WMFをサポート。対応OSは、Windows
95/98/NT4.0。必要システムは、CPUが486DX2以上、メモリーが16MB以上(32MB以上推奨)、HDD空き容量が41MB以上。発売日は4月30日で、価格は1万2800円(アカデミック版は9000円)。