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【INTERVIEW】SOHOは新しいライフスタイル--メールマガジン『SOHO'S REPORT』の舞台裏

1998年12月10日 00時00分更新

文● 野々下裕子、

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 SOHOという言葉もそろそろ一般化し始め、さまざまなSOHOグループの活動も目立つようになってきた。インターネット上ではウェブページはもちろん、関連のメールマガジンも多数発行されている。『SOHO'S REPORT』もそうしたメールマガジンの1つだ。このメールマガジンは、1つのグループではなく、カナダのバンクーバーを含む各地で活動するSOHOグループの代表たちによる、コラボレーションから生み出されている。発行人の1人で、“SOHO-WEST”を運営している塩見政春氏に、発行までの舞台裏から話を聞いた。なお、“SOHO-WEST”は、『SOHO'S REPORT』の運営グループの1つである。

『SOHO'S REPORT』発行人の1人、塩見政春氏 『SOHO'S REPORT』発行人の1人、塩見政春氏



「“考え方の違い”を情報として発信する」

----塩見さんが運営する“SOHO-WEST”とは。

「同じSOHOを目指す人たちの輪を広げていくことを目的に、去年の春に結成したものです。まずは、ホームページを立ちあげることから始めました。オフ会(メールで交流してきた仲間が、実際に会って話をすること)の機会の多いこの交流ネットワークは、あっという間に会員数が増えました。そして、関西方面を中心にSOHO人脈は全国規模に広がっていったのです」

----全国津々浦々、意見の食い違いはありませんでしたか。

「ええ、もちろんありましたね。人脈が広がっていく中で、SOHOの定義や考え方の違いも大きくなる一方でした。でも、仲間たちと議論を交わすうちに、そうした違いをそのまま情報として発信すればいいのではないかという発想に結びついたんです。そのアイデアに、山形、埼玉、九州、バンクーバーという各地域のSOHOグループ代表者が賛同してくれました。そこで早速、メーリングリストを使ったバーチャル編集室が立ち上がり、『SOHO'S REPORT』のアイデアが膨らんでいったのです」

----オンラインだけで制作進行されるのは、インターネットの世界では珍しいことではありませんよね。

「ええ。『SOHO'S REPORT』はそうしたバーチャルでの制作体制と同時に、メール、電話、実際に会うといった、デジタル、アナログ両面で、全国のSOHO間のコミュニケーションを深めていきました」

「最低半年間は広告を募集しない」

----『SOHO'S REPORT』の創刊はいつですか。

「日刊体制で、今年の秋から発行を始めました。自らのSOHO経験をリアルに発信するスタイルで、徐々に読者数を伸ばしています。運営費は現段階では編集者自身の持ち出しですが、将来的には媒体としての価値を高めていきたいと思っています。収益事業を展開する可能性も、もちろん視野に入れています」

----広告収入はありますか。

「あえて、最低半年間は広告募集をしない方針でいます。共同体で運営を行っていく場合、金銭はトラブルにつながりやすいですから。その分、現段階では交流を深めながら、各自が発行している媒体の価値を上げていけるような内容を目指しています」

「媒体価値のあるメールマガジンとしては、3万人の読者が必要です。市場への影響力を持つようになって初めて、発行する側も読む側もメリットが生まれます。そのためにも質の高い情報をどうやって発信し続けるかが課題ですね」

----代表者のみなさんは、自身のグループ運営も行なっていかなければなりませんよね。力の配分や位置付けはどうしていくのでしょうか。

「私自身、“SOHO-WEST”の運営や『大阪ソーホーデジタルコンテンツ事業協同組合』の設立に関わっていたりと、すでに二足のわらじを履いている状態なんですよ。“SOHO-WEST”は交流が主体、組合はビジネスという棲み分けでいます。こうした中でのメールマガジン『SOHO'SREPORT』の発行ですが、こちらはあくまで編集作業などの媒体づくりと位置づけています。媒体として1人立ちするまではある程度手も掛かかりますが、それだけの価値を持ったものにしていくつもりです」

----今後の展開を教えて下さい。

 「全国各地のSOHOグループに参加してもらい、人気のあるコンテンツを優先的に掲載していくことを考えています」

「これから、SOHOという言葉はライフスタイルそのものとなり、会社にいても独立していても関係ない、コラボレーション型のタスクフォースとなっていくと思うのです。そういう時代に向けて、今から媒体作りを始めなくてはいけない。それが『SOHO'SREPORT』になればいいですね」

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