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日本オラクル、EC市場構築ソフト『Oracle Exchange』の説明会を開催――サプライチェーンや流通管理まで含む統合的な市場構築が可能に

2000年07月25日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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日本オラクル(株)は25日、B to B(企業間)電子商取引(EC)市場を構築するソフト『Oracle Exchange』のプレス向け説明会を都内で開いた。同ソフトは米国の大規模EC市場構築に採用されており、日本語版は9月30日に提供を開始する予定。インターネットへの完全対応をうたい、ERP(Enterprise Resource Planning)やCRM(Customer Relationship Management)など既存の基幹系システムとの接続も可能な上、開発部門でCADデータをリアルタイムに共有できるなど、単なるEC市場にとどまらない統合的な“e-Hub”として機能するという。

開発途中の『Oracle Exchange』日本語版の画面
開発途中の『Oracle Exchange』日本語版の画面



同ソフトは、B to BのEC市場を構築するためのソフト。『Oracle8i』など同社のインターネット対応製品を使用して開発され、商品カタログ機能やトランザクション管理、ユーザー管理など市場に必要な機能を装備。操作はウェブベースで行なうことができ、ユーザーはブラウザーで市場にログインして商品の売買を行なう。

さらに在庫や需給状況を管理できるをサプライチェーン機能や、製品の共同開発を可能にする“プロダクト・ディべロップメント”機能なども含まれる。このため単なるEC市場としての機能にとどまらず、ネット上で購買から共同開発、製品のSCM(Supply Chain Management)までを統合的に行なえるという。他社製品を含むERPやCRMソフト、レガシーシステムなどとのアダプターも用意されている。

日本語版は9月30日に提供を開始する予定。当初はホスティングにより提供し、価格は取引金額によって異なる。市場立ち上げに当たっては、コンサルティング会社との提携でコンサルティング内容をメニュー化、「最短で45日」(同社)という迅速な市場構築を目指している。今後は製品のパッケージ化も計画しているという。

ターゲット市場は(1)特定の業界を主体とする垂直型のマーケット、(2)業界や企業グループを横断する水平型マーケット――の2つ。同社は水平型マーケットの構築を自社の運営参加も含めて進め、水平型をきっかけにして垂直型を各業界で誕生させるというモデルを描く。

米国では米オラクルと米フォードモーター社、米シスコシステムズ社の3社で合弁会社を設立、参加企業3万社を予定する自動車業界専門の市場構築を目指すなど、オラクルが参加するEC市場の構築計画を相次いで発表している。日本でも今月17日、日本オラクルは(株)エヌ・ティ・ティ データとB to B市場構築事業で提携すると発表している。

日本オラクルeビジネス事業部マーケットプレース事業開発部の内田雅彦氏 日本オラクルeビジネス事業部マーケットプレース事業開発部の内田雅彦氏



プレス説明会で、日本オラクルeビジネス事業部マーケットプレース事業開発部の内田雅彦氏は、「マーケットプレースからバックオフィス、CRMまで1社で提供できるのはオラクルだけ」と胸を張った。その上で「単なる市場にとどまらず、サプライチェーンやロジスティクス、共同開発機能を、市場を利用するユーザー企業が平等に利用できる“e-Hub”として機能させるのがOracle Exchangeの目標」と同ソフトの狙いを語った。

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