【Wireless Japan 2000/IP.net 2000 Vol.3】目前に迫ったIMT-2000! キャリア・端末メーカー各社がコンセプトモデルを展示

2000年07月17日 00時00分更新

文● 編集部　小林久

東京ビッグサイトで17日から開催されている“Wireless Japan 2000”では、これまでにない数の“IMT-2000”向けのコンセプトモデルが出展されていた。


世界に先駆けてIMT-2000のサービスを開始するNTTドコモのブース。展示内容は“ビジネスシヨウ 2000”とほぼ同じ

IMT-2000は移動時最大384kbps、固定時最大2Mbpsの高速なデータ通信を特徴としており、モバイル環境での動画送受信や音楽配信などへの応用が期待されている。W-CDMA方式で2001年半ばのサービス開始を予定しているNTTドコモなど、キャリア各社に対する郵政省からの認可も降りており、携帯電話を利用した高速モバイル通信もいよいよ秒読み段階に入ってきたといえる。キャリア/端末メーカーのブースでは、従来のようなモックアップではなく、動画機能などが実際に動作しているものも多く、実際の製品化が近いことを予感させた。ここでは、その中から代表的なものを紹介しよう。

メモリースティックを搭載した動画&地図ビューアー

三菱電機(株)のブースでは、同社がヨーロッパで展開している“Trium（トリウム）”のブランドネームを冠したIMT-2000対応の携帯情報端末を出品していた。手の中にすっぽりと入る小型の端末と、ポケットサイズの縦型/横型の計3モデル。いずれもカラー液晶を搭載し、音声通話のほかナビゲーション機能や動画再生が可能。ポケットサイズの2モデルには、MagicGate対応のメモリースティックスロットも搭載されている。W-CDMAを視野に入れたコンセプトモデルで、製品化は未定とのことだが、ヨーロピアンテイストの本体は見た目にも美しく、期待が持てる。


たまごのようなデザインのW-CDMA端末。手の中にすっぽり入る大きさ


こちらは、通信機能を内蔵したPDAという印象。本体にはメモリースティックスロットを装備。Palmのような縦置きのモデルも展示されていた。いずれもフランスにある同社のラボで開発されたという

キーボード搭載の薄型メール端末

日本電気(株)のブースでは、MPEG4の動画再生に対応したW-CDMA対応のコンセプトモデルを展示していた。電話機とビューアー間をBluetoothで接続して動画像の送受信ができる製品のほか、キーボードとデジタルカメラを搭載した薄型の本体にPDAやメール端末の機能を搭載した製品なども展示されていた。後者に関しては撮影禁止ということでウェブに掲載できないため、どうしても気になる読者はぜひとも足を運んで確かめてほしい。


W-CDMAに対応した携帯電話＆動画ビューアー。Bluetoothを使ってデータを相互にやりとりする

ゲームや工事現場など多彩な場面で活用

松下電器産業(株)は、“ビジネスシヨウ2000”でも展示されていたデータ通信専用端末やMPEG4動画の再生が可能な電話機(ビジュアルホン)に加え、ゲーム用端末などのコンセプトモデルを多数展示していた。展示会場の説明員によると、来年NTTドコモがW-CDMAのサービスを開始する際には、通常の音声端末/ビジュアルホン/データ通信専用端末の3種類を投入する予定だという。