沖データ、1200dpiフルカラーでA4を毎分21枚印刷可能な高速プリンター『MICROLINE 9055c』ほか、カラーページプリンター4機種を発表
2000年06月14日 00時00分更新
(株)沖データは14日、印刷解像度1200×1200dpiのフルカラーで、A4(横)を毎分21枚印刷可能な高速プリンター『MICROLINE
9055c』ほか、LED方式のカラーページプリンター4機種を発表した。9055cは、モノクロモードでは毎分26枚印刷可能、用紙はA3ノビ用紙まで対応。ページ記述言語は“PostScript 3”と“PCL5c”を採用しており、(株)モリサワの日本語5書体、欧文136書体をROMで搭載する。価格は79万8000円で、出荷予定は7月中旬。
『MICROLINE 9055c』(左)と『MICROLINE 3010c』(右) |
MICROLINE 9055cは、DTPユーザー向けの最上位機種。'99年7月発表のA4対応カラーページプリンター『MICROLINE
8cV』から採用している、*“Digital
LEDヘッド”を4つ並べ、1枚の紙に4色を連続して印刷する*“シングルパステクノロジー”に加え、カラー画像処理で必要とされる演算を行なう新開発のアクセラレーターチップ*“MEGA”および、PowerPC 750-480MHzを搭載(8cVではMIPS
R5000-200MHz)したことで、高速印刷を可能にしたという。インターフェースはパラレルとUSBポートに対応し、追加フォント用HDD(5GB)、100BASE-TX
Ethernetボードも標準装備する。
* Digital LED方式:プリンターの感光ドラムに対し、印刷イメージを走査するための光学系として、同社が開発したLEDによる方式。印刷幅と同じ幅に、印刷解像度と同じ密度で並べたLEDからの照射でドラムを感光させる。レーザー方式が、1つのレーザー光を鏡とレンズを組み合わせて走査するのに比べて、光学系がシンプルなため、小型にできるという。
* シングルパステクノロジー:Digital LED方式による印刷エンジン(ヘッドと感光ドラム)を、4色分(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)並べて、用紙に対して4色連続して印刷するという技術。一般的なレーザー方式では、1つの感光ドラムに、走査とトナー転写を4回(4色分)繰り返す。
* MEGA(Multiple &
Exclusive Graphic Accelerator):カラーマネージメント、RIP(Raster Image
Processing)処理、データの圧縮・伸長など、従来プリンター上のプロセッサーでソフトウェアにより処理していた演算を、ハードウェアロジックで置き換えた。
カラー処理専用に新開発されたASIC“MEGA” |
9055cのトップカバーを開けたところ。4色分のLEDヘッドが並んでいるのがわかる |
MEGAチップと、PowerPC 750を採用したことにより、カラー印刷時のデータ処理が向上したという。同社によると、PostScript
3使用時において、データをパソコンからプリンターに送ってからプリンターが1枚目の印刷を開始するまでの時間は、1200×1200dpiフルカラーで印刷した場合でも、他社のカラーページプリンターで600×600dpiフルカラー印刷したものに比べて、約3分の1以下にあたる30秒程度という。また、それぞれのプリンターの独自ページ記述言語を使用した場合でも、1200×1200dpiフルカラーで、他社プリンターの600×600dpiフルカラー印刷より高速であるという。なお、プリンタードライバーはWindows
95/98/NT 4.0/2000用とMac OS 7.6.1以降(USBを利用する場合は9.0以降)用が添付されている。
また、9055cと同時に『MICROLINE 3050c』、『同3020c』、『同3010c』も発表された。
3050cは9055cから、HDDをオプションにし、内蔵日本語フォントを2書体に絞ったビジネス向けモデル。3020cは3050cから、プロセッサーをPowerPC
750-400MHz、Digital LEDヘッドを600dpiに変更(最大印刷解像度は1200×600dpi)、Ethernetボードをオプションとしたコストパフォーマンス重視モデル。3010cはさらに、印刷可能用紙サイズをA4以下に抑えた。価格は3050cが64万8000円、3020cが54万8000円、3010cが39万8000円で、いずれも出荷予定は7月中旬。