東京有明の東京ビッグサイトで7日から“JPCA Show2000”が開催されている。JPCAはJapan
Printed Circuit Associationの略で(社)日本プリント回路工業会のこと。このイベントは同法人が主催、プリント基板や実装技術関連の製品・技術を集めたショウである。
高密度実装基板の一例。松下電器のALIVH。層と層の間を立体的・効率的に結ぶことができる。上下の黒い部分がチップや部品になる |
携帯電話の小型化やモバイルガジェット類の普及、小型化、高機能化といった昨今のトレンドの中でプリント基板技術や実装技術は高度に進化している。プリント基板を構成する層は増え、さらなる高密度化が進んでいる。かつては基板を重ねてドリルで穴を開け、垂直に導通させる“スルーホール基板”が使われていたが、部品の小型化や高密度実装に対応するために現在は露光技術によって穴を開けて各層を重ねていく“ビルドアップ基板”が主流。現在は露光技術を駆使してさらなる高密度化を目指した基板を各社がこぞって開発している。松下電器の“ALIVH”、三菱電機の“MELBUS”、日本ビクターの“VIL”、日立の“HITAVIA”、NECの“DVマルチ”、東芝の“B2it”などがそれにあたる高密度であるだけでなく、燃焼時のダイオキシンの発生が懸念されているハロゲン、鉛などの材料を使わない環境に配慮したものも展示されていた。また日本ビクターは近い将来に主流になると見られる、抵抗やコンデンサーといったパッシブ素子を基板の中に埋め込んだ複合基板を展示していた。
基板内に抵抗などのパッシブ素子を作り込むことでさらなる高密度化を狙う技術は次世代のトレンドだ。日本ビクターの展示 |
また実装技術ではチップとほぼ同じ面積で実装するCSP(Chip Scale
Package)、基板間をつなぐ高密度でごく薄いフィルム状のフレキシブルワイヤーなどが展示された。このほかには実際に基板上に実装するためのマウンターや基板をカットするスライサーなどの工作機械、基板製造のための各種装置も展示された。
下はノートパソコン用の基板、上はデジタルビデオカメラ用の基板。10層から8層の基板が使われている。日本ビクターの展示 |
プレステ2の基板は高密度かつ高周波に対応したもの。ソニーのほか松下電器などが製造している。 |
キヤノンのデジタルカメラ『IXY』用の基板。8層。NECの展示 |
左からメモリースティックウォークマン、ネットワークウォークマン、VAIOミュージックリンク用の各基板。2枚取りあるいは4枚取りされているのがわかる。NECの展示 |
NECのiモード対応携帯電話『N502i』用の基板。NECの展示 |
カシオの腕時計型MP3プレーヤーの基板は松下電器製だ |
このイベントは9日の金曜日まで開催される。