伊藤忠テクノサイエンス(株)(CTC)は、米Solid Data Systems社の半導体ディスク製品『Solid State Disk Excellerator』を、日本市場向けに販売する契約を結び、販売を開始したと発表した。この製品はモデルにもよるが1GB以上のメモリーを搭載し、SCSIまたはFibre
Channelインターフェースを備えており、外付けHDDと同様に扱うことができる。価格は1GB製品が519万円から。
『Solid Disk Excellerator 800 Ultra』 |
米Solid Data Systemsは、'93年からハイエンドUNIX、米DEC社(現コンパックコンピュータ)向けに、データベースアプリケーションの処理速度向上を目的とした半導体ディスク製品を手がけ、現在までにインストールベースで1000台のシステムを販売しているという。
製品について説明した米Solid Data Systemsのマーケティング担当副社長マイケル・ケーシー(Michael
Casey)氏によると、現在のe-commerceシステムにおいては、プロセッサーやソフトウェアの処理能力が向上し、ネットワーク機器も高速化され、ストレージにおいてもHDDは大容量化、高回転化によりデータ転送速度は高くなっている。しかし、メッセージングサービスやデータベースでは、トランザクション処理にさらに高速性が要求されているが、ディスクキャッシュを搭載してもほとんどのシステムではI/Oウエイトが発生して、大きなパフォーマンスの向上は望めないという。また、CPUやHDDを増設した場合は、サーバー自体の処理能力は向上しても、ディスクI/Oがボトルネックになってしまう。
Solid Data Systems、マーケティング担当副社長のマイケル・ケーシー氏 |
これに対し、すべてメモリー(DRAM)で構成されたSolid State Disk(SSD)を使用して、データベースのインデックスファイルやメッセージキューイングなどのアクセス頻度の高いファイルを同製品上に置くことで、サーバーのスループットを高め、システムのパフォーマンスの向上が図れるとしている。
Solid State Diskは、DRAMにより構成されたメモリーアレイボード(1枚あたり約1GB=1072MB)を増設することで、『Solid
Disk Excellerator 800 Ultra』で最大約5GB、『Solid Disk Excellerator 1000 Ultra』では最大約17GBまで拡張できる。データアクセス速度は14μsとHDDの平均アクセス時間6~8msと比較して、格段に高速となっている。筐体内部には二重化電源、バックアップバッテリー、バックアップHDDを備え、停電時にはバッテリーで動作してバックアップHDDにメモリー内容を待避できる。
今年の第2四半期中にメモリーボード1枚あたりの容量が倍になり、最大で約34GBまで拡張可能となる。また19インチラックに入る、高さ1Uの製品(容量約2GB)の製品も予定されている。
CTCでは、キャパシティーよりもパフォーマンスが第1に要求される、金融市場の為替情報のトランザクションシステムやテレコム市場向けを中心に販売を行ない、初年度200台(約10億円)の売り上げを目指すとしている。