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“Justy”ブランドのトライコーポレーションが自作パーツ展示会を開催――『Voodoo5』が日本初公開

2000年04月12日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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“Justy”ブランドでDOS/V自作パーツを販売する(株)トライコーポレーションは12日、“PC DIY 新製品発表会”を都内で開いた。同社社長の田中良一氏は、自作ブームに乗って業績が好調に伸びていることを強調。年内にはアジア市場での販売を本格的に展開する方針を明らかにした。会場では協賛企業が展示を行なった中、米3dfx Interactive社の最新グラフィックスアクセラレーター『Voodoo5』が日本初公開され、特徴であるハードによるリアルタイムアンチエイリアシングの効果をPRしていた。発売は5月下旬の予定。

都内で開かれた“PC DIY 新製品発表会”
都内で開かれた“PC DIY 新製品発表会”



同社はJustyブランドのキーボードや“PC D.I.Y. Products”ブランドで自作パーツを販売している。発表会は単独では初めての開催。同社製品のほか、国内や台湾などの協賛企業26社が展示を行なった。

左からトライコーポレーションJUSTY営業部取締役部長の千味武裕氏、同社長の田中良一氏、同商品部長の利倉正実氏
左からトライコーポレーションJUSTY営業部取締役部長の千味武裕氏、同社長の田中良一氏、同商品部長の利倉正実氏



社長の田中良一氏は、「自作専門パーツを集約して全国の量販店でコーナー展開してもらう試みとして、'97年にPC D.I.Y. Productsを始めた。当初は『パーツは秋葉原でしか売れないのでは』などと社内でも激論が交わされた」と振り返る。「新市場を創設する」との意気込みで、販売店やユーザー向けに自作教室を開くなどの販売努力が功を奏した。田中氏は「今ではブームに乗って販売も拡大している。私たちが子供のころ真空管ラジオを作ったように、子供たちにも自作の喜びを広げたい」などと語った。

またコンピューター用ケーブルのOEM供給が好調で、ソニー(株)や松下電器産業(株)ら大手20社に納入しており、安定供給により経営のもう一つの柱に据える。現在は中国の自社工場で月産40万本を生産しているが、年内に第2工場を新設して生産量を引き上げる。また物流を(株)日立物流と提携して同社の物流網に一本化、メイン倉庫を国内から中国に移し、アジア市場での小口の販売にも対応していく方針だ。

昨年の売上40億5000万円に対し、OEMの好調な伸びとマーケットの拡大を見込んで今年は約50パーセント増の60億円を売上目標に掲げた。うちPCパーツは12億円を見込んでいる。

トライコーポレーションでは台湾メーカーらから供給を受けたパーツを、ブランドを一本化して販売している。こちらはカラフルなCPUクーラー。青や赤などマザーボードの基盤の色もカラフルになっている現在、見えないところのオシャレも大切か
トライコーポレーションでは台湾メーカーらから供給を受けたパーツを、ブランドを一本化して販売している。こちらはカラフルなCPUクーラー。青や赤などマザーボードの基盤の色もカラフルになっている現在、見えないところのオシャレも大切か



トランスルーセントなリムーバブルケース。IDE対応
トランスルーセントなリムーバブルケース。IDE対応



Justyといえば、自作派にはキーボードでおなじみ。省スペースタイプから“インターネットボタン”が付いた多機能タイプまでラインアップは幅広い
Justyといえば、自作派にはキーボードでおなじみ。省スペースタイプから“インターネットボタン”が付いた多機能タイプまでラインアップは幅広い



自作にハマるとお世話になることも多くなる小物パーツ。PC D.I.Y. Productsブランドは、CPUとメモリー以外は何でも取りそろえている
自作にハマるとお世話になることも多くなる小物パーツ。PC D.I.Y. Productsブランドは、CPUとメモリー以外は何でも取りそろえている



会場では、同社に製品を供給しているメーカーら26社が協賛の展示を行なった。その中で、ニチメン電子部品(株)のブースでは、なんと米3dfx Interactive社のグラフィックスアクセラレーター『Voodoo5』のデモが行なわれていた。日本に到着したばかりの開発途中品だが、国内での公開はこれが初めてだ。

Voodoo5 5500 AGPの開発途中品。2つのチップにそれぞれクーラーが取り付けられている
Voodoo5 5500 AGPの開発途中品。2つのチップにそれぞれクーラーが取り付けられている



“プロのグラフィックアーティストと究極を目指すゲーマー向け”という同製品は、マルチチップによる描写能力の向上が可能。4チップ搭載時には毎秒1.47Gピクセルというフィルレートが得られるという。

さらにハードウェアによってフルスクリーンのリアルタイムアンチエイリアシングを行なう点が特徴。会場では『電車でGO!』を利用したデモが行なわれていたが、『Voodoo3 3000 AGP』と比べ、地面や遠景など全体の描写の滑らかさの違いは一目瞭然だった。



Voodoo3の描写(上)に比べ、Voodoo5(下)では線路上の石のツブツブがより細かく滑らかな感じになっている
Voodoo3の描写(上)に比べ、Voodoo5(下)では線路上の石のツブツブがより細かく滑らかな感じになっている



発売が遅れているのは1400万トランジスターというコアチップの量産に手間取っているためという。気になる国内発売は5月下旬を予定。当初は2チップ、64MBのSDRAMを搭載した『Voodoo5 5500 AGP』のみ。日本語ドライバーと日本語マニュアルが添付される。価格は未定。その後メモリーが32MBの『同5000 AGP』、1チップの『同4500 AGP』が発売される。

さらに6月には、Macintosh用のVoodoo5も発売される予定。ファームウェア(BIOS)をMacintosh用に変えただけで、ハードウェアは同じ。

製品ボックスのイラストは例によって恐い人の顔
製品ボックスのイラストは例によって恐い人の顔

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