三井物産(株)、(株)千趣会ほかは16日、“株式会社キュリオシティ”の設立を発表した。三井物産では'95年からCD-ROMとインターネットを連携させた仮想都市“キュリオシティ”を運営してきた。今回、そこで得たノウハウや資産と、出資する各社の持つリソースを新会社に集約し、日本最大級のショッピングポータルを目指していくという。
新会社に出資するのは、三井物産、千趣会、(株)さくら銀行、三井情報開発(株)、(株)エム・ヴィー・シーの合計5社。資本金は4億9000万円で、三井物産が82.5パーセント、千趣会と三井情報開発が5パーセントずつ、さくら銀行が4.5パーセント、エム・ヴィー・シーが3パーセントを出資している。代表取締役社長には、三井物産でキュリオシティのプロデューサー、プロジェクトリーダーを務めてきた西澤泰夫氏が就任した。同社は三井物産系列で初めて、ストックオプション制度を導入する予定という。
新会社に出資する企業の面々と西澤社長。エム・ヴィー・シー代表取締役社長の須賀等氏、さくら銀行常務取締役の石川博一氏、三井物産取締役情報産業本部長の槍田松瑩氏、キュリオシティの西澤社長、千趣会代表取締役副社長の行待裕弘氏、三井情報開発代表取締役社長の宮本進氏(左から) |
各社は、三井物産がこれまでのノウハウとプラットフォーム、ビジネスインフラを、千趣会はカタログ販売のノウハウ、さくら銀行は電子決済機能、三井情報開発はシステム開発やサーバー運用といったノウハウをそれぞれ持ち寄る。エム・ヴィー・シーはベンチャーキャピタルで、経営や上場のノウハウを提供する。
西澤氏は「ショッピングモールはテナントや商品を多く集めるだけではだめ。ユーザーに夢を与えファンを育てていくことで、ブランドを確立できる」と、これまでに培ったノウハウを披露。「大企業のリソースをベンチャー型の会社に結集して、スピードある経営を行なっていく」と抱負を述べた。
キュリオシティの西澤社長 |
「初年度の目標売上げは5億円。ショッピングモールの総通販取り扱い額が30億円」と目標をあげ、「主婦層をメインにお客様第一主義で運営していく。千趣会のカタログ制作、商品選択のノウハウをフルに活用させていただく」と、千趣会の通販カタログのノウハウを活かして、主婦層を取り込んでいく方針だという。
ほかに、携帯端末も将来的にはサポートしていく方向であることや、出資の会社だけ固まるのでなく、AOLなど出資の会社以外との連携も検討していることなどを質疑応答で明らかにした。