このページの本文へ

コンパック、スマートカードリーダー内蔵キーボードやSSL暗号処理アクセラレーターなどセキュリティー関連製品を発表

2000年02月15日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

コンパックコンピュータ(株)は15日、ネットワークセキュリティー関連製品を発表し、都内で発表会を開いた。スマートカード(ICカード)を利用した情報セキュリティー管理システムに力を入れ、カードリーダーやリーダー内蔵キーボードなど5製品を発売する。加えて、公開鍵方式の暗号プロトコルであるSSLの計算処理を支援する、サーバー向けアクセラレーターもリリースされる。同時に、アクセント・テクノロジーズ(株)とエントラストジャパン(株)と提携し、両社のセキュリティー関連製品の販売を開始すると発表した。

『Compaq スマートカード リーダ』 『Compaq スマートカード リーダ』



スマートカード関連製品は、パソコンに接続して使用するカードリーダー『Compaq スマートカード リーダ』(4800円、2月15日出荷開始)、リーダーをフルサイズのキーボードに内蔵した『Compaq スマートカード キーボード』(6800円、2月15日出荷開始)、リーダーにマイクロプロセッサーを搭載し、暗号化と復号化をハードウェアでサポートする『Compaq 拡張スマートカード リーダ』(1万2000円、4月下旬出荷開始)、『Compaq 拡張スマートカード キーボード』(1万2000円、3月下旬出荷開始)、PCカード(Type II)用リーダー『Compaq PCカード スマートカード リーダ』(2万5000円、2月下旬出荷開始)の5製品。

『Compaq スマートカード キーボード』 『Compaq スマートカード キーボード』



スマートカードはISO7816準拠のものに対応。現在、仏ジェムプラス社と米Schlumberger社のスマートカードが使用でき、大日本印刷(株)の製品を検証中という。パソコンとの接続は、単体リーダーはシリアルポート、リーダー内蔵キーボードはシリアルポートとPS/2ポートを使用する。マイクロプロセッサー内蔵タイプはRSA方式の公開鍵暗号やDES方式の秘密鍵暗号に対応。ハードウェアによる暗号処理をサポートすることで電子商取引(EC)におけるトランザクションを高速化するという。

同社では、これらの製品は他社製品と比べて安価な上、同社の指紋認証システムなどと組み合わせたシステム構築が可能な点が特徴としている。社員各自が持つスマートカードを差し込まないとパソコンが起動しない、といった形で製品を利用することで、企業の機密情報を保護できるとしている。

『Compaq AXL200アクセラレータPCIカード』 『Compaq AXL200アクセラレータPCIカード』



同時に発表された『Compaq AXL200アクセラレータPCIカード』は、SSL暗号化処理をサポートするサーバー向け製品。SSLはウェブブラウザーに組み込まれた標準的な暗号プロトコルとして幅広く利用されている。だがクライアントがサーバーに接続する際、プロトコル確立のためにサーバー側で大量のべき乗計算を行なう必要があり、そのため一時に処理できるクライアント数が限られてしまう。同製品はこの処理をハードウェアで支援するもので、6個のべき乗計算ユニットと4個のVLSIで処理することで大幅なパフォーマンスの向上が可能という。

同社によると、一般的なサーバーが毎秒10接続が限界なのに対し、同製品を搭載したサーバーでは毎秒240接続に対応することができるという。同社では、サーバー増設に比べ、管理が簡単でコスト面でも優れているとしている。出荷開始は3月中旬で、価格は62万5000円。

同社では、これらハードウェアに加え、アクセント・テクノロジーズとエントラストジャパンと提携して両社のセキュリティー製品販売に乗り出す。対象となるのはアクセント・テクノロジーズのファイヤーウォール製品やVPN(Virtual Private Network)製品と、エントラストジャパンの公開鍵インフラ『Entrust/PKI』。コンパックのサーバー製品と組み合わせ、パッケージとして提供していく方針だ。

また同社のパートナー組織“NSeB(NonStop eBusiness)コンソーシアム”の中に認証システムワークグループを設立し、共同で企業向けシステムの開発に当たると発表した。参加企業は、アクセント・テクノロジーズとエントラストジャパン、(株)ネットタイム、(株)ノベル。

左から、コンパックコンピュータコマーシャルビジネス統轄本部デスクトップ製品本部長の岡隆史氏、同社エンタープライズビジネス統括本部エンタープライズ製品本部タンデム製品部長の岩宮好宏氏、同社ソリューション企画推進本部インターネット企画部の栗田晴彦氏、アクセント・テクノロジーズ社長の伊藤一彦氏、エントラストジャパン取締役の望月眞澄氏
左から、コンパックコンピュータコマーシャルビジネス統轄本部デスクトップ製品本部長の岡隆史氏、同社エンタープライズビジネス統括本部エンタープライズ製品本部タンデム製品部長の岩宮好宏氏、同社ソリューション企画推進本部インターネット企画部の栗田晴彦氏、アクセント・テクノロジーズ社長の伊藤一彦氏、エントラストジャパン取締役の望月眞澄氏



発表会で、同社コマーシャルビジネス統轄本部デスクトップ製品本部長の岡隆史氏は、「スマートカードは、セキュリティー関連技術の中でもっとも成長が期待される分野。高いコストパフォーマンスと、指紋認証システムなどとの組み合わせ、パートナーとの共同システム開発などで他社製品と差別化していく」と述べ、スマートカードをベースとしたセキュリティー関連事業に本格的に乗り出していくとした。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン