日本SGI(株)は、大型スクリーンを利用して高品質の映像を多人数が同時に体験できるシステム『リアリティセンタ』と、ヤマハ(株)の立体音響システム『Octaphonic(オクタフォニック)』を組み合わせた『オクタフォニック・リアリティセンタ』の特別公開実験を実施した。
『オクタフォニック・リアリティセンタ』の特別公開実験で紹介された、アーチ型大スクリーンを利用した3Dグラフィックス映像のデモンストレーション |
リアリティセンタは、同社のグラフィックススーパーコンピューター『Onyx2』を中核とする没入型ビジュアライゼーションシステム。Onyx2でグラフィック処理を行ない、生成した映像をプロジェクターに送信、大型スクリーンに映し出すというもの。3台のプロジェクターを利用し、複数の映像をあたかも1画面のように表示できる“エッジブレンダー”機能を搭載する。現在、製造/設計業でのデザインレビューや、医療現場での手術シミュレーション、教育など、多人数が1度に大画面で同じ映像を見る際のシステムとして利用されている。
リアリティセンタは見学者の前面に大型スクリーンを設置するため、音の乱反射現象が起こりやすい。ヤマハのOctaphonicは、8つのスピーカーを利用してそれぞれが音を再生することで、音の乱反射を防ぎ、臨場感のある立体的な音空間を作り上げることが可能という。
米SGI社のリアリティセンタプロダクトマネージャーであるFrank
McQuillan(フランク・マッキラン)氏は、「今回ヤマハとコラボレートできてうれしい。音と映像を組み合わせた新しいデモンストレーションを楽しめると思う。オクタフォニック・リアリティセンタのように臨場感のある共同作業環境は今後ますます必要となるだろう」としている。
米SGI社のFrank McQuillan氏 |
オクタフォニック・リアリティセンタに必要なハードウェアのサンプル価格は185万~240万円。
今回は関係者のみの特別公開実験であったが、同社は、オクタフォニック・リアリティセンタを利用したデモンストレーションを、一般ユーザーが体験できる機会を近々設けたいとしている。