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ネットワーク出版研究セミナー第6回“最新電子決済動向”開催

1999年08月30日 00時00分更新

文● 編集部 堀田ハルナ

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日本電子出版協会(JEPA)主催によるネットワーク出版研究セミナー第6回が、27日に開催された。今回のテーマは“最新電子決済動向 CyberCashとMediaGalaxy”で、講師は米国で14000サイト以上に利用されている電子決済システムを提供するサイバーキャッシュ(株)の営業企画部マネージャーである佐藤輝英氏と、大日本印刷(株)C&I企画開発センター、ネットワークソリューション企画開発室課長の米田孝三氏である。

サイバーキャッシュのオンライン決済システム

セミナーでは、サイバーキャッシュの佐藤氏から“セキュアクレジットカードサービス”の概要が説明された後、このシステムを利用した大日本印刷(株)の事例が紹介された。

サイバーキャッシュ(株)営業企画部マネージャー佐藤輝英氏
サイバーキャッシュ(株)営業企画部マネージャー佐藤輝英氏



まず佐藤氏は、米サイバーキャッシュ社の最新サービス“InstaBuy”を紹介した。この新サービスは、購入のたびにカード情報を入力する手間を省き、ワンクリックでショッピングを可能にするというものだ。これは金融機関と提携し、顧客情報をストックすることによって可能になった。日本ではまだ採用されていないサービスだが、同社では今後電子決済方法の主流になると見て、米国での動向を参考に検討してきたいという。

つづいて、サイバーキャッシュで提供する“セキュアクレジットカード・サービス”を説明。これは、同社がインターネットショップとクレジットカード会社を仲介し、商品選択・購入情報などの入力や、与信処理、商品配送、売上を代行するというサービスである。同社のホームページから無料でダウンロードできるサーバーソフトウェアを、サーバーにインストールすることで、簡単かつ安価でオンライン決済が可能になるという(初期手数料10万円、月次2万円、売上の0.4%+1件15円)。

日本におけるECビジネスは、まだ過渡期にあると佐藤氏は述べる。消費者が最も希望するのはクレジットカード決済だという調査結果がでているにも関わらず、インフラの整備が不十分だからだ。今後、簡単で安価な同社のサービスが普及することによって、インターネット上でのビジネスがさらに盛り上がれば、と期待を述べた。


大日本印刷の事例

大日本印刷、C&I企画開発センター、ネットワークソリューション企画開発室課長の米田孝三氏
大日本印刷、C&I企画開発センター、ネットワークソリューション企画開発室課長の米田孝三氏



次に米田氏が、同社が'95年に始めたインターネットサービス“MediaGalaxy”について説明した。'同サービスは95年に開設され、現在は(株)新潮社や(株)集英社などのコンテンツを作成したり、サーバーと回線を提供したりしている。このサービスのメインはサーバーホスティングであり、いくつかのコースを設けて企業のECサイトのサーバーを構築している。しかし同社がこのサービス形態に落ち着くまでに紆余曲折があったと、米田氏は語る。

同社では、'97年から'98年にかけて実験的にECGalaxyというモールを開設していた。しかし、モールシステムによる弊害が次第に明らかになってきた。例えば、各店舗のデザインが画一化されてしまい、個性が表現できない、モール内のコミュニティを形成・維持していくことが難しいといった問題点が露呈してきたというのだ。そこで同社では、個別の店舗に対応可能なビジネス形態として“ECソリューションサービス”を打ち出した。今年6月からMediaGalaxyでは、トップページのデザインもがらりと変え、それぞれの店舗に対して店舗画面を作成した。と同時にサイバーキャッシュのサービスを利用し、店舗の受注管理等を簡易化することが可能になったという。

最後に、4月に発足された“日本インターネット決済推進協議会”が紹介され、今後のインターネット決済の普及に大きな期待を寄せたいと締め括られた。

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