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インターネットを120%活用した通信教育システム--セコムラインズ“電塾

1999年07月16日 00時00分更新

文● 聞き手/文:船木万里、聞き手:編集部 中野潔

小・中学生向けに、インターネットを使った在宅学習指導システム“ラインズ先生・電塾”を構築し、評価が高まっているセコムラインズ。今回は、電塾事業グループのグループリーダーを務める今井和成氏に、お話を伺った。

セコムラインズ(株)の電塾事業グループ グループリーダー、今井和成氏
セコムラインズ(株)の電塾事業グループ グループリーダー、今井和成氏



インターネットでの教育システム“電塾”

--“電塾オープンカップ”と題して、7月3日からインターネット上でオンラインクイズが始まりましたね。毎週末に発表されるクイズ問題に、親子で挑戦するというスタイルですが、エントリー数はいかがですか?

「予想をはるかに上回る数で、正直言って驚いています。最初は、5名に月間MVP賞を予定していたのですが、1日に1000を越すエントリーがあるので、月間ではあまりに当選確率が低くなりすぎます。急きょ、週間MVP賞に変更しました」

--このイベントは、どういう意図で始められたのですか?

「このクイズには、自分のアドレスがあればどなたでもエントリーできます。1等賞品は、ソニーのロボット犬『AIBO』です。誰もが興味を持ち、気軽に参加できるオンラインイベントを通じて、“ラインズ先生・電塾”に興味を持ってもらえれば……と」

“電塾オープンカップ”のロゴ
“電塾オープンカップ”のロゴ



「インターネットを利用した教育という概念を、お子さんをお持ちの方はもちろん、一般の人々にも知ってほしい、そして根付かせたいと思っています」

--“電塾”のような学習システムは、いつごろからですか?

「“ラインズ先生・電塾”の前身とも言えるパソコン通信を利用した通信教育システムは、'94年ごろからです。けれども、そもそもの始まりは'83年、今から15年以上前です。学習塾の中でパソコンを使って教材を作り、利用し始めたのが最初なんです。ツールも先行する人もいなかったので、大変だったようです。その後、独自のサーバーを立ち上げて、教室内LANによる学習指導システムを作っていきました。'86年ごろからは、学校向けの教育用ソフトの開発にも取り組み、実際に納入し始めました」

--10年以上前ですね。

「そう、そのころはまだパソコンのない学校も多く、教職員の先生方もパソコンの扱いに慣れていない。学校で、使い方の講習会を開いたりもしました。それでも、当時でも100校以上に納入したと思います」

「その後、'92年にセコムグループに入り、教育事業部門を担うグループ会社としてセコムラインズ(株)を設立しました。そして、現在の“電塾”の基礎となる、パソコン通信を利用した在宅学習サービスを本格展開したのです。また、学校教育用ソフトもバージョンアップを重ね、現在は全国の公立の小・中・高等学校、合計4000校以上に、ソフトを導入していただいています」

“電塾”のロゴ “電塾”のロゴ



「しかし、インターネットやパソコンを使った教育システムへの、一般の認知度はまだまだ、という状況です。これを打破するためにも“ラインズ先生・電塾”を今後もプロモートしていきたいと思っています」

オンラインコミュニケーションは教育の新しい形

--“電塾”は、インターネットを利用しながらCD-ROMの教材で学習を進めるというシステムだと伺いました。スクーリングなどオフラインで、生徒同士や先生が実際に集まるイベントはあるのですか?

「オフラインでの集合教育は、今のところ考えていません。我々は現在、教科書に合わせた教材をご用意し、わからない点は、生徒の要望に応じて先生がフォローするという、利用者に合わせたサービスを提供しています。これは、データベースを利用し、オンラインで学習指導するというシステムがあるからこそ、成り立っているわけです」

「集合教育の形を取ると、先生と生徒との関係性に関する各講師の考え方があらわになってしまうのです」
「集合教育の形を取ると、先生と生徒との関係性に関する各講師の考え方があらわになってしまうのです」


「しかし、例えば講習会などを開いて集合教育の形を取ると、それぞれの講師の固有の教育観が出てきます。私語や遅刻への対処の際に、“こうあるべきだ”という形を示すことになり、先生と生徒との関係性に関する講師の考え方があらわになります。ふだんのサービスとは、価値観が逆になってしまう可能性が出てきます」

「あくまでも“電塾”は個人に合わせた学習システムということでご利用いただいているのですから、やはりオンラインでのサービスのみに的を絞っていきたいと思っています」

--なるほど。では、“電塾”会員として、実際に顔を合わせる機会はないのですか。

「そうです。しかし、逆に大人のほうが、オフラインでのコミュニケーションにこだわりすぎなのかも知れません。“電塾”には文通コーナーや掲示板を設けてありますから、そこで全国にメール友だちをつくれます。その気になれば、オンラインでの友人はたくさんできると思いますよ。先生とのやりとりも、メールでなんでも気軽に質問でき、24時間以内に答が返ってくるというシステムが整っています。しかも、何人もの先生の中から、生徒が自分で質問する先生を選ぶことができるのです」

--インターネットの特性を生かした教育サービスということですね。

「そうです。例えば生徒が1000人いるとします。人間の記憶だけに頼って、その個性や学力を把握し、1人ひとりに合った教材を作り、学力を伸ばしていくことは不可能です。しかし、データベースシステムを使えば、それが可能になるのです。コンピューターによるデータ管理と指導員による通信教育を組み合わせた、1人ひとりへのきめ細かい対応によって、学校での成績アップを目指します」

「人間の記憶で1000人の生徒の個性や学力に合わせた教材は作れませんが、データベースを使えば可能になります」
「人間の記憶で1000人の生徒の個性や学力に合わせた教材は作れませんが、データベースを使えば可能になります」



「生徒たちは1人、家でパソコンに向って勉強するわけですから、教材だけではつまらないと思うこともあるでしょう。しかし、質問をすればすぐに先生がメールで返事をくれますし、勉強した結果がその場で、全国レベルでの成績順位表に反映されます。自分でデータベースを検索し、ヒントを探すこともできます。加えて、メール友だちを見つけたり、会員同士がネット上のイベントで競い合ったり、という楽しさもあれば、自然に学習能力も上がり、インターネットを利用するという情報収集力も養われていくのではないでしょうか」

営業活動もインターネット利用で好調

--このような、パソコンやインターネットの利用は、教育関係だけではなく会社の営業面でも利用できそうですね。

「インターネットでの営業効率にはびっくりさせられました。それまでの“ラインズ先生”は、DOSのコマンドラインに似た方式でした。“ラインズ先生・電塾”でウェブベースにしました。今年の4月から“電塾”を本格的に始動するということで、2月、3月にネット上でプロモーション活動を行なったのです。このときのオンラインでの申し込み数が、多いときには1日で100~200件。それまで全国で活動していた多数の営業マンすべての、ひと月分の成約合計を軽く超えてしまいました」

“電塾パートナーズ”のロゴ
“電塾パートナーズ”のロゴ



「これには“電塾パートナーズ”の成果も大きいと思います」

--“電塾パートナーズ”とはどういうシステムなのですか。

「代理店のようなものです。ホームページにバナー広告を載せてもらい、クリックすれば“電塾”の申し込みページに飛べるようにリンクを張っていただく。そのページから来られた方が成約すれば、何パーセントかの報酬をお支払いするというシステムです。インターネットプロバイダーやパソコン販売店、パソコン塾などが、パートナーズの中心です。営業活動に関してはおまかせしています。詳しく説明を載せていただいているページもあれば、営業マンが自社の営業のついでにチラシを配ってくださるところもあるなど、さまざまです」

--営業成績においても、インターネットの力というものを再確認したということですね。

「ええ、ですから今までのような、セールスマンがパンフレットを配ったり説明会を行ったりするという形から、ネット上の代理店、つまり“電塾パートナーズ”によるリンクバナーへと、営業活動の形態も移行しています。学校関係の教材ソフトを扱う代理店は、継続して営業していますが」

--では、競合会社の状況はいかがですか?

「教育産業というマーケットは確かに、非常に大きいものではあります。しかし、パソコンを利用した在宅通信教育となると、小さな会社ができては消えていったり、大きな企業が参入しては儲からずにあきらめたりというような状況です。競合会社同士がシェアを争う、というところまでは、まだまだ、いっていないのが事実です。もちろん、CD-ROMの教材パックなど、違う形での競合商品はありますが……」

「しかし、我々としては教材そのものを重要視しているわけではないんです。もちろん教材の内容は厳しくチェックし、教科書に合わせた問題を作っています。しかし、教材の内容やインターフェース云々よりも、教材を道具にして、生徒や保護者の方々にどのようなサービスをオンラインで提供していけるのか、というシステム構成や人材の面で、勝負していくつもりです」

家庭全体でインターネット、パソコンを活用

--“電塾”に入会した生徒たちは、小さいころからインターネットを当たり前のように、道具として使いこなすことができるようになりますよね。

「しかし、保護者の方々が案外、パソコンに慣れていないという場合もあります。ですから、そういう方々も巻き込んで、インターネットの楽しさを味わっていただきたいと、保護者用のウェブマガジンや、メールマガジンもお届けしています」

--どういった内容なのですか。

「以前も、保護者向けにメールマガジンを発行していたのですが、教育に関する少々堅い話題が多かったので、今回リニューアルしました。誌名も、保護者の年齢層である30代、40代向けにということで『30♪40(サーティ・フォーティ)』と名付け、教育に関するコラムや趣味の話など、軽めの、楽しめる内容にしました。また、政治と教育の関わりなど教育関係の話題をまとめたニュースクリップとしては、ウェブマガジン『ラインズ通信』を、セコムラインズのホームページで公開しています」

『サーティ・フォーティ』のロゴ
『サーティ・フォーティ』のロゴ



「こちらからの発信だけではなく、保護者の方々同士がネット上でコミュニケーションを取れるような掲示板スペースなども用意し、親子どちらの世代にもインターネットの楽しさを味わってもらえるようにと考えています」

--なるほど。インターネットを利用した教育を、何も特別なものとは思わず、道具として親子ともにどんどん活用していってもらいたいということですね。

「そうです。セコムという会社は、警備、医療など、公共機関だけではカバーしきれない個々の要求に合わせたサービスを提供してきました。我々は、そのグループの一員として、教育事業部門を担っていますから、生徒1人ひとりのニーズに合わせた学習指導システムを、これからも実現させていきたいと思っています。そのためにも、インターネットという道具をご家庭でもしっかり使いこなして、我々の提供するサービスを100パーセント享受していただきたいですね」

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