ノキア・ジャパン(株)は、ファイヤーウォール、VPN(Virtual Private
Network)、ルーターの機能を統合したIPセキュリティー製品『ノキアIP330』、『ノキアIP650』を発売した。価格はそれぞれオープンプライス。推定小売価格は、IP330が100万円前後、IP650が350万~600万円程度(オプションによって異なる)という。
『ノキアIP330』 |
従来、ネットワークを構築するには、インターネットルーター、暗号化装置、ファイヤーウォールを個々に導入しなければならなかった。
それに対し両製品は、ファイヤーウォール とVPN、ルーターといった、ネットワークセキュリティーに必要な機能を、専用ハードウェアにまとめて実装したもの。イスラエルのチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ社が開発した企業向けセキュリティーシステム『FireWall-1』を専用ハードウェアに搭載し、これをルーター等と一体化させている。本体は19インチラックマウント型。
機能の統合化により、システム導入作業や運用管理が容易になり、コストも削減できるという。遠隔操作も可能で、営業所などネットワーク管理者のいない遠隔地に設置した場合でも、センターの管理者がリモートで設定や管理を行なえる。
IP330はスモールオフィス向けのコンパクト設計モデル。10/100M自動認識ポート×3、コンパクトPCIアダプタースロット×1を装備する。本体サイズは幅430×奥行き410×高さ45mm、重量は約5.4kg。
IP650は、通信業者やプロバイダー業者といったキャリア向けの最上位機種。CPUにPentium
II-450MHzを搭載し、10/100M自動認識ポート×4、コンパクトPCIアダプタースロット×5を装備。本体サイズは幅430×奥行き460×高さ90mm、重量は約16kg。
『ノキアIP650』 |
フィンランドのノキア・テレコミュニケーション社IPソリューショングループのディレクターKevin
Jones(ケビン・ジョーンズ)氏は、「インターネットがビジネスで使われるケースが増えてくるに伴い、セキュリティの重要性がさらに高まってきた。また今後は専用線よりも運用コストが安いVPNが急速に普及すると思われる」
「今回の製品はファイヤーウォールとルーター、VPNをワンボックスにしたもの。統合製品の利点として、導入するまでの時間が短縮でき、運用管理も容易なことが挙げられる。初めからセキュリティーを目的に設計しているので、Windows
NT等よりもセキュリティー面で優れているのは当然のこと」としている。
Kevin Jones氏とノキア・ジャパンのIPソリューションズグループシニアテクニカルコンサルタントである安藤正之氏 |