*米リバレート・テクノロジーズ社は1日、都内のホテルで記者発表を行ない、家庭用TVに接続して、TVとインターネットの機能を統合したサービスを提供するセットトップボックス『NCTV』用最新ソフトウェアの日本語版のデモンストレーションと、出荷計画を明らかにした。また、あわせて、JA長野県グループがNCTVを地域イントラネット端末の推奨機器として認定したと発表した。
*米(Liberate Technologies)社:旧ネットワーク・コンピュータ社(Network
Computer, Inc.)(NCI)。'96年に米オラクル社の子会社として設立された情報機器向けソフトウェア開発会社。その後、米Navio
Communications社と合併し、今年の5月18日(現地時間)に社名変更を行なった。
「NCTVのコンペティターはみな脱落し、独走状態に入った」という日本オラクルの佐野代表取締役社長 |
リバレート・テクノロジーズ社のミッチェル・カーツマン(Mitchell E. Kertzman)社長兼CEO |
席上、挨拶に立った日本オラクルの佐野力代表取締役社長は、「このNCという世界は、最初からきびしい戦いになると予想していた。トライアスロンに例えると、いまは水泳が終わったところだが、気がついてみると他のライバルは溺れ死んでいたという状況で、NCTVが独走態勢に入った」と述べ、自信を見せた。
NCTVの日本での実績として、三井不動産が東京の北大塚に建設中の分譲マンション全戸(224戸)への納入、東京大学へのコンピューター学習用としての1600台の納入を挙げた。東京大学への納入例では、1600台3万ユーザーの管理が6人ででき、「60台のパソコンの管理とほぼ同じ手間で、TCOの削減に成功したと非常に好評」(佐野社長)であるという。また、本日付けで、JA長野県グループがNCTVを長野県地域のイントラネット“アグリネット”端末の推奨機器として認定したと発表した。この機器の選定に当たっては、『WebTV』ほか、インターネットセットトップボックスを国内で販売するほとんどの企業と競合したが、NCTVのインターフェースなどが評価されたという。また、日本でのハードウェア出荷台数は1万台、ライセンスとしては2万ライセンスとなっていることも明らかとされた。
リバレート・テクノロジーズのカーツマン社長兼CEOは「我が社のミッションは、インターネットを電気のように日常的なものにする新しい情報家電や、インターネットと放送を融合させる新機能TV“Enhanced
TV”といった、新しいプラットフォームに対してオープンスタンダードな技術に準拠した、最先端のソフトウェアを提供すること」と述べ、TV用セットトップボックス向けの『TV
Navigator』のほかに、ゲーム機や携帯情報端末向けの『eNavigator』を提供していくことを明らかにした。ただし、そのeNavigatorの詳細については「まだ発表の時期でない」と、明らかにはされなかった。
続いて行なわれた最新ソフトウェア『Liberate TV Nabigator for ISP 2.2J』(NCTV端末用)、『Liberate
Connect for ISP Suite 1.5J』(サーバー用)のデモンストレーションでは、新たにサポートされる『Macromedia
Flash』の再生や、ソフトウェアキーボード、ビデオメールのサポート、VBI(垂直帰線消去期間)を利用した情報の表示などが披露された。新バージョンのそのほかの特徴としては、128bitSSLサポート、ICカードの対応などがなされた。また、すでに出荷済みのNCTVにおいても、ISP側からソフトウェアのアップグレードが可能という。最新ソフトウェアは第3四半期から、出荷される予定。