『IBM WorkPad c3』左に開いた液晶カバーは、取り外したり右側に付けることも可能 |
日本アイ・ビー・エム(株)は、アルミダイキャスト筐体(きょうたい)を採用した、薄型・軽量の新モデル『IBM
WorkPad c3』を発売した。価格はオープンプライス。
このWorkPad c3は、米Palm Computing社が発売している『Palm V』の日本語版にあたる製品で、2月に発表された『IBM
WorkPad』がプラスチック筐体であったのに比べ、アルミダイキャスト製で高級感のある仕上がりだ。サイズは厚みがほぼ半分、重さもおよそ3分の2と、薄型で軽量になった。液晶はわずかに小さくなり、温度変化などにより濃さにムラの出にくい、より視認性の高いものになっている。
WorkPadと並べてみた。厚みを除いて最大外形サイズはそれほど変わらないはずだが、WorkPad c3の方がかなり小さく見える |
ただし、内蔵メモリーはWorkPadの4MBから2MBに減り、内部のI/Oスロットも省略されている。また、電源は単4電池から、内蔵リチウムイオン充電池になった。
主な仕様をWorkPadと合わせて表に示す。
製品名 |
WorkPad(8602-30J) |
WorkPad c3(8602-40J) |
CPU |
Motrola DragonBall-EZ(68EZ328)-16MHz |
|
メモリー |
4MB(DRAM)、2MB(Flash) |
2MB(DRAM)、2MB(Flash) |
ディスプレー |
160×160ドットモノクロ液晶 |
160×160ドットモノクロ液晶 (ただし、新型液晶) |
内部I/Oスロット |
1 |
なし |
インターフェース |
シリアル、IrDA |
|
電源 |
単4アルカリ電池×2 |
内蔵リチウムイオン充電池 |
駆動時間 |
2ヵ月 |
2週間 |
サイズ |
幅81.97×奥行き119.7×高さ17.8mm |
幅79×奥行き115.5×高さ11.35mm |
重さ |
162g |
119g |
OS |
日本語Palm OS ver.3.1 |
なお、『IBM WorkPad c3』のIBM PCダイレクト価格は5万4800円。出荷開始予定は5月21日。
発表会でWorkPad c3を使ってプレゼンテーションを行なう日本IBMの堀田取締役 |
また、本日行なわれたWorkPad c3の発表会では、従来のWorkPadの内部I/Oスロットに装着するPHSカードが開発中であることが明らかにされた。このPHSカードはPIAFS
32Kbpsでのデータ通信が可能で、今年の第4四半期(10~12月期)に発売の予定。製品発表後に、PIAFS
64Kbpsへのアップグレードも予定されているという。PHSキャリアーについては主要なキャリアーと交渉中ということで、具体的には明らかにされなかった。また、WorkPad
c3ではI/Oスロットがないが、背面に装着する形状をした同様の製品も予定されているという。
このほか、NTT移動通信網が6月以降に全国で販売を予定している、フィンランドのノキア社製のIrDA通信ポートを持つ携帯電話による通信や、NTTのIrDA通信ポート付き公衆電話などを経由してのネットワークへの接続についても説明が行なわれた。
サードパーティー製のものとしては、現在WorkPad用にアイ・オー・データ機器から発売されているSnapConnectのWorkPad
c3対応版が第3四半期に出荷される見通しという。また、NTT移動通信網のDoPaや日本移動通信(株)のcdmaOneなどのパケット通信方式のサポートについては、現在はハードウェアが大きくなるため予定はないが、将来は検討していきたいとのことであった。
さらに同社では、WorkPad用の周辺機器やアプリケーションなどの開発を支援する目的で、技術情報や稼動確認などの技術サポートを提供する『Palm
Computingソリューション・センター』を、20日に東京都港区青山に開設すると発表した。
本日発表のc3のオプション製品
製品名 |
価格 |
発売日 |
『WorkPad c3スタイラス』(3本セット) | 1800円 | 5月14日 |
『WorkPad c3クレードル』 | 1万1500円 | 5月14日 |
『WorkPad c3スリムレザーケース』 | 4300円 | 6月10日 |
『WorkPad c3インターナショナルモデム』(33.6Kbps) | 3万5800円 | 6月10日 |
『WorkPad c3トラベルキット』(HotSyncケーブル、充電器、プラグアダプターのセット) |
9800円 | 6月10日 |