2月12日、東京・市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷にて、“Open Data
Warehouse Forum '98”が開催され、日本ユニシス(株)のサーバ企画推進部
DSS推進室長前田耕一氏、米サン・マイクロシステムズ社のディシジョン・ウェアハウス・セールス・サポート・センタ
シニア・マネージャDouglas Hill氏、日本オラクル(株)の製品事業本部サーバ営業部データウェアハウス担当マネージャ平井明夫氏がそれぞれ講演を行なった。ユニシス、サン・マイクロシステムズ、オラクルの3社は共同で、データウェアハウスの普及を推進していくという。
“データウェアハウス”とは、企業などの基幹系システムに蓄積された膨大なデータや外部のデータを全社で活用できるように一貫性のあるデータに変換・蓄積し、一元的に管理したデータベースで、詳細データ、集約データ、時系列データなどが最適化されて収納してあるのが特徴。また、“データウェアハウス”に対するユーザーの増加やニーズの多様化に対応するために、ユーザーグループごとにデータウェアハウスの一部を切り出し、ユーザーが使いやすい形式に加工・変換したデータベースを“データマート(Data
Mart)”という。
●“データウェアハウス・アーキテクチャから見たデータウェアハウスの発展”
前田耕一氏の“データウェアハウス・アーキテクチャから見たデータウェアハウスの発展”と題した講演は、“データウェアハウス”および“データマート”の基本的な説明や今後の課題が中心の話となった。特に今後の課題として、ユーザー数の増加によるクライアント側ツールの購入費および保守管理費の増加がある。また、データ量の増大による利用者グループや地域分散に対する対応やデータ管理コストの増大も挙げられる。そして、ニーズの多様化により、それに合わせたツールの選定の必要やツール教育時間とコストの増加などもある。
これらの課題を解決するためにはインターネットおよびイントラネットを利用した“Web
Based Data Warehouse”が「無視できない」という。Webサーバー上にクエリーエンジンを置き、データウェアハウスとSQL文でやりとりし、クエリーの結果からHTMLを作成することで、クライアント側ではWebブラウザーのみで、データの表示や分析が可能となる。
JavaアプレットやActiveXを使うことにより、ダイナミックな分析も可能で、特にJava環境では、複数のプラットフォームで分析ができる。また、将来的には、サーバー部分も含めてすべてJavaで作られた環境を考えているという。ActiveXとの競合については、インタープリター方式でないためJavaより高速であるといった長所や、そのためにリアルタイム・ロード向きでないといった短所などをあげ、「勝敗はユーザーのみなさんが決めること」と、最後はユーザーの判断に任せる姿勢を見せた。
●“SunプラットフォームによるWeb Based Data Warehouse”
Douglas Hill氏の“SunプラットフォームによるWeb Based Data Warehouse”と題した講演は、米サン・マイクロシステムズ社のデータウェアハウス事例とディシジョン・ウェアハウス・セールス・サポート・センターの話題が中心となった。同サポート・センターでは、“マイクロ・パイロット”というより実環境に即したベンチマークテストにより、実際の使用環境に近いデータが得られ、データ・ウェアハウスの導入時の参考となる。
また、同サポート・センターは、今年の春には日本にも設立され、日本ユニシスおよび日本オラクルと共同でサポートを行なっていくという。具体的なサポートの方法などは明らかにされなかったが、同氏は「パートナーシップにより、すばらしい製品の提供ができる」としており、今後は共同でのアプリケーション開発も期待される。
●“Oracle8で構築するWeb Based Data Warehouse”
最後に、平井明夫氏が“Oracle8で構築するWeb Based Data Warehouse”と題して講演を行ない、『Oracle8』を使ったデータウェアハウスのデモなどが行なわれた。『Oracle8』と『Oracle
OLAP Server』、そしてCGIで作られた『Oracle Express Web Agent』を利用することで、ブラウザー上からデータの分析や次元交換などが行なえる。同氏は「今後はJavaベースも含めてサポートしていく」としており、今後はさらに高度な機能が付加されていくだろう。
今回のフォーラムは、第1回目ということもあり、各氏の講演は、自社でのデータウェアハウスについての話が中心だったが、Javaだけでなくデータベースの分野での協力関係は、明らかに対マイクロソフトを考えてのことであろう。今後は両陣営から良質なソフトがリリースされ、最後は「勝敗はユーザーのみなさんが決めること」となるのを期待する。(報道局 中山実)
http://www.unisys.co.jp/
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