一方で、本システムには紙の文書をデータ化するという、重要な要件がある。基幹センターということで都道府県の各支部からの文書も日赤中央血液センターに集まってくるのだが、現在も多くは郵便やFAX等紙がベースになっている。また、新聞や雑誌などの切り抜き等をニュースや参考資料として利用することも多い。このため、中央血液センター内で情報共有するためには、紙からデータ化する仕組みが必要だった。
中央血液センターでは、富士ゼロックスのネットワーク対応デジタル複合機「DocuCentre 250」2台、および電子文書ソフト「DocuWorks」を利用して、紙媒体のデータ化とともにファイルフォーマットの統一(DocuWorks文書:XDWフォーマット)を図っている。電子文書といえばやはりPDFが有名だが、この事例ではPDFのように見栄えの良さや各プラットフォームでの互換性より、手間をかけずにデータ化すること、あるいは複合機のスキャナ機能との親和性から、手軽なDocuWorksを採用した。DocuCentreではスキャンされたデータは、接続されたWindows PCに送られDocuWorksファイルとしてサイボウズOfficeの掲示板に公開される。ユーザー側のWebブラウザには、無償配布されているDocuWorksのビューアを用い、閲覧することができる。ただ、ビューアに関してはまだMac版が公開されていないため、公開され次第利用したいと考えているとのことだ。
写真3 部署ごとに設置されたPCからWebブラウザを使って、社内文書を閲覧する。導入されたクライアントPCは、CPUにK6-2/333MHz、メモリ64MB、HDD4GBを搭載した標準的なWindows 98マシン |
写真4 社内2カ所に設置された富士ゼロックスのデジタル複合機「DocuCentre 250」。取り込まれた文書は、接続されたWindows PCからアップロードされる |