3) マルチウインドウで仕事は出来る?
最後はマルチウィンドウで仕事が出来るか。原稿付き合わせ(左右に赤字の入った原稿と、修正済みの原稿を並べてチェックすること)や複数ブラウザーでのページチェックなど、多くのウィンドウを同時に開いて作業が出来る環境が必要になる。
通常時の表示解像度は10.2型サイズの1024×600ドット。これでは特に縦解像度が足りなすぎてはっきり言って仕事にならないが、HDMI端子が付いているのでそれが生かせそうだ。
メインマシンで使用していたディスプレーにはアナログRGB端子しかなかったので、せっかくだからとムダに張り切って40V型の液晶テレビにつなげてみた。他の編集者からすれば異常にしか見えないが、まあいいじゃないか。
ディスプレー(この場合は液晶テレビ)と接続したときの最大表示解像度はフルHD解像度の1920×1080ドット。すさまじく広大なディスプレーで作業をすると、解像度の上ではメインマシンと同じ使い心地になる。当たり前だがGPUを積んでいるため、CPU使用率はディスプレーに接続したときも通常時と同じだ。
HDMI接続なので余計な設定をする必要もなく、接続するだけですぐ画面解像度を認識してくれるのも嬉しい。もちろん文字はにじみなく表示されて読みやすい。N10Jc本体はグレア液晶パネルなので映り込みが目立つのが欠点といえば欠点なのだが、外付けディスプレーに出してしまえばそれも気にならない。
そんなわけで第3点目もほぼクリアだ。ちなみに写真のようにニコニコ動画などFlashを使用した動画サイトの場合、GPUの効果は発揮できないので注意。
4) 結論としては?
そんなわけで実際に仕事に使ってみての感想は「Netbookとしてはかなり使える」。ニコニコ動画で大量のコメント(いわゆる弾幕)を表示するなどCPUに依存した重い動作をするとさすがに動画はガタガタになるが、これは他のNetbookも同じこと。
発売当時はVistaモデルで価格も9万円強とやや高級モデルだったが、今回はXPモデルで価格も6万5000円にリニューアルしている。その価格でHDMI&GPUが付いてくるというのはかなり破格な気がする。
Eee PC 900HAやHP Mini 1000などの花形モデルに押されて意外と知られていないダークホース的存在のN10Jc。こいつ、実はかなり買いなのではないだろうか。
ともあれ、N10Jのおかげでなんとか窮地を抜け出せたのは確かなので感謝したいところ。というか修理がまだ終わってない。もうちょっと借りてていいですか、すいません……